原作は目にしたことが無い。

このため、純粋にサスペンスホラー映画として楽しむことができた。

 

金曜の夜、一週間の仕事で疲れた頭を休め、まったりした時間を過ごすのにはちょうど良い尺、テーマの映画だった。

 

恒松祐里がヒロインというのも観るきっかけに。

凛としたたたずまい、鼻筋の通ったちょっと昭和美人の雰囲気もよい。

外見だけではなく、「全裸監督」でヌードでの体当たりの演技、それとは真逆の「リバーサルオーケストラ」での初々しさを残した演技を見て、若いけど面白い女優さんと注目していた。

 

この映画でも終始一貫していざという時に強さを見せる闘う女子を演じていたかと思いきや、終わり間際の変わり身など、なかなか上手い。

彼女がヒロインであることで、物語が締まったと思う。

 

共演の佐藤江梨子は、「キューティハニー」(庵野秀明監督!)を見そびれたままなので、いつか見てみたいと思っている。

この映画ではなかなかの怪演が光った。

 

また本田望結は、MATTの中ではいまだに「ミタさん、ミタさん、ミタさんのオムライスが食べたい」と言っていた「家政婦のミタ」の季衣ちゃんのままだ。

その子がこんなに大きくなったとは。。。(親戚の叔父さん気分)。

 

ギャル役の莉子は、「早朝始発の殺風景」でちょっと気になる美少女役だったので覚えていた。しかしこの映画ではほとんど抜きのカットはなく、誰がやっても同じ役、というのはちっと可哀そうか。。。

 

演者も少なく、ロケ地も田舎、特殊効果も金がかかっている様子はない。

しかしホラーに大切な入口から考えさせる間もなく次から次へと事件が起き、見ているものの目をくぎ付けにする演出はよくできていると感じた。

 

また敢えてチープな感じを前面に出すことで、日常感と得体のしれない恐怖が混在し、絵作りに貢献している。

前半部、なぜかサトエリの目線でカメラが進むのも、後半の恒松祐里が同じ道をたどることになる展開につながるということで理にかなっている、など80分そこそこの映画としてはまとまっているのではないか。

 

物語の結末も、なるほどと納得させる謎解きがあり腑に落ちた。

その結末をリアルにさせた恒松祐里と佐藤江梨子、そして本田望結の演技に拍手。