0909 getz au go go
このアルバムについては曲順というか配置というかがとにかく絶妙で素晴らしいなあとずっと思ってたのですが、実はオリジナル盤はちょっと曲順が違うことを最近知ってショックを受けている。私が長く親しんでたCDでは一番最後に入っている「6-nix-pix-clix」がオリジナルではA面のラスト、つまり5曲目に、「Summertime」の次に配置されているのだ。でB面は「Only Trust Your Heart」で始まるという。うーむ。
「6-nix-pix-clix」は短いちょっとしたメンバー紹介を兼ねた曲なので、確かにアナログで聴く分はA面の最後でもさほど違和感はないかもしれないですけど、だとしてもB面が「Here's That Rainy Days」で全体が終わるのってなんか締まらなくないですか?ていうかA面が「Only Trust Your Heart」で終わる感じがとにかく絶妙だなーと勝手に思っていたわけである。どうでもいいようでいて全然どうでもよくないような話だと思う。
あと直近のリイシュー盤の商品説明に「“カフェ・オー・ゴー・ゴー”における演奏を収録。そこに後日行なわれたカーネギーホールでの演奏が加えられている」とあるのだが、それは無いんじゃあないすかね。元々この演奏が擬似ライブである説を唱える声は前からあったわけですが、実際のところライブにしては妙に音が冷静かつクリアではあり、もちろんそういうところが非常に良い感じであるわけで、いやまあそう言うならライブ盤ってことでええよと思いながら野暮なことは言わずに親しんでいたわけである。「The Telephone Song」を歌い終わった直後にアストラッド・ジルベルトが「ふふっ」と恥ずかしそうに笑うところは個人的にこのアルバムのハイライトだと思っているのだが、そこだって編集してそうなってるよなーと私は思ってる。そういういろいろが素敵な施しであると。でもカーネギーホールでの演奏ではないよなーと思うぞ。
そもそも内ジャケにでかでかと写っているアントニオ・カルロス・ジョビンが演奏に参加してないってところからして堂々たる大嘘なのだが、久しぶりに聴いてみるとケニー・バレルの無難なサポートは手堅くて萌える。ほとばしるゲーリー・バートンのヴィヴラフォンはほんと素晴らしいし、チャック・イスラエルのベースもカッコイイ。なのでもう細かいところはどうでもええわって感じで聴きたい。名盤。
0907 Albums of the Year(10)
これ実は2014年の末に出たやつですが、まあ良し。フレーミング・リップスはかつてピンク・フロイド「狂気」のまるごとカバーアルバムをリリースしてるのだが、これは「サージャント・ペパーズ」まるごとカバーである。もはや今のフレーミング・リップスのやることに意外性を感じることは難しいのだが「サージャント・ペパーズ」となるとマジっすかと思ってしまう。しかし実際聴いてみると妙な既視感があるわけで、音がバスバスしていておもしろいなあというような感想しかでてこない。いや今のフレーミング・リップスはもはやおもしろいことだけに命をかけてる感じがあるから、そういう受けとめ方で正解だと思うの。となると次はもうよっぽど生半可なもの出してきても驚かなくなってるわけで、まさか今になって「クラウズ・テイスト・メタリック」のレガシー盤的なやつをひっぱり出して来るとは思わなんだ。まったく油断できねえ。そっちは未聴なのだがどうなのよ(笑)。
以上2015年振り返りである。まあもっと聴くべきアルバムは他にいくらでもあっただろうと思うけどな。今年もよろしくお願います。
0906 Albums of the Year(9)
2年前「Lost Decade」を絶賛してたのをなんとなく気恥ずかしく感じながら、なんて軽薄で刹那的すぎる音楽なんだろうと、いい意味でも悪い意味でも思うわけです。なんとなくもうちょっと時間をかけて練られた感じのものを聴いてみたいと思う反面、これでいい気もする。もしかすると外部の作詞家と組むと完成度がぐっと上がるような気がするんだけど、でもこのままでいい気もする。でも本人はあんまり歌わない方がいいような気がするなあ。もうちょっと無名な人をフィーチャリングして才能を発掘するような役回りに行くと美しいと思うんですが、もしかしてオレは嫉妬してるのだろうか(笑)。
0905 Albums of the Year(8)
Negiccoはここ数年、楽曲にしろアートワークにしろ揺るぎを感じさせることなく新たな試みを一つずつ着々とクリアしながらすこしずつスケールを大きくしていて、メンバーもおそらく人格者なのでさしたる粗相もなく、全方位的な信頼を築きながら着実にファン層を広げている印象があります。3年前に見た時は確か生歌のステージを始めた頃と記憶するのだが(それまでは基本口パクだった)、最近は生バンドまで従えていて、方向性は明確。このシングルはそんな彼女たちの出世作とも言えるかつての人気曲を現行バンドバージョンで再録したものである。アレンジは変えてないまま(変えたら困る)重心がぐんと低い音になっているのがいい。何しろベースが鹿島達也だ。素晴らしい。アンセム。
0904 Albums of the Year(7)
かつては「ん?」と思ってしまう仕事も少なくなかったが、ここ最近はほとんど外さない2015小西康陽ワークスのひとつ。市川紗椰さんといえば「タモリ倶楽部」なんかで暴走した鉄ヲタぶりを発揮しておられる人ですが、wikipedia によるとビルト・トゥ・スピルなどを好むモデルさんということで私は密かに注目してました。このCDは実質1曲のみで浅川マキのジャジーなカバーなのだが、残る9トラックは本人が録音したという電車の走行音という、かなりな企画盤でありながら表題曲の世界観からストーリーが展開されるようなイマジネイティブなつくりになっている。ふむ。なかなかないタイプの最適解という気がする。
0903 Albums of the Year(6)
数年前にベビーメタルのステージを見た時に、おもしろいしよくできてるしこれ考えた人すごいなーとは思ったんですが、なんていうかグッと来たというのとはちょっと違くて、自分のストライクゾーンが意外と狭く頑固であることを実感したのだが、じゃあ自分はどういうアイドルが好きなのかというと、いかに歌い手さんに対してリアルな妄想ができるか?という意味での完成度を求めてるのかなと思う。星野みちるさんのこのCDはどの曲もきちんと完成度の高いポップスではあるのだが、とりわけ小西康陽氏やヤン富田氏による反則技ともいえるプロデュースワークにそういうのを感じてビビッときます。特にラストに配置されたドゥーピーズのカバーは、それまでの曲をすべて吹っ飛ばしてしまうくらい素晴らしくて、このカタルシスは一体何なんだろうとか考えてる。
0902 Albums of the Year(5)
これもいいアルバム。前に書いたので改めていうことはないですが、ああこのアルバムが出たのが2015年だったなということを後になって思ったりするんだと思う。一人だけで聴く音楽。
0901 Albums of the Year(4)
これはいいアルバム。今、こういうウィルコが聴きたいという音が炸裂してる。1曲1曲をコンパクトに、初期衝動を思い出しながら手癖みたいなものを徹底的に排除して閃きと破綻に磨きをかけて熟成させると、きっとこういう音楽になる。ちょっと感動してしまった。おっさんがやるロックンロール・バンドのお手本はまさにこう言うアルバムなのだと思うよ。
0900 Albums of the Year(3)
初期メンバーのギタリストが復帰して4人編成になったヨ・ラ・テンゴがリリースした「Fake Book」の続編みたいなアルバム。セルフカバー含むアコースティック主体のアルバムってのはまあいいんですけど、例えば「All Your Secrets」はオリジナルもそこそこアコースティックな質感だったわけで、あのアレンジが私はすごい好きだったから、こういう感じに直されてしまうと「うーん・・・」と思ってしまって、そのがっかり感が払拭されないまま終わってしまうのだ。来日公演もなんとなくパスしてしまった。でもいつかの日かこのアルバムを思い出して引っ張り出して聴いて、その心地の良さに気がつくことがあればいいんだけどな。








