ウクライナ戦争の実態は報道とは逆~自国を危機に追い込む日本…矢野義昭氏が語るリアリズム | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

ここでご紹介する軍事専門家の矢野義昭氏との対談をご覧になると、日本がいかに戦時プロパガンダに乗せられ、真実を知らないままに自国を危機に追い込んでいるか、驚かれる方も多いと思います。

 メディア報道に乗らずに世界の真実を知り、日本の国家を後世に残すための正しい選択を…。これは参政党が日頃主張していることですが、まずはぜひ、50分弱のこの番組をご覧いただければと思います。そのお時間のない方におかれては、矢野氏の発言内容をまとめましたので、ご一読ください。

 

◆『矢野先生に訊く!ウクライナ危機、日本の戦略的対応は”停戦”こそ国益。現状と今後を分析』ゲスト:岐阜女子大学特別客員教授 元陸上自衛隊陸将補 矢野義昭

 ↓↓↓

 

watch?v=qMwlh9l391w&t=1641s

 

●ウが数平方キロごとに領土取り返したと報道されているが、現状は?

まず、下図をご覧ください。矢野義昭氏が作成した図です。

図は現在の接触戦の状況。現在の両軍の接触線からロシア側との間に幅7~8キロの帯状地帯。

その中間のところに警戒陣地があり、そこでロシア側が負けたふりをして下がると、そこを攻め込んだウ側が地雷地帯に引っ掛かることになる。

そして、そのウ軍の後方にロケットを打ちこんで、ウ軍を後退できないようにする。

立ち往生したところに対戦車火力やロケット。

一気に打ちこみ撃破する戦い方をロシアはしている。

これが1,000キロにわたって築かれている。

対戦車砲も何段もあり、いろんな火砲で狙っていて、ウ側としてはとても突破できない。

 

プリゴジンの乱のあと、ウ軍の反攻が始まったが、戦車や装甲車が一挙に撃破されて撤退。

北部に戦力を集中しても露軍が逆襲。

ウ側は警戒陣地の所までは抵抗を受けずに前進できて、その地帯を確保できた。

それを併せて何キロ平米と言っているだけで、占領地から奪還したわけではない。

逆に、飛んで火に入る夏の虫で大量の損耗。

 

ウ軍の戦死者は30~35万人、それと匹敵する負傷者を併せて60~80万の死傷者。

ウクライナがロシアを追い出せる可能性はない。

もはや残っている40歳以上か少年兵が主体で、主力が残っておらず、NATOなどの義勇兵も、ウ敗退が濃厚として、引きあげ始めている。

ウ軍からは投降も出ており、負傷者が出ても無様に死ぬだけであり、ウの指揮官がロシアに呼び掛けて、「集団で投降するから」と。

露軍の待遇は結構いい。プロパガンダ報道とは逆。

 

自分(矢野氏)が述べていることは全て、米国からの情報、衛星画像、現地ビデオ、中立国の報道から確認できることばかりである。

5月から始まったウの攻勢は無理な話だった。

ロシアの火力はウの10倍、攻撃ミサイルなどで数十キロ向こうから攻撃。

ウは前線に出るのも大変だし、出ると前述の状況になる。

7月21日頃にはゼレンスキー大統領が、予定より前進が進んでいないと表明。

国防次官が、これから無理に堅固なロシア軍に攻撃をするのではなく、合理的な戦いをと戦略転換を表明。

ウ側には航空優勢がないので、戦車でやるとやられる、地雷原でつかまるで、攻めあぐねている。

 

●プリゴジンの反乱とは何だったのか?

その直後にプリゴジンの乱。彼の側近に西側のエージェントが入っていて、示し合わせて誘導した。

それがわずか一日で収束。ゲラシモフやショイグの引き渡しを要求し、モスクワに向けて北上、あと200キロのところで止まり、交渉で妥結、裏でベラルーシのルカシェンコが?

 

まず、こうした反乱が一日で収束するのは不自然だ。

ワグネルはロシア国民から英雄視されている。彼らの勇敢ぶりで。

実は、ロシア軍全体では、できるだけ犠牲を少なくしろというのがプーチンの方針。

攻撃するにも慎重でと、突っ込ませていない。その代わり、一気に火力消耗戦でという作戦だが、それだといつまでも戦争が終わらない、東部ドンバスも回復できないという声がロシア国民の側にある。

実際、200万人も予備役がいるのに、今は30万人しか投入していない。もっとやれと国民にも声がある中で、それを代弁するようにワグネルが犠牲を出している。

 

そのよう中での一種の芝居だろう。普通だと反乱を起こすと粛清だ。しかし、プリゴジンは今でもサンクトペテルブルクとかベラルーシに出没していて無事。

契約兵は2.5万人、残り2万人、どこにいっているかわからない。ワグネルは解体はされたが完全ではなく、精鋭部隊としてどこかで使う意向。

ポーランド国境に南進させ、そこに市街戦を得意とするワグネル部隊が加わると、大きなけん制効果になる。

プーチンは戦術核をベラルーシに配備しており、東欧方面への抑止、ポーランドに対する軍事的威圧。

そのために直接、ワグネルを移動させると見え見えで意図がわかられてしまう。

ワグネルが反乱を起こしたことにして移動させた。

 

本当の亡命なら、ロシアの同盟国のベラルーシに行くはずがない。西側の謀略をわかったた上で、ロシア側が全面的な立て直しを図っている。

プーチンの指導力とかそういう話はない。

今後の全般的な戦略構想に沿って、もう一度立て直し。キエフからの転換のときと同じ。

西側の謀略を逆手に取ったもの。プーチンの支持率が低下といった話は聞かない。

 

現在の占領地は元々、ロシア系住民が多い地域で、マイダン革命以降、アゾフが東部二州のロシア系住民を虐殺、3,800人の虐殺をしたとされ、米国議会も国連もウを批判していた。

何度も請願を受けたプーチンは、ロシア軍を出して保護した。それが「ウ侵攻」とされる特別軍事作戦(そうであるから犠牲をできるだけ小さくする戦い方)の背景だ。

 

●広島サミットは何だったのか?…多くの国々が本音では停戦したい

G7はもはや世界人口の一割、世界のGDPの3割(正しくは4割です)にすぎず、かつてのようにG7やNATOが世界を指導している時代ではなく、グローバルサウスはウ戦争にも冷めた見方。欧米のほうが世界で孤立している面がある。

経済制裁でも中ロが緊密化している中で、貿易量が増えている。

インドが今までの10倍以上の原油をロシアから買い、イランが上海協力機構に入り、ユーラシアの中核国家が結束している。ドル以外でサウジも決済しており、ロシアは孤立していない。

 

ウ側につくのは負け馬に乗ってしまったことになる。その後始末をしなければならないのがG7だ。その世界的な影響力もウ敗戦とともに低下していく。

戦争に勝った国ならまだしも、負けた国の復興は大変。

それをどこが出すのか。サミットも先般のNATO首脳会議も、それが裏の隠されたテーマだった。

 

こうした戦況については、偵察衛星で皆わかっている。プロパガンダとは別に、停戦交渉、始末をどうするかがテーマになっていて、裏で話合われていて、表に出ていない。

NATO首脳会議でも、それで裏でもめた。

古い欧州の独伊はロシアの資源で経済を復活させたいし、中国も失いたくない、逆に、北欧などは安全を確保したい、自分たちで横の連帯で…と、欧州の中で差が出てきている。

NATOも分裂しかかっている。EUも結束がゆるみ、米欧の関係をつないでいるEUやNATOが揺らいでいる。

 

政治的に見ても、最近の選挙では独仏伊スペインなどではグローバリズム反対、ウ戦争とは距離を置けという勢力が台頭。

これまでのグローバリズムからナショナリズムへと欧州では揺り戻し。欧州は動乱の時期に入った。

NATOの東京連絡事務所にフランスは反対したが、それが欧州の本音だろう。

インド太平洋は二の次。ウが負けてロシアが強大になったら、ロシアとの関係を修復しなければならない。

欧州の立場では、インド太平洋よりも自分たちのこと。

 

ウ復興は日本にカネを出させたいというのはあり得ることなので、安請け合いしないことだ。

ロシアによる占領地は産業地帯であり、兵器産業も。そこをロシアは全部押さえていて、オデッサも押さえると、ウはもう内陸の貧乏な農業国になってしまう。

人口はオランダ以下で1,900万で、出て行った国民はほぼ戻ってこない。欧州で国力が一番弱い国になる、その面倒をどう見るのか。

 

日本人がウクライナ素晴らしいと言うのは、日本が戦時プロパガンダに乗せられたから。

日本にとってはロシアは死活的な重要性のある国だ。それに対しウは何もない。

ウ支援は、武器支援はだいたい1/3しか現場に届いておらず、その多くがアゾフなど極右の組織、テロ組織に横流しされ、現金で着服したりと。

国際刑事警察機構も、これ以上のウへの武器援助は世界のテロなどを激化させると警告している。

ウは人身売買、麻薬密売が横行してきた国であり、ゼレンスキー自身が億ドル単位の着服をして、マイアミやイスラエルに豪邸という話もある。

 

西側の支援も、ウを救おうと思ったら世界をもっと危なくしている。

表向きのプロパガンダだけでなく、自らナマの情報を分析すべし。

 

●ウクライナとロシアと北朝鮮の関係…

ショイグ国防相が北朝鮮に行き、ロシアへの武器供与か?と報道されたが、その面がないとはいえないが、主なものは、北朝鮮が一昨年からミサイルの発射試験の頻度を上げているという点にある。

ウ開戦前までは北朝鮮を支援してきたのはウクライナだった。ロケットエンジンを使ったり、水爆モデルの北の発表もウの設計。中国に対しても遼寧など。

北のミサイル開発はウが中心。ウからはソ連時代からの優れた技術者が数千名、世界に拡散し、一部が北朝鮮に入り、開発の中心にいる。

 

しかし、ウがNATO寄りになり、その関係が弱まったあとに入ったのがロシア。

イスカンデル、固定燃料のミサイル、開発には時間がかかる。それがいとも簡単に、連発して失敗しない、高度な技術があの国でできない。

できたものを持って生きて性能試験をしているからだ。

今はロシアが北朝鮮に委託して実験させている。そのデータや成果はロシアに。

その代わり、ロシアは北朝鮮から貴重な鉱山資源。モンゴル、カザフに並ぶ世界的な産金国でもあり、ウランやタングステンも。物々交換でやっている。

 

こうしてみると、長年、日本の脅威のバックにあったのはウだった。それがロシアに役割が変わった。

ロシアが最初、キエフを攻撃したイスカンデルも、北朝鮮に日本海に打たせて実験させていた。極超音速もそうだ。

 

●バイデンとともにウクライナを支援している日本に成算は?

ウ戦争が長引くことでロシアが中国や北朝鮮と結びつき、これら核保有国が日本にとってますます大きな脅威になっている。

経済制裁を受けてロシアはユーラシア通貨圏の構築に加わり、G7では対抗できない経済圏が形成されるかもしれない。良くないことばかりだ。

米側も装備、弾薬の生産能力が尽きる、12月に備蓄が尽きる。

いよいよ3.45億ドル米国は出すことになったが、ハイマーズの玉とか、英国製の対空ミサイルとか、限られた防護的兵器しか送れない。

しかも、生産が間に合わない。ハイマーズは生産増強に数年かかる。

 

ロシアは去年1,200万発の弾丸を使い、これは一日3~4万発だったが、今年も一日2~3万発、撃っている。

ロシアの生産能力は一日3万発だが、NATO側は一日3千発に過ぎず、これを6千発に上げようとしているが、その目標が今年末でも追いつかず、備蓄が減る一方だ。

タマがない、回復には一年かかる、その間に問題は中国だ。

 

ウ戦争で西側が武器も人も出せない中で台湾、尖閣で有事、米国の状況は中国がよくわかっている。

米国が出てこれない状況で、台湾からハイマーズなどが引っこ抜かれているうちに…。

その中で台湾は危機感で訓練のレベルを上げ、予備役増員もしているが、日本にはその危機感もない。韓国も米国と国を挙げて努力している。

 

弾薬の増産に努めても一年はかかり、自衛隊の準備も不十分な中で、来年、危機を迎える可能性が高まっている。

F16も今年8月からやっと訓練が始まり、最低6か月かかる、来年春にならないと実戦には間に合わない。

 

ロシアの弾薬製造能力への見積もりを間違った。備蓄量は3倍、緊急増産能力は2倍あったと米側も今、認めている。

兵員は来なくても武器弾薬は送ってくれるだろうという期待もままならなくなっている。

米国は頼りにならない。ウ支援どころか、一日も早く日本としては停戦を提唱すべきだった。