東日本大震災で木造の老朽家屋が、意外に倒れなかった | はちまんMatsuiコラム

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一級建築士・一級瓦葺き技能士・宅建士・歴史研究 松井秀夫

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1級建築士松井秀夫の 

 ブログで言うDay!


東日本大震災で木造の老朽家屋が、意外に倒れなかった、奥山恵美子仙台市長さんがケンプラッツにて語る


滋賀県近江八幡市などの中古・古民家リフォーム  一級建築士・松井秀夫


ケンプラッツ 総合メール 2011年5月25日号
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/

奥山恵美子仙台市長「インフラが欠けても使える建物を」 

の中で、奥山仙台市長さんのこのコメントに目がいきました
 


 今回の地震で興味深いのは、我々が倒れると思っていた木造の老朽家屋が、意外に倒れなかったことです。 
 

耐震補強をしてください、してくださいと我々が言い続けてきたにもかかわらず、補強しないで無事だった方々が、「これだけの大地震でもったのだから、補強しなくても大丈夫だ」と自信を持たれるかもしれません。
   
 なぜ今回、老朽木造住宅が大丈夫だったのか。揺れの周期によるものと聞かされましたが、周期の違う地震が来たらやっぱり危ないということも含めて、専門家の方々に発言していただきたい
   

一般住宅の耐震補強が現状では中々進まないので市民

  

の安全を預かる自治体の長としては頭の痛い問題です

  

しかし、進まないので大きな地震が来て、大変なことだと

  

思ったら、アレ~?聞いているのとチョット違うじゃないの

  

奥山恵美子仙台市長さんはその点を素直に

 

我々が倒れると思っていた木造の老朽家屋が、意外に倒れなかったことです

  と言われています、

まり、これでは耐震補強が進めにくくなるじゃないの!

と言う事にもつながりますから

どうしてこの様な結果になったのか納得のいく理由を聞かせてよ

 

とこの分野の専門家に言われるのも無理のない事です


つまり、これでは耐震補強が進めにくくなるじゃないの! 


と言う事にもつながりますから

どうしてこの様な結果になったのか納得のいく理由を聞かせてよ


長として責任のある判断が必要だからですね 

 

滋賀県近江八幡市などの中古・古民家リフォーム  一級建築士・松井秀夫

建築士の中でも現在の耐震改修に関して疑問をもっている方

は少なくありません
     
基本的に地震において家を守るやり方は、耐震だけでなく他に
   
免震などの方法があるからですが、どうも国の原子力行政と
   
同じ様な原子力を推進する為に自然エネルギーなどに対して    

あまり予算も付けない力も入れないという事があります様に
 

 建築の地震対策でも耐震以外の方法に関して説明をする    
姿勢がありません
   
耐震は地震に対して建物が対抗するように基礎もガッチリと
   
固定するやり方ですし
   
免震工法は地震の際には基礎と本体がずれたり、
  
浮いたりして事で本体を地震に対しては地面の揺れを
  
建物に伝えにくくする、守ろうと言う発想です
  
ですから、図の様に日本の伝統工法の家はズレる様な発想で
   
地震から家を守るわけです、
  
このやり方ですと、日本の様に夏は暑い梅雨があって雨が多く
  
雪も降ったりするという気候のところでは屋根が厚くて太陽の熱
  
や雪の寒さを伝えにくくする為に屋根を大きくするわけですが
   
屋根が重くなってもかえってその方が免震効果が発揮されると

 いう事で日本の国情にあった発想があるわけです  

 ですから、基礎が地震時にずれたりして動く事で地震の力を  
 
逃して地震から家を守ろうとする構造なのに、基礎をガッチリ
  
耐震の考えで持って固めてしまいますと、地震の力をまともに
  
受けて建物に伝えますから壊れやすくなるわけです
  
ですから、地震対策ににはその家が免震構造の家なのか耐震
  
構造の家なのかをまず区別して、地震対策を考えないと全く
   
違ったやり方を指示する事になるわけです
  
つまり、伝統の免震構造の家に耐震補強で基礎を固定したり
  
しますとお金を掛けて壊れやすくすると言う事が起こるわけです
  

滋賀県近江八幡市などの中古・古民家リフォーム  一級建築士・松井秀夫
 
http://www.youtube.com/watch?v=oj3chjNQ9SE

日本の伝統工法による地震対策と言うのを一般的に表すと
 
しますと「ダルマ落し」の様なものでして、これがズレない様な
  
モノでしたら一度に倒れてしまいます
 
よく、石の上に乗っているだけやないか・・・と昔の工法を見下し
  
た様な感想を言われる方がいますが、それは建築に対し東西
   
の発想の違いをご存じないだけの事なのでして、昔の方は実に

 よく物事の道理を踏まえた仕事を残しておられます    

現在東京の最新ビル建築に五重塔の原理が使われています
   
五重塔でも必ずズレができる様な、空間を部材間に設けて
  
力の分散が測られる様に作られています
  
ただ、昔は現在の様にコンピューターもTVマスメディアも無い
   
時代でしたから、この様な技術を多くの方々に伝え記録する
  
事ができなかったので、ただこうしてたからこうするんや!という
  
口うつし(口承)てき技術伝承で来たわけです
   
ですから、現状では伝統工法のもつ耐震性能に関しては完全
  
な解明はされていないのが現状なのです
  
ですから、仙台の市長さんの嘆きとも聞ける現在の耐震補強に
  
関しての感想は出てきて何らおかしい事は無いわけです。
 

 
滋賀県近江八幡市などの中古・古民家リフォーム  一級建築士・松井秀夫
 
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松井秀夫(1級建築士・宅建主任他)
〒523-0084滋賀県近江八幡市船木町968番地
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