観る順番を完全に誤っているが、アンブロックにはUpされてなかったので仕方ない。
このお話がシリーズ第一弾のドラマだった(2016年)。
文乃ちゃんも当時29歳。原作に忠実なキャラ設定にするため、小さい衣装で華奢なイメージを作り、初々しいポニーテールなのでもっと若く見える。
2019年の「蝶の力学」では、クレオパトラカットにして凛々しい雰囲気へと成長しているので、シリーズ当初の新人刑事役との対比が興味深い。
回を重ねるごとに成長していく如月塔子を楽しめる。
いきなり猟奇殺人のシーンから始まり、物語にどんどんのめり込んでいける。緻密な謎解きに加え、刑事だった塔子の亡き父(仲村トオル)への想いと葛藤、上司である主任の鷹野警部補(青木崇高)との師弟愛など、見どころは多々ある。
人間ドラマとしても刑事ドラマとしても、非常に良くできた作品だ。
特に、青木崇高や段田安則と言った渋い俳優陣が、華奢で発展途上中の女刑事を優しく見守り、導いていく姿が男らしくかっこいい。
やはり刑事ドラマはあくまでフィクションであるからして、カッコよくなければいけない。
木村文乃も一番脂が乗っていた時期ではなかったか。
この頃は、「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」や「サギデカ」などでも刑事を演じており、きりっとした男前の文乃ちゃんの演じる刑事は、これまた男優陣に負けじとかっこいい。
竹内結子を残念な形で無くしてしまった今、かっこよくて美しい刑事を演じることが女優は木村文乃が筆頭だと思う。
鷹野が塔子を時に厳しく突き放し、時にそっとフォローしたりと指導していく姿は、いい上司が指導する後輩のことを心から大事にしているのがよくわかり、それにこたえるかのように力強く前に進んでいく塔子を応援したくなってくる。
猟奇犯罪の謎解きのスタイルではあるが、これは男職場で懸命に戦い成長していく一人の女性の物語でもある。
共演者は「蝶の力学」でも書いたように、原作では小柄な塔子を演じる文乃ちゃんが164cmと日本人女性の平均より大きいため、周囲の男優陣がみな長身だ。
「蝶の力学」の時と唯一違うキャストは、門脇警部補役の平岳大。かれも183cmと長身。
その他共演者は、渡辺いっけい、水橋研二、神楽坂恵、山中崇ら。
犯人役の古川雄輝は出色だった。
彼は恋愛ものでイケメン役も多数やっているが、今回の異常な執着を見せる犯人・八木沼雅人や、「ゴールデンカムイ」のほとんど変態な(失礼)江戸貝弥作役など、猟奇的な役がものすごくハマる。
彼の居場所はそこにあるのでは、と思わせる熱演に思わず魅入ってしまう。
これからもそんな役が付くことを期待したい。
このあと、2作目の「水晶の鼓動」を観始める予定。
塔子がどう成長していくか、楽しみである。
彼女が20代の頃から追っかけている文乃ちゃんももうすぐ40歳。
綺麗で強い刑事役を見てみたい。


