日本の技術 業務用の急速冷凍の技術一覧 | メモらんだむ

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冷凍技術について

日本の冷凍技術は世界に類をみないほど発展している技術の一つです。

マイナス50度以下の送風によって冷凍する通常の急速冷凍の技術では、最大氷結晶生成温度帯(0℃~-7℃くらい)を通過する時間が長いため、氷結晶が大きく成長しやすく、細胞の破壊が進んでしまいます。

CAS冷凍がすごいというのは一昔前に話題になっりましたが
CAS以上の技術が近年は出てきています。

CASも含めて現状で僕が分かっているものだけでもご紹介します。

プロトン冷凍

均等磁束、電磁波と冷風をハイブリッドした冷凍技術。

プロトン凍結効果
 品物が凍る時の「氷の粒」を出来るだけ大きくしない様にし、その品物をそのまま(凍結劣化をおさせる)の状態で凍結します。従って、品物の細胞破壊を防ぎ、ドリップを少なくします。 水が氷になる時の氷核生成に効果を与え、核を多数生成し大きな氷結晶の成長を妨げることを目的としています。結果、食品細胞の破壊を防ぎ、ドリップ量を少なくします。

CAS冷凍

食品を冷却しながら磁場環境の中におき微弱エネルギーを与えることで細胞中の水分子を振動させることにより過冷却状態に保ち、その後瞬時に同時に冷凍させることにより水分の氷結晶化を抑える技術。特殊なCAS発生装置を使って細胞組織に8つの組み合わせのCASエネルギーを均一に与えることで、細胞組織の中にある水分子を振動させます。そうすることで、生成される氷晶を微細化し、細胞壁や細胞膜を壊しにくくするのです。CAS機能は世界初の技術として、現在では食品から医療・応用物理まで、幅広い分野に用いられています。

テクニカン

フローズン液に食品を浸して、急速に凍結する技術です。
生食品と比べても味が全く落ちない冷凍を実現した技術は、日本をはじめ、世界各国で特許を取得しています
熱伝達の早い液体媒介なので、凍結速度は、エアブラスト凍結時の約20倍!圧倒的な時間節約を実現します。魚や肉の細胞内水分をほぼ原形(3~5ミクロン)のまま凍結することに成功(一般冷凍庫は100~200ミクロン)。細胞が破壊されないため、解凍時にドリップがほとんど発生しません。食品の旨みや水分を逃さず、生のままと変わらないみずみずしさをキープ。味・食感・見栄え・歩留まり全てにおいて圧倒的な効果を実感いただけます。凍結後の商品は、一般的な冷凍庫で長期保存が可能です。
原料を安い時期に仕入れて凍眠で凍結しておけば、新鮮なまま冷凍保存ができ、コスト削減にも
常温・低温・加熱(湯銭)・流水など解凍方法は何でもOK!
特別な解凍庫は必要ありません。

デパック

静電誘導凍結という技術です。電気エネルギーを与えて氷結晶の成長を抑えることで組織破壊を防ぎ解凍時のドリップをなくします。独自のDepakチャージャーの電気のエネルギーで酸化を抑制します。RAF-Cは超低温急速凍結により組織破壊を抑えます。

エネル凍結

電磁場を活用した-50℃の急速冷凍庫 ENEL-50
電磁場と冷風を組み合わせた凍結技術です。氷の結晶を遙かに小さく、より均一に形成。
凍結時の氷核生成にはたらきかけ、氷核を多数生成し、小さな氷結晶を作ります。
食品細胞の破壊を防ぎ、解凍時のドリップ量を少なくします。
クロマグロのドリップ量を比較すると、ENEL凍結ではドリップ量71%改善!!
エネル凍結の原理
エネル凍結は、高電圧より、電場と磁場を同時に発生させるので、最大氷結晶生成温度帯を
素早く通過します。通常の凍結では氷の粒が大きく生成され、解凍後の品物の品位が低下してしまいます。「氷の粒」を大きくしないようにするには、多くの氷核を一度につくり、大きな氷結晶の成長を妨げることです。

リ・ジョイスフリーザー

米田工機社製。リ・ジョイスフリーザーの庫内は-35℃に冷やしたアルコールを絶えず撹拌させています。そこに鰻の蒲焼を漬けると、みるみるうちに凍っていくのがわかります。
リ・ジョイスフリーザーでは、凍結速度が非常に速い為、凍結商品の表面が白濁して見えます。
しかし、解凍すると、その白濁は消えて、凍結前の状態に戻ります。リ・ジョイスフリーザー(液体凍結)はショックフリーザー(気体)に比べ熱伝導率が高く、約20倍という特徴があります。

OLF50

急速液体凍結機。6倍速氷結晶生成帯(※)を如何に早く通過するかが凍結品質を左右します。
緩慢(ゆっくり)凍結すると氷結晶が大きくなり旨みの入った細胞を破壊してしまいます。
この氷結晶生成帯を通過する時間を比較すると、従来の気体(エアブラスト)凍結の6倍の
早さで通過させることが出来ます。※氷結晶生成帯・・・氷結晶が出来やすい0℃~-5℃のことをいいます

ラピッドフリーザー

極東産業株式会社製。不凍液を冷却し、その中に食品を浸漬させる方式の急速凍結機。
空気の20倍の熱伝導率のあるブラインを用いることで、大きな形状のものでも急速凍結可能!
解凍後のドリップが少なく、最高の味覚が得られます。
強力な凍結力で、最大氷結晶生成帯を速やかに通過!旨みを逃がさず封じ込めます。

東京海洋大学 過冷却研究