前作はB級ホラーの雰囲気が漂う良作だった。物語の展開に捻りがあり、かつラストでニヤリとさせてくれるのも、昔よくあったアメリカのB級ホラーっぽくて、個人的にはお気に入り。

恒松祐里の演技もさすがだったし。

 

このため続編というのはたいていつまらないものになるので、正直期待してはいなかった。

しかし、監督が前作と同じ永江二郎、出演も恒松祐里、本田望結と同じキャスティングというので、これはもしかすると、、、、と思って観たら期待を裏切る出来で◎。

 

前作はラストでまさかの恒松祐里、悪い人だった展開。

そして本作では、本田望結が徹底的に人間愛を前面に押し出すキャラで、きさらき駅に取り残された恒松祐里を身を挺して助けに行く、という感動のストーリー(ラスト手前までは)。

だが、単純なMATTのような人間はコロッと騙されてしまうのだ。

前作で恒松祐里に騙されたことから、なーんにも学んでいない。。。

人間愛がどれほどの真実を持っているのだろうか。本作の主人公たちは、潔いくらい人間の包み隠せない本性をさらけ出す。

それがこのシリーズの本質なのだろう。

 

前作で見たことあるシーンの繰り返しも、ラスボスのような敵とのファミコンのような戦いも、この作品にとっては刺身のツマだ。

本当の面白さは、きさらぎ駅は人の悪意を具現化する世界であるというところ。

それは誰の心の中にも潜む悪意。

誰でもいつかはきさらぎ駅に行くことができるのかもしれない。

 

今回も前作から引き続き、佐藤江梨子、瀧七海らが出演。

新キャラで奥菜恵が出ている。

 

最近のジャパニーズホラーは本当につまらない作品が多いのだが、このシリーズは正統派ホラーではなくとも、心がぞわっとする嫌な感じを残してくれるという意味で、しっかりとホラーであると思う。