サイボーグ誕生♪ | 今日もひとこと、ほめてみた。

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ほめるのは、ちょっぴりの勇気で、びっくりの展開。
日本ほめる達人協会 顧問 松本秀男

先週、右目の白内障の手術をいたしまして。

 

 

「おいおい、ずいぶんと早いんじゃないの?」

 

 

というわけでもなさそうで、白内障の症状は40代くらいから始まるそうでございます。

 

 

 

もちろん症状の出方は人それぞれ。

 

四十どころか始終キョロキョロしてきた私なんぞは、きっと少し早めに症状が出たのでございましょう。

 

 

白内障は目の水晶体が濁って見えにくくなる病気でございます。

 

人や物ごとの素晴らしさを発見するほめ達!としては、

 

濁った目をしているわけにもまいりません。

 

即、手術と相成りました。

 

 

手術自体は10分程度で、日帰りで済むのは知られた話。

 

それでもその日の準備のために、何度も検査に通ったり、数日前から朝昼晩と目の雑菌無くす点眼をしたりと、

 

 

「おお、やっぱり手術は手術なのね」

 

 

と、当たり前なことに気づき、なお面白くなってまいります。

 

 

当日は病院で手術の2時間近く前から、瞳孔を開く点眼を5分おきに8回ほどいたしまして。

 

瞳孔が開くわけですから、世の中すべてが明るく見え出します。

 

ですんで、手術前は気分が滅入るかと思いきや、すべてが明るく見えて、言葉通り目の前が開けたような気分です。

 

 

手術着に着替えまして、手術室の前室のような場所に座り、麻酔の目薬を数分おきに3回ほどさしてもらいます。

 

壁も天井も真っ白な前室で、ひとりぽつねんと麻酔の効くのを待っている時に、

 

何やら、ありがたさが湧き出してまいりました。

 

 

ご先祖さまたちはきっと、白内障になっても、直してもらうことはできなかっただろうな、とか。

 

今を生きている人たちであっても、例えば戦禍の中にいる人や、難民生活を強いられている人たちは、こんな綺麗な前室で麻酔の効くのを待つなんてこと、得られる機会ではないだろうし、とか。

 

自分はいま、ずいぶんと恵まれた状況にあるものだと、感謝が溢れてくるのでございます。

 

 

「それでは松本さん、どうぞ」

 

 

と、手術室のドアが開きます。

 

中には、先生や看護師さんなど、7人ほどのスタッフの方たちがいらっしゃいました。

 

 

私のちっぽけな水晶体ひとつの話なので、2、3人での手術かと妄想しておりましたが、

 

なんとも大勢のチームで取り掛かったくれるのだと驚き、またまた感謝が溢れます。

 

 

これまた真っ白な手術室の真ん中には、空のように青い手術用の椅子。

 

惑星間飛行をする宇宙船の一室のようにも思えました。

 

 

ピアノのインストのBGMが、ゆったりとかかっています。

 

ディズニー音楽のようです。

 

 

「はい、では松本さん、よろしくお願いいたします」

 

 

椅子がゆっくり倒れます。

 

BGMが、アラジンの、

 

 

「A Whole New World」

 

 

に変わりました。

 

 

これもご縁でしょうか。その日の朝、ニューヨークのブロードウェイでミュージカルが再開されたというニュースを見ました。

 

一昨年の春、講演でニューヨークに行った時に、ひとり見たミュージカルが、アラジンでした。

 

 

「Trust me(僕を信じて)」

 

 

が印象的なセリフのアラジン。

 

手術室ではCDをリピート再生しているだけなのでしょうけれど、出来すぎた演出のようで楽しくなります。

 

先生をしっかりと信じて、魔法の絨毯に乗った気分。椅子がゆっくりと持ち上がってまいります。

 

 

「松本さん、もう少し頭の方にずれることできますか?あ、はい!ばっちりです!」

 

 

ほめてくれる先生。

 

 

「順調にいってますよ!」

 

 

手術中も声をかけながら安心させてくれます。

 

なので、私はゆったりと魔法の絨毯に身を預けたまま。

 

 

白内障の手術は、瞳の脇にほんのわずかにメスを入れ(まったく痛くありませんよ)、濁ってしまった水晶体を超音波で砕き吸い出します。

 

そして、水晶体の袋の中に人工のレンズを入れるというものでございます。

 

 

「部分麻酔だから、メスを入れるのが見えちゃうんじゃないか?」

 

 

と、私も昔思っておりましたが、横からのメスですので、それはまったくございません。

 

 

また目の表面を衛生に保つためなのか、少量の水を目に流しながらなので、水の中にいるようで、視界もはっきりせずに、何かが見えて怖い、というものもございません。

 

 

逆に、水の中で見える手術用の照明などが、揺らいでとても綺麗です。

 

とりわけ、水晶体が全部取れたかな?って時は、まったく焦点が合わない目ですので、夢の中のような映像になってしまいます。

 

なんだかオーロラを見ているような。

 

ワープ空間に入った時のような。

 

超幻想的。

 

 

ほんとうに、宇宙船で大宇宙を旅しているような気分でございました。

 

 

出来過ぎのようですが、そのあたりでBGMが、

 

 

「When You Wish upon a Star(星に願いを)」

 

 

に変わりました。

 

 

そしてレンズが入ると、突然にパチっと、手術用の照明にフォーカスが合います。

 

 

「松本さん、綺麗にできましたよ」

 

 

先生の声に、地上に降り立ちます。

 

 

その日は眼帯をしますが、歩いて帰れます。

 

翌日また眼科へ伺い、眼帯をはずして消毒。そこからは花粉メガネのような保護メガネをしてしばらくは過ごします。

 

雑菌が入らないようにと、目を触ったりしないようにということで。

 

 

眼帯をはずして見た世界の明るさと、みごとに合うピント。

 

なんともありがたい話でございます。

 

 

いわば私は部分的にサイボーグになったようなものでございまして。

 

 

それでも見えるこの身体の不思議。

 

そうしてくださる医療技術と先生やスタッフの方々のありがたさ。

 

 

せっかくそうしていただいたので、

 

もっともっとたくさんの、

 

美しいもの、素晴らしいものを、

 

キョロキョロと見ていこうと思うのでございました。

 

 

今日もイイ日に。

 

 

 

 

 

 

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