年金を早く貰える?(全部繰上げ) | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

そんな願望がある人に用意されてる制度が年金の繰り上げです。
僕はあんまり勧めないですが…
今日は初の手書き画像です
さっさと書いたので字が汚くてすみません(^^;;


例えば、昭和29年3月2日生まれの女性(もうすでに61歳ですけど、便宜上)に、20歳~60歳までの40年間の間に厚生年金保険料納めてきた期間が5年、国民年金保険料納めてきた期間が35年の場合の人を使ってみましょう。

厚生年金額は60歳から仮に年額60,000円とします。
国民年金(老齢基礎年金)は65歳から780,100円(この人、20~60歳まで40年間キッチリ国民年金保険料納めてるからこの満額)

あと、この人64歳になると年金額が増えます。
定額部分といって、厚生年金期間に応じて金額を出します。
金額は1626(定額部分の計算にはこの数字を使う)×60ヶ月(5年間)=97,560円増




20~60歳の間の厚生年金期間は国民年金保険料を納めてるのと同じ期間なので、この人は40年間キッチリ国民年金保険料納めたのと同じだから65歳から満額の780,100円の老齢基礎年金が貰えるわけです。

前も書きましたが年金って二階建てで加入なんです(三階もありますが)。
こんなふうに。

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で、この人の年金ライフはどうなるかというと、60~64歳になるまでは年額60,000円生活。
64~65歳になるまでは年額157,560円(60,000+97,560)≒157,600円(最終的な年金額は50円未満切り捨て、50円以上は100円に切り上げ)


65歳からは780,100円(老齢基礎年金40年分)+60,000円+48円=840,148円≒840,100円(場合によっては振替加算で62,900円増える事もある)

あれ?定額部分の97,560円は出ないの?っていうか48円!?


はい。


97,560円のほとんどは老齢基礎年金になりました

定額部分は65歳になると老齢基礎年金になっちゃうんですねー。

5年間の厚生年金に対する定額部分は97,560円

その5年間の厚生年金期間中の老齢基礎年金額は780,100÷480×60ヶ月=97,512円

定額部分の97,560円は97,512円の老齢基礎年金になっちゃいます
48円下がってますけど…65歳になっても下がる事はありません。
なぜなら48円の空白は
※経過的加算(参考記事)とかいうやつで穴埋めします(65歳からの年金額を減らさないため)。
まあ、この経過的加算48円は65歳以降は厚生年金の部類に入るから端数処理で切り捨てられちゃうのでこの事例では意味ないですね(^^;;
※自分が勝手に事例作るとこういう事に気付く場合があります(^^;;


基本受給パターン
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しかし、65歳になるまですごく年金額低いです。

じゃあ65歳から貰う老齢基礎年金を早めに貰っちゃおう!というのが年金の繰上げ

というわけで、60歳で老齢基礎年金を貰う事にしました。
でも、65歳から貰うはずだった780,100円の年金減らされます。

一生涯。

65歳から貰う年金を60歳から貰うから30%引きになります!

1ヶ月早めるごとに0.5%引きになります。
この人5年(60ヶ月)も(請求月から65歳到達月の前月までの期間)早く貰うから60ヶ月×0.5=30%引き。



780,100円×(100%-30%)=546,070≒546,100円になります。



じゃあこの人の年金ライフはどうなるのか?

60~64歳まで546,100円+60,000円=606,100円


64~65歳まで546,100円+60,000円+48円≒606100円

65歳~終身まで616,000円(場合によっては振替加算で62,900円増える事もある)

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減額された年金額一生涯続きます。

年金減らされるだけでなく、他にもいろいろ注意事項あるので、繰上げ請求する時は慎重に!


今回は年金の全部繰上げ事例ですが、次回は一部繰り上げです