☆その寒気は冷えじゃない!! 温めると悪化します
こんにちは、まつもとです。
突然ですが、アトピーの方で、強い「冷え」の症状が見られる方がいます。
病院などでは、「冷えは身体によくないので」と、温める漢方薬を出したりするようです。
十全大補湯とか。
「桂枝」の入った処方とか。
こういう温める処方を選択すると、アトピーそのものは悪化しますよね。
この方の「冷え」が、どのような仕組みによって起こっているのかご理解ないと、こうした間違いを起こしてしまうようで、残念です。
この「冷え」は、どこからくるのでしょうか?
もともとの体質が「冷え症」だから?
そうですね、そうかもしれません。
が、アトピー性皮膚炎の急性症状(赤い・痒い・腫れ・プツプツ or ジュクジュク)がある間、そこにはものすごい勢いで火が燃えているのですから。
温めたら、火の勢いは強まる=アトピーは悪化してしまいます。
「冷えやすい」体質を改善するなら、アトピーの炎症が鎮まってからにしましょうよ。
でも、アトピーが悪化していて、皮膚が赤く腫れていて固くなり、夜もグッスリ眠れなくなっているような方の「冷え」って、何なんでしょう?
そう疑問を持たれた方、いらっしゃると思います。
これは、「熱の勢いが強くなりすぎて、逆に表面が冷える」バージョン。
熱が強すぎて起こる「仮の冷え」なんです。
だから、温めると、さらに熱の勢いは強まり、もっと冷えます。
漢方薬で、身体の要らない熱を冷ますお手当を進めると、手足はどんどん温まってきます。
これを中医学では、「真熱仮寒」と呼びます。
身体の不調パターンとしては、必ず習っておくべき基本的な反応形式で、漢方薬を取り扱う仕事をする方が知らないのはおかしいのですが……
でも、見ますね。
「真熱仮寒」を温め漢方で悪化させられたアトピー性皮膚炎患者さん。
現在、皮膚は赤く腫れ、痒みがあるような方。
背中や肩がゾクゾクしても、間違っても、
・生姜
・唐辛子
などで、身体を温めたりしないように!
・使い捨てカイロ
・長風呂(半身浴を含みます)
も、症状を悪化させますので、ご注意くださいね。
寒気がするほど冷えを感じているなら、まずアトピーの勢いをそぐことです。
「正しく」漢方薬を選ぶことです。
その場合、冷えて感じても、お手当は冷やす方向、熱を取る方向でやっていきます。
冷やすことで、「冷え」が取れていくんですね。
このことを中医学では「寒因寒用」と言っています。
面白いですね。
アトピー性皮膚炎のご相談では、とくに病気の程度が強まっているほど、それなりの頻度で見られます。
赤くて痒いのに、冷えて困る方、すぐ漢方相談にお越しになれない方は、まずアトピーを治すための、正しい食べ方(食養生)を、しっかり学んでやってみてくださいね。
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