今日の東京は、雪。
凍った花びらのような雪が、満開の桜の花びらをおおっていました。
何年ぶりかの春の雪ですね。
春の雪。
「名残り雪」とか、「終雪」とか。
「忘れ雪」なんて呼ばれることも。
季節は意外とぶれるもの。
それがまた風情でもあります。
私がガソリンスタンドのおやじだった頃は、
「桜が散るまでは、スタッドレスでいてくださいね」
なんて、お客さまによく言っていました。
「彼岸すぎたら、もう降らねえよ!」
なんて、毎年言われながら、
「知りませんからねー!」
と、言われるままに3月にノーマルタイヤに替えて、
3年か4年に1度は、桜の頃に春の雪。
たまに積もるほど降って、
「わりい!言う通りだったよ!もう1回スタッドレスにして!」
なんてことがよくありました。
「だーから言ったじゃないすかー!」
雪降る中、かじかんだ手で、車をジャッキアップした記憶が何度もあります。
「だからって、3年に1度くらいだろ!」
なんて、お客さんが負け惜しみを言いやがるんで、
「3割バッターなみじゃねーすか!」
と、こちらもプロの意地で返しておきました(笑)。
さっきネットで調べてみたら、東京でもっとも遅い雪は、4月17日が3回あるそうで。
1988年4月9日は9cm積もったって。
「名残り雪」って、けっこうあるんですよね。
だから歌にもなったりします。
人間、けっこう、忘れちゃいますよね。
ちょっとした困りごととか、少し変わったこととか。
本当に困ったりしない限り、忘れてしまう。
忘れられるから、良かったりするんですけれど。
少しはみ出したこと程度なら忘れられるから、「当たり前」とか、「普通」が出来上がる。
それが自分の基準になってくれたりします。
それはそれでいいこと。
そしてその「当たり前」からはみ出すことが起こると、「当たり前」のありがたさに気づいたりします。
桜に降る名残り雪。
春の日の休日の外出自粛。
「当たり前」のありがたさを感じるとともに、
これもまた、季節の「ぶれ」のように、
「当たり前」に通り過ぎりて、いつか忘れてしまえることも願ってしまったりするのです。
今日もイイ日に。
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