「シナ人の国境感覚の曖昧さ」をよく表している事態がブータンで最近起こっているのを、たまたま、雑誌「諸君!」(2005年4月号)で見つけた。

中国が道路をチベット自治区内で建設していたのだが、ブータン領内にその道路が入ってきている箇所があるらしい。ブータンが抗議すると、「観光が盛んになっていいじゃないか」と言ってきたそうだ。

そう、こういう感覚だ。

この場合、建前は明確ではない(註1)。実利はありありだ。ブータンに道路をつなげることにより、山岳地帯ブータンに簡単に軍隊を派遣できるようになる。国王に圧力をかけ親中国派にすることもゆくゆくは可能になるかもしれない。ヒマラヤ山脈の南斜面を手に入れれば、インドに対する圧力になる。(註2)

それにしても、主権国家の原則を尊重する意志があれば、相手が弱小国であっても、こうも無造作に国境を侵したりはしないだろう。例えば、アメリカがパナマを爆撃したりするが、アメリカに歯向かってもいないのに知らない間に侵入して道路を建設するということはさすがに考えにくい。このブータンでの中国の行動は、なし崩し的にいつの間にか既成事実を作り上げようとするものだ。



註1: 現代においては、シナも主権国家体系の中に組み込まれてしまったから、「華夷秩序」を表面上は主張しにくい。

註2: 典型的に地政学的な問題がある。インドは亜熱帯~熱帯の国。シナは温帯~半乾燥地帯の国。この両国の兵士のどちらが、ヒマラヤのような山岳地帯で有利だろうか? 寒いのに慣れた側に決まっている。熱帯育ちの体にはヒマラヤ山脈は寒すぎる(註3・註4)。領内にチベット高原があるから、寒い気候と薄い酸素の両方に慣れた兵士には中共は事欠かない。もしネパールやブータンの領内で中印両国が戦争したら、装備が同じレベルなら、どちらが有利なのかは明らかだ(註5)。

註3: 現在のアフガニスタン付近の山脈は「ヒンドゥークシュ」と呼ばれている。「インド人殺し」という意味のサンスクリット語とmattは聞いている。インド人が山越えするには寒すぎるというわけだ。歴史上、北からインドに侵入した勢力はいくつも挙げられるが、南からアフガニスタンへ攻め込んだ例は、インドを支配していたイギリス軍以外には記憶が無い。

註4: 仕事でバングラデシュに12~1月に行ったことがある。この時期は乾季で、気温が低めで乾いており、mattには実に快適な気候だった。関東南部の11月上旬並?だった。が、現地の人々には激寒らしい。頭に長い布を巻いてぶるぶる震えている人を何人も見た。この時期は凍死者が出ることがあるそうだ。貧しくて栄養状態が悪いということもあるのだろうが。

註5: 楽しい横道。^^) リンク先「週刊アカシックレコード」の佐々木敏氏も書いているが、こういう要素はサッカーの国際マッチには大きく影響していると思う。

去年7~8月に中国でアジアカップをやったときは、砂漠の国ヨルダンが重慶で日本と互角に戦っていたので、mattは感嘆した。日本人が感じるよりずっと暑かったろうと思う。中国チームは最初からずっと北京で試合をしていたが、会場となった都市の中で一番北にある比較的涼しい場所だ(夏の北京が涼しいとは言えないと思うが)。中国チームは一番暑くない場所で、移動距離ゼロで戦ったわけだ。ま、これくらいの贔屓はサッカーでは当たり前だ。

2000年のアジアカップ(レバノン大会)では上位4カ国のうち3つを東アジアの国々(日韓中)が占めたが、地中海岸のレバノンが過ごしやすい気候だということを考慮しても、やはり画期的なことだと思う。東アジアサッカーのレベルが上がって、かつての中東の優位を崩しつつあるということだと思っている。(そこまで言うには早計だろうか?)

今やっているドイツ大会予選について言えば、日本としては早めに勝ちを重ねたいところだと思う。6月がきつい。バーレーンで戦ったらすぐ移動して1週間後に北朝鮮で戦わねばならない。夏のペルシャ湾岸は蒸し暑いのだそうだ。
mattは地理学が好きだ。趣味といっていい。派生して歴史好きになった。中国史全体はごく浅く読んだだけだが、「胡漢の相克/交流」という観点から書かれたものに限って言えば、日本語の文献は結構読んでいる方だと思う。もちろん専門の研究者には全然かなわないが、平均的な日本人よりはだいぶ知っている方だろう。

胡漢の関係を見ることは、「日本がシナとどうつきあっていくべきか」を考える上で参考になると思う(註1)。そこでこの切り口(胡漢&日シ)で「テーマ:Sinology」を綴っていこうと思っている。


3月4日に「華夷秩序」について書いた。「胡が漢の文明を受け入れていれば、胡を漢が実効支配するかどうかは問われない」という内容のことを書いた。これはこれで正しいとmattは考えているのだが、同時に多分に建前だとも思っている。矛盾することを言う奴だ、と思われるかもしれない。が、本当にそう思っている。

それはシナ人が「面子」を重要視するからであり、かつ「他人がどう思おうが、自ら『面子が立っている』と主張できる状態を確保すること」を重要視しているからだと思っている。このことは実利を軽視しているということではない。


10世紀に「遼」という国があった。ほぼ旧満州と外蒙古に相当する地域を支配し、また現在の北京周辺をも支配した。

遼は戦争に強く、宋と何度か戦って有利な条件で講和した。最初の講和では「宋は遼を『皇帝』として認め、宋が兄、遼が弟の関係」とされた(註2)。これは本来のシナ人の感覚で言うと十分屈辱的だ。「天に二日なし」。皇帝はこの世に一人だけのはずだからだ。それが二人になってしまった。また、兄弟であることを認めるということは、同列に近く、とって代わり得る存在と認めているわけだ。

それでも何とか「兄は弟より上」ということで面子をある程度保った。mattから見るとばかばかしい面子だが、こういうことがシナ人にとっては重要らしい。


下の註2にいきさつを少し書いたが、「独善的な連中だな」とmattは思う。自分が優位であると喧伝できないと腹立てて騒ぐ。同時に実利も追求していて、「華夷秩序」の感覚を建前で持ち出しつつ、取れるものは取ろうとしてくる。だが相手が強いと折れる。普通のpower politics なのだが、「華夷秩序」の感覚は頑として持っていて、機会あらば見下そうとし、また自分の面子と実利を満たすため色々ちょっかいを仕掛けてくる(註3)。

好むと好まざるとにかかわらず、政治的にはこういう面がある人たちだということだと思う(註5)。





註1:ここは相場blogなので、「日本とシナの関係が歴史的にどうだったか」について考察するのは意義のあることだと思う。(プロか個人投資家かに関係なく)真剣に外為市場に関与している人はほぼ例外なく国際情勢に関心を持っていると思う。現代の政治経済と直接関係が無くても、背景について情報収集しようという姿勢のある人が多いと思う。一方で、歴史の細部を学ぼうとする人は相場を張ることには関心ないことが多いと思う。だいたい相場を張っていたら歴史書を読み漁る時間はなかなかとれない。だからこの場で、(わずかな部分的なものではあるが)これまで知り得たことやmatt個人の意見をさらけ出して読者に考える材料を提供する価値があると思っている。

註2:2回目の講和のときは「遼が兄、宋が弟」になってしまった。1回目のときに長城以南の地を一部割譲したのだが(現在の北京周辺)、それを取り返そうと宋は戦いをしかけ、敗れてしまった。それでも面子を捨てたことにより、この後遼宋間では平和が保たれた。その後遼が金という別の国に滅ぼされてから、また北から宋は攻め込まれるようになった。

註3:「色々なちょっかい」は今日でもそうだと思う。教科書や靖国参拝や日本の安保理常任理事国就任への反対など。「隙あらば出来る限り自分の面子を立てできれば実利も」というなかなか露骨な姿勢だ。(註4)

註4:こういうシナの行動は日本に与える効果もさることながら、「面子を立てようとしていることを国内向けにアピールする」効果を狙うことを意識してもいるとmattは思っている。

註5:シナ人個々人が嫌な人だと言うつもりはない。
22:30 JST の発表後 @1.3480前後?まで上げ、@1.3390前後?まで下げた。夜半から徐々に上げ、@1.3456で引け。

下げたのは、@1.3500近辺の売りオプションのため?

発表前に逆指値した。

本日の売買:EUR/USD @1.3475 買い
本日のポジション:EUR/USD 平均@1.3405 買い

EUR/USD @1.3456 | USD/JPY @103.99 (12日 07:00 JST)
(FT.com記事:http://news.ft.com/cms/s/dfec853a-9157-11d9-8a7a-00000e2511c8.html より)

日本も外貨準備をドル一辺倒から他通貨へ移すかもしれない、というわけか。

よーく、アメリカ人と調整してください。(それとも、ひょっとして、した上で言ったのか?)

まあしかし、ドル売りトレンド形成を促進する発言だったので、個人的にはありがたい。どんどん行ってもらおう。

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"I believe diversification is necessary."

と英訳されている。こう訳されたら、日本の首相がこの種の発言をしたのは初めてだから、そりゃびっくりするかも。

(3月11日 加筆)
んー、いい感じだ。

このままBollinger bands が細くなってくれれば、言うことなし。
今日はこれまでのところそこそこ上下しているが、値幅は狭い。

今日、明日と、狭い値幅の陽線が続いてほしいものだ。その上で、あさってNYで「赤字<予想値。かつドル売り」となってくれればありがたい。

そんなにうまく行くわけないか。(^^;)


本日の売買: none
本日のポジション: EUR/USD 1.3335 買い

EUR/USD @1.3350前後 | USD/JPY @103.90前後 (24:00 JST)
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Japan on the Globe 国際派日本人養成講座

日本人としての誇りを思い起こさせてくれるサイトです。これほどの情報収集は大変だと思います。頭が下がります。

メールマガジンも運営されています。
為替ではないが。

商品取引で160億円損失計上とのこと。原油ベアだったのかな?

Nick Leeson から10年後...
本日の売買:Euro @1.3335 買い
本日のポジション:Euro @1.3335 買い

Euro @1.3339前後 | Yen @104.62前後 (27:05 JST)
(3月6日の記事 - http://news.ft.com/cms/s/56aaaad4-8e6b-11d9-8aae-00000e2511c8.html)

Buffettのドル安傾向への警告について述べている。このまま行くとアメリカが「小作人社会(sharecropper's society)」になるとBuffettは株主への手紙で述べているそうだ。Fortune日本版も先月Buffettのドル安見通しの記事を載せていた。

昨年講演を聴きに行ったときRogersもドル安予想を言っていた。みんな同じ方向になってきたか?



注:"sharecropper"を「小作人」と訳すのは問題があると思うが、「請負農家」と訳すと日本語でしっくり来ないので、敢えて「小作人」と訳した。

(13:36加筆) NIKKEI NET にほぼ同内容の記事が載った。「小作農社会」と訳している。http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050307AT2M0600107032005.html