乾燥性の咳と麦門冬湯 | アトピー脱ステ脱保湿☆札幌発キレイな肌をつくる漢方的生活

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札幌市西区二十四軒で漢方相談をしております、まつもとです。
アトピー性皮膚炎(顔・首・腕・脚・足・胸・腹・背中・乳首)の漢方治療と、食べるものを中心に、何に気をつけたらよいかといった、治し方・スキンケアから脱ステ・脱保湿についてご紹介いたします。

 昨日、お電話で

「麦門冬湯は置いてますか?」

とのお問い合わせをいただきました。

 いつも病院から咳が出ると出されるとのこと。

「お取り寄せはできます」

とお返事しました。


 麦門冬湯とは。

 呼吸器や消化器の粘膜が、潤いを失ってカサカサになってしまうのを治すおくすりです。

 例を挙げると、もともと全身カサカサ気味のお年寄りが風邪を引いてしまい、なかなか治らず数週間経ち、唇は割れてくる、息を吸うとそれが刺激になってコホンコホン咳込む、夜になると頬や身体の中心がほてってくる……というとき。当然口は渇きますし、飲んでも飲んでも乾きは癒えません。

 業界語でいうところの「肺陰虚」を治すものです。

 現実には、あまり多くないです。

 そして実際、ここまでになる方は、身体全体の「潤いストック」も枯渇してることが多いので、多剤と併用になることが多いです。


 しかし。

 会社員時代は、よく使っておりました。

 だって、他にないんですもん。

 肺陰を補うようなおてあて。


「補う」一辺倒のおくすりは、すでに「排除する」べき要素がないときに使えます。

 炎症=「熱」や、かぜ症候群=「表証」があれば、そうした身体に不要な要素を「排除し」なければ危険です。

 麦門冬湯は「補うしかない!」というときのためのおくすりなので、本当は出番は多くない。

 清熱や解表といった「排除する」働きが優先です

 実際に、排除するお手当も必要なのに、2剤お求めになるご予算がないというお客さまに、気管の乾燥がお辛そうでつい麦門冬湯のみを出してしまい、余計に長引かせてしまった経験は複数ありました。

 店主にとっては苦い思い出です。


 あれもこれも、なくて苦労したな。

 会社員時代を思い出した店主でした。


風邪には適切な漢方薬が早い!!……まつもと漢方堂