再会 | 伊藤和磨オフィシャルブログ Powered by Ameba

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アンマンに5年住む友人の自宅で

  最終日のアンマンでは、3つ年上の友人の自宅に御邪魔してきた。5~6年ぶりの再会。とても嬉しい。
 彼は国連の職員としてアンマンに5年住んでいる。毎月、週末しか自宅に居られない時が多いというくらい、出張が多いそうだ。イラクのバグダッドにもしょっちゅう行くそうで「怖くないの?」と訊ねたら、
「まあ、時々がそう思う時もあるよ。今日も爆弾テロで数十に死んだからな。良くないけど、よくあることだから慣れた。以前はロケットが飛んできてたらか、それよりはマシや。近くに着弾すると建物が揺れたから、最初は怖かったよ」と。

「アラブと中東の歴史を勉強すれば、決してイスラムだけが可笑しいわけではない事がわかる。アメリカやヨーロッパの奴らが勝手に線を引いて行くから争いが生まれる。常に工作して、紛争をしかけているからな。少数でも、独裁政権を良く思っていない連中や、民族的、宗教的に対立している連中をけしかけて暴動を起こさせる。
 こういう環境では平等なんていう考え方はない。やっぱりある程度バランスを保には、強力に力をもったリーダーが必要になる。仮に、独裁者に偏ったとしても、それでも昔から統制をとってやってきたんだから。アメリカが民主主義とか掲げて横から入ってくる問題じゃない」

 悪いのはアメリカだけではなく、今回のシリアでもロシアや中国、アメリカが裏で争い、サウジやカタールなども政府軍、反政府軍にそれぞれ武器を売りまくっている。
 軍事産業や軍事マフィアの世界には、人間の心を持たない連中がゴロゴロいて、こういう輩は自国民が何千、何万人死のうと儲かればお構いなしなのである。
 宗教戦争というのも、単に信仰の違いや考え方の違いで生じているのではなく、領土に絡む利権を奪い合い事が目的で、宗教や民族間の摩擦を戦争の大義として利用しているのである。

 日本でテレビや新聞が伝える事を鵜呑みにしていると、完全にアメリカ側のマインドに染められてしまうから、そこは相当注意しておかなければいけない。ロイター通信の映像も、これまで何度すり替えられてきたことか。デモで興奮している奴に金を渡して、カダフィへの暴言を吐かせた映像を撮ったり、一部の反対派のデモを取り上げては、まるで全土で同じような状況であるかのように誇張してきた。

 全てとは言わないが、常に電波は強者側から発せられる。弱者や敗者が電波を使おうとしても、世界に広げるネットワークがない。(シリアの内戦の真相も、こちら側から見ないとわからない)
 今でこそyoutubeなど、ソーシャルネットワークのお陰で、個人的に情報を発信できるようになったが、それでもテレビの方がまだ訴求性が強い。
 ソーシャルネットワークを利用したのが、チュニジアで始まったアラブの春。米国に招待された優秀な学生達が、セミナーでネットワークで情報を拡散する方法を学び、焼身自殺を図った学生の映像を全土に流したことで起きた。そして、狙い通り政権が倒れ、他の国々にも暴動が広がった。
 ほとんど娯楽がないアラブ•中東の人たちには、集会は普段の鬱憤を発散出来る場であり、また集団心理が働いて精神的に極度な興奮状態に陥りやすい。
 こちらでは完全にヒールの米国は、こういう現地の人々の特性を上手く利用し、さも自然発生的に暴動や革命が起きたかのように、地元の学生たちを上手に使って工作している。この方が手を汚さずに済むし、アラブ諸国から睨まれることもなくなる。

 これまで米国はイラクをはじめとするアラブ•中東諸国に、勝手な大義を他国に押し付けては、破壊ー再建ー復興を繰り返してきた。いうことを聞かない奴は、「冷酷な独裁者」というイメージをメディアを介して人々に植え付けさ、「それならやっつけられても仕方がない」という流れをつくる。
 破壊の段階では軍産複合体が儲け、再建と復興の段階では建設に携わる自国の企業を大量に送り込み、現地の人々には重機や車などを売りつける。もちろん、オイルの価格をコントロールできるという利点が一番大きい。

 こちらに来なくても、アラブ中東のことを少し勉強すれば、いかに我々のイスラム圏に対する見方が偏っているかが分かる。そして、こちらに来れば、ユダヤの方が相当ぶっ飛んでいる事が分かる。

 ジャーナリストの山本さんがいたシリアまで、車で2時間弱のところにいるのに、あまりに待ちが平穏で、愉しく過ごせていることに不思議な感じがする。


  

                   チーズの種類が半端ない。


子供ができて穏やかになった、兄貴分。