今回は、地方自治という鉢にお水をあげる話をさせていただきます。
前回の記事では、地方自治に関して、地方分権の進展や基礎自治体間の広域連携によって僕たちの社会が形を変えはじめているという話や、長い間その枠組みが変わることなく存在している都道府県という広域自治体のあり方について、一体誰が最後まで読んでくれるんだ?という長文を綴らせていただきました。
構造の変化が望まれる地方自治ですが、それはあくまでも仕組みであって、その仕組みによって作られた「まち」という花壇にどんな花が咲くのかは、この社会で地方自治を担う僕たちの考えや行動に委ねられます。
地方自治という花壇には、福祉や教育、産業振興などといった球根が植えられています。
種ではなく球根を植えてみたところに、我ながらセンスを感じます。
当然のことながら、お水をあげなきゃ球根はうまくお花を咲かすことができません。
より深い意味での民意、つまり、住民によるまちづくりに対する議論やそれによって形成された住民意思というものこそが、花壇にあげるお水になると思います。
現在のように投票率が低く、住民の政治参加意識が希薄な状況では、花壇がひあがってしまいかねません。
宮沢デクノボー賢治さんは、涙を流すことでしょう。
そこで今回は、地方自治の花壇に綺麗なお花を咲かせるために、僕が思い描いている、良質なお水の製造方法について言及していきます。
より良い民主主義の社会を築くために、良質なお水は不可欠で、現代の日本社会では、「社会のできごとをみずから考えて判断し主体的に行動する主権者」と表現し、主権者教育というものを行っています。
主権者教育とは、まさに良質なお水の製造機です。
とっても大事なことです。
だけど、この主権者教育って、主に子どもを対象にしたもので、学校などを通じて取り組まれるケースがほとんどです。
現状として、投票率は右肩下がりだし、社会の変化するスピードも情報関連技術やグローバル化の進展などによって増してきているということを考えると、大人にだって、この主権者教育って必要だと思いませんか?
ということで、僕は、この主権者教育に大人部門をジョイント結合することで、大量の良質なお水を製造するという作戦を発案したのだ!
それはズバリ、「みんなで決める体験の機会の創出」です。
知識の補給と実体験によって、良質の学びは生まれると思います。
自分たちのことを自分たちで決めるという体験こそ、最高の学びの機会になると思いますし、自分たちで決めたという責任感から主体的行動の動機を得ることもできます。
それってすでに選挙でやってるじゃんって話ですが、人を選ぶという行為って、実は自分の生活に与える影響を実感しにくくて、大人の主権者教育としてはリアリティに欠けていると思います。
ですので、自分の生活に関係するルールなどを決めるような経験こそが、主権者教育にはピッタリな気がするんですねぇ。
今の日本で考えるならば、自治体による住民投票がそのイメージにもっとも近いです。
たとえば、大阪市では、大阪都構想の是非を問う住民投票を行った経験がありますが、以前の記事でもお話しさせていただいた通り、自分たちの暮らしに直結する投票行為というものは、主権者にとってはとんでもない学びの機会となったはずだと思います。
決めるため(投票するため)には、その問題を知り、そして考える必要があるわけですから。
そう考えると、住民投票を単なる意思決定のための制度としてだけ使っていくのはもったいない気がしませんか?
この制度は、もっともっと活用していく価値があると思います。
つまり、僕の考える良質なお水の製造方法というのは、住民意思を問うためのツールとして整備されている住民投票という制度を、主権者教育のツールとしてもとらえて活用するということです。
僕は、大分市でも、住民投票をやりたい。
みんなで決めることのテーマを設定し、タウンミーティングなどを通じて、それぞれの市民が持っている知識や価値観を共有しながらみんなで考え、みんなで決め、みんなで行動する。
絶対、大分市の自治は磨かれます!
テーマは、もちろん重大なことの方がいいなぁ。
僕が熱望している、「個人情報を活用したプッシュ型の行政サービス」の是非についての住民投票とかだったら最高だなぁ。
でも、全然キャッチ―じゃないから、みんなが興味を持ってくれないかなぁ・・・。
妄想が止まらなくなりそうなので、この辺りで線を引いて、まとめに入ります。
今後、主権者教育という観点も加えて、地方自治の向上のために住民投票を活用していくという取り組みを進めていきます。
どんなテーマが最適かとか、コストを圧縮するために何かの選挙と抱き合わせでやってみたらどうかとか、手法についてもアンテナを張りまくっていこうと思います。
この構想ならぬ妄想がいつか実現し、地方自治の花壇に綺麗なお花を咲かせる一助となることを祈って、今回の記事の結びといたします。
最後に一言・・・大分に元気とまつき!!