「売るということ」 | キセキを紡ぐ Rut of hope

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ちゅーことで

岡本よりたかさんのFacebookより転載させていただきます。

いつもありがとうございます。

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 「売るということ」


売れない時というのは、思考が凝り固まってしまい、アイデアが生まれてこない。


マルシェに出店していた時に、あまりにも売れない野菜たちを見て、ただ呆然と見守るしかなかった。


利益が暮らしに直結するとなると、売れないということは、つまりは食事にありつけないということであり、ただただ不安になる。


いや、食べるものは目の前にあるのだから、食べられないわけではないのだが、そういう風に考える余裕すらないのだ。


お客さんに声がけする気も起きずに、テーブルの後ろで座り込んでいたら、横で出店していた野菜ジャム屋のオヤジが声をかけてきた。


「おぅ!売れなきゃ買い取るぞ。無農薬だろ?果菜類はジャムに出来るし、葉野菜はふりかけにできるからな」


確かにそうなのだけど、僕としてはあまり嬉しくはない。なぜなら、多くの人に知ってもらって売れ行きが安定するのだけど、一人のオヤジに頼っても、不安定である。


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


結局は、そのジャム屋に全てを引き取ってもらった。とにかく持ち帰るのが嫌で、この際だから頼ることしてみた。


それから数回、僕はそのジャム屋に頼ることにした。売れ残りは迷わず持っていく。オヤジは快く引き取ってくれる。


何せそのジャム屋(ジャム屋ではなく、加工品を売る食品店のオヤジだったのだが)は、とにかくひっきりなしにお客さんが来ている。


確かに材料の買い上げも大事な仕事なのだから、僕も割り切って、お互い支え合えばいいだろうと思うようになった。


何回か、野菜を引き取ってもらうようになったある日、驚いたことに、僕の店の前に人が並び始める。野菜が売れるようになったのだ。


当初は理由が分からなかった。でも、とりあえず売れるのだから良いだろうと、どんどん売り尽くした。


しかし、そのジャム屋のオヤジに売る分の野菜がなくなってしまう。それでは申し訳ないと思い、売れる前にオヤジのところに野菜を持って行った。


そしたら、こう言われた。


「お客さんに売れるなら売り尽くせよ。俺は野菜など、いくらでも仕入れられる。俺の心配より自分の心配をしろ」


確かにそうだ。そんなことを考えている場合ではない。できるだけ多くの固定客を掴むべき時である。


そう思って僕は、野菜をただ売り続けた。


そして、一人のお客さんの言葉で、なぜ僕の野菜が売れ始めたのか。その理由が分かった。


「◯◯さんとこのジャムの野菜はこちらのなんでしょう?美味しかったから、買いに来たのよ」


そうか、そうだったのか。


僕の野菜を使ってジャムを作り、そのジャムの原材料が僕のだと、オヤジは宣伝してくれていたのだ。


野菜が売り切れたあと、僕はオヤジの元に行き、お礼を伝えた。


「僕の野菜の宣伝してくれてたんですね。ありがとうございます。お陰で売れるようになりました!」


するとオヤジは不機嫌そうにこう言った。


「宣伝なんかしてない。聞かれたから答えただけ。だけどひとつだけ言っておくとな、食べてもらわなきゃ、美味しさなんか分かってもらえないんだよ」


その通りである。野菜を並べ、無農薬だ無肥料だと言っておけば、その付加価値で売れると思っていた。


しかし、人を動かすのは付加価値ではない。五感である。


視・聴・嗅・味・触の五つの感覚。そこを刺激しなきゃ売れるはずがない。


確かにオヤジの加工品は試食を出していた。試食を出せば人は食べてみたくなる。その時、本当に美味しければ、多くのお客さんは、必ず買ってくれる。


商売の基本の"き"である。


所詮、栽培することだけに一生懸命になっていた僕には、"売る"という当たり前の思考がなかったのである。


商売やっている人にとっては当たり前の話だろう。しかし、農家というのはそこまで追い詰められているのである。


なぜなら、栽培が成功しなければその先はない。そして一番の難関は栽培することだからだ。


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