明日からの君の方が僕は好きです | 今日もひとこと、ほめてみた。

今日もひとこと、ほめてみた。

ほめるのは、ちょっぴりの勇気で、びっくりの展開。
日本ほめる達人協会 顧問 松本秀男

一所懸命だけれどうまくいかない。

 

自分の存在があやしく思える。

 

そんな時は誰にでもあります。

 

けれどもそれは今までの話で、これからもそうだなんて思う必要もなく。

 

 

さだまさしさんの名曲「道化師のソネット」にカップリングされた、

 

 

「HAPPY BIRTHDAY」

 

 

という曲があります。1980年の作品です。 

 

タイトル通りにハッピーな明るい曲調で、コンサートの際には会場に手拍子が自然とまき起こります。

 

 

ところがこの歌詞に、

 

 

「昨日までの君は死にました おめでとう おめでとう」

 

 

とあり、

 

 

「誕生日の歌で死ぬとは縁起悪い!それでおめでとうって、なに?!」

 

 

と物議をかもし、やっぱり「さださまさし暗い!」のツッコミどころにもなりました。

 

ただ、この歌、正確には誕生日の歌ではありません。

 

 

誰だって人生思う通りにいかない。

 

私はこれでいいのか?と思う。

 

人を傷つけることも人に傷つくこともある。

 

生まれてきてよかったのか?と思うこともある。

 

 

だけれどそれは昨日までの自分。

 

昨日までの自分は実はもう過去の人でもういない。

 

あなたは今生まれたと思えばいい。

 

明日からは違うあなたの人生が始まる。

 

という応援歌です。

 

ギリギリの気持ちにいる人たちへの応援歌です。

 

 

誰にだってひとつやふたつ 心に開かずの部屋がある

 

一生懸命生きているのに 傷を恥じる事などないさ

 

雨が降る日に気になるものは 雲の大きさばかりだけれど

 

空の広さに比べれば 別に大した事じゃない

 

だから HAPPY BIRTHDAY HAPPY BIRTHDAY

 

昨日迄の君は死にました おめでとう おめでとう

 

明日からの君の方が僕は好きです おめでとう

 

 

幸せなんて言葉もあるが 人それぞれに秤が違う

 

人は人だしあんたはあんた 別に張り合う事などないさ

 

雨が降る日は天気が悪い 雲には雲の行先がある

 

空は確かに広いけれど 心の広さと比ベてみるかい

 

だから HAPPY BIRTHDAY HAPPY BIRTHDAY

 

昨日迄の君は死にました おめでとう おめでとう

 

明日からの君の方が僕は好きです おめでとう

 

 

 

この歌は、自分の存在理由に迷う人たちに送られた歌であると同時に、学生時代のさださん自身に向けられた歌だと私は勝手に思っています。

 

バイオリンの修行で、中学の時に長崎から上京したさださん。

 

長崎の実家は当時お金のない時代。

 

それでもさださんの才能を信じて東京に送り出してくれた両親。

 

その期待を感じながらも、さださんは音楽から挫折していきます。

 

 

音大附属の高校に落ち、大学は望みもしない法学部に入って中退。

 

お金がなくバイオリンを質に入れてしまったこともありました。

 

自分の存在理由がわからなくなり、自暴自棄となっていきます。

 

自分で自分を「いじめ」に入ったとさださんは振り返ります。

 

それでもギリギリで「あきらめなかった」と。

 

 

この歌は、あきらめそうだった昔の自分、

 

そして今、あきらめそうになっている人たちに、

 

歌ってくれているものだと思います。

 

 

あきらめるならば、昨日までの自分をあきらめてしまえばいい。

 

明日からの自分まであきらめてしまう必要はないよと。

 

 

私もこの歌に救われたひとりです。

 

 

ちょうど、今ごろの季節でした。

 

 

損害保険の売れない営業で、どんなにやっても結果が出ずに半年が経ち、最後の望みの見込み客だったお客さまからキツイ言葉で断られた日がありました。

 

半年頑張ってもお客さまには存在も認めらない。

 

まだ幼い子どもたちを抱えた父親として、もう終わりかと思えた日。

 

 

耳の奥に聞こえてきたのが、

 

 

「昨日までの君は死にました」

 

 

そうか、だめだったのは昨日までの私。明日からは別の自分で生きてみよう。

 

「ゼロから」と受け入れた時、

 

不思議と風向きが変わっていきました。

 

 

 

 

「生まれ変わることはできないけれど、生きなおすことはできる」

 

 

これもさださんの言葉。

 

 

「これまでが これからを 決める」 のではない。


「これからが これまでを 決める」 のだ 

 

 

浄土真宗の名僧、藤代聡麿さんの言葉。

 

 

考えてみたら、明日のことなんて、誰も知らないのですものね。

 

私たちは誰でも、過去のことしか知らない。

 

ならば誰でも平等に、

 

明日に希望をもっていいのだと思います。

 

 

今日もイイ日に。

 

 

 

 

 

 

 

 

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