日本での集団免疫が実証された新型コロナにどう向き合うべきか~上久保靖彦先生からの提言~ | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

日本はすでに集団免疫が達成されている…松田政策研究所チャンネルでの上久保靖彦・京都大学大学院特定教授との対談番組をきっかけに話題となった、この「上久保-高橋説」、これが単なる疫学的な推計に基づく仮説ではなく、現実の検証で裏付けられた科学的な説として実証されるに至りました。もう日本人はほぼ全員が新型コロナに感染し、免疫ができていることになります。

では、私たち日本人は安心してよいのか。免疫がウイルスへの曝露を続けていないと廃れていくことは、この分野の専門家たちの常識。人間をウイルスから隔絶させることはそもそも不可能ですし、日本の場合、それが逆に事態を悪化させかねないようです。上久保先生によると、この10月が勝負。では、どうすればよいのか。

この集団免疫説は、この春頃から、安倍前総理も、加藤前厚労大臣(現官房長官)も、そして菅総理にも入っており、政権トップの基本認識になっていると伺っています。しかし、テレビなどマスメディアはなぜか、未だに正確なことを伝えようとはしていません。

そのような中で、国民が少しでも正しい認識を共有し、政府の政策転換を促すべく、今夏に上久保先生を私に紹介し、チャンネルでの発信を実現させてくれた小川榮太郎氏が、上久保先生との共著で9月下旬に、新著「ここまでわかった新型コロナ」を出され、これに基づいて10月初めに松田政策研究所チャンネルでも、第三弾目となる上久保先生との対談を配信しました。

専門家ではない私として責任あることを言える立場ではありませんが、考え方の紹介なら許されると思います。詳しくは、上記の書籍や、この記事の末尾に掲げた動画でお確かめください。以下、日本人全体にとってとても大事なことですので、第三弾での私との対談で上久保先生が述べられた要点を、お伝えしたいと思います。

 

●またも肝心な発言がカットだらけとなったテレビタックル

10月4日に上久保先生が二度目のテレビタックル出演となりました。さまざまな批判に「曝露」されながらも真実を伝えようとする姿勢に敬意を表するものですが、他の専門家パネラーから、集団免疫はまだ単なる仮説であって、実証されていない、と反論されていても、上久保先生がそれに反論するシーンがテレビには全く出ていませんでした。

後述のように、東京理科大の村上康文先生による検証で、日本での集団免疫達成がすでに実証済みであることこそが肝の一つなのですが…。番組終了後の私から上久保先生への問い合わせで返ってきたお答えは、やはり「抗体キットで既に検証されたと説明しましたが、カットされました。」テレビ側には、どこまで出すかの方針があったようです。

番組の収録時には、上久保先生はしっかり説明され、結構、反論したそうですが、全部カット。視聴者には、上久保先生は反論できない、それで困っている、との印象を与える番組になっていました。先生を再登場させたテレ朝には敬意を表するものですが、いくら電波は公平…とはいえ、視聴者に正確な判断材料を与える上で、これでは障害にすらなっているといえるかもしれません。

もはやメディアでは真実は分からない、ネットやSNSの時代だと言われる理由がよく分かる事件でした。松田政策研究所に期待される役割に応える責任をますます痛感します。この説を世に出すきっかけにもなった当研究所チャンネルでの上久保先生との対談の第三弾、以下が、その要点です。

 

●日本も欧米も「感染者数」の増加はPCR検査の増加によるもの

・まず、この番組の最初の部分で、素人が素人なりに「上久保-高橋説」を理解して一般の方々に説明するためにと、私が作成した下図で、日本が新型コロナに対する集団免疫が出来上がっている背景と、欧米では逆にパンデミックを引き起こしてしまった原因について、簡単に説明しました。なお、この図は、上久保先生ご自身がご講演の際にお使いになっているようです。素人である私としては大変光栄なことです。

 

・最近の「感染」等の状況(日本、海外)

…増えているのはPCR検査の人数。欧米では検査のやり過ぎ。検査数が増えれば陽性者数は増える。それは必ずしも「感染者」ではない。(免疫ができている人がウイルスに再暴露すると、その撃退のため一時的に陽性となり症状が出る)。肝心の死亡者数は減少。この点で、日本も欧米もすでに収束している状況にある。

日本では3,000人が一日に死亡。コロナ死亡者の5人程度は、その中でも極めて少ない。中南米やインドなど、今でも死者が増えている地域は、人工呼吸器の不足なども原因か。日本で「第二波」が来ているというのは、PCR検査が増えているという数字。PCRを10倍やれば、感染者は10倍出てくる。

 

・にも関わらず、マスクやアクリル板の仕切りを皆さん使っているが

…マスクの穴の大きさはコロナの50倍。唾でならつかまることはつかまる。少しはつかまるので有用性ということで全面的に否定はしないし、安心感という利点はある。しかし、マスクが必要か否かは免疫を持っているか否かで決まる。免疫を持つことが重要。日本人は、免疫があるので必要ないということになる。アクリル板も同じ。ウイルスはピンポン玉の大きさではない。誰かが咳をしたら、バーンと飛んでいく。外で活動している人は、もう皆がコロナに曝露している。五人で食事したら三人には確実にうつっている。ウイルスとはそういうもの。

 

●日本と欧米の根本的な違いはADEにあり

・免疫反応とは

…免疫のメカニズムとは、一つは「自然免疫」。マクロファージなど。ウイルスが入ると敵を発見して食べて分解。こんなものが来たということをヘルパーT細胞に報告する。T細胞は認識して指令を出す司令官。ここからが「獲得免疫」。キラーT細胞からサイトカインが出てウイルスをやっつける。ヘルパーT細胞はB細胞に指令を出し、B細胞が抗体をつくる。キラーT細胞とB細胞が免疫作用を発揮する。キラーT細胞が軍隊だとすれば、B細胞はミサイル。自然免疫だけだとあまり効かない。BCGだけでは説明は難しい。獲得免疫のほうがはるかに強力。

 

・欧米などで重症化を引き起こしたADEとは?

…新型コロナは細胞に入り込むスパイクの部分での変異(12種類)により、弱毒性のS型→弱毒性のK型→強毒性の恐ろしいG型(武漢型→欧米型)…と変異してきた。昨年末にS型が蔓延し世界中がS型に対し集団免疫になった。今年1月から日本や東アジア、武漢以外の中国に次のK型が蔓延して集団免疫になり、T細胞免疫が形成され、これが次のG型を迎撃した。これに対し、2月初めに早々と中国からの渡航を全面的に制限した欧米ではK型が入らなかった。

S型だけでは、G型が入るとADE(抗体依存性免疫増強)が起こり、ウイルスを激しく増やす。そこで、欧米などでは劇症化が激しく起こり、パンデミックになった。

K型は強いT細胞免疫を引き起こす。しかし、S型は受容体を通じてウイルスを大量に細胞に入れてしまう。K型のT細胞免疫でやっつけないと、ウイルスを増やしてしまう。

武漢では閉鎖宣言をして500万人が市から外に出た。噂が流れたときに、関係の深い国に出国。台湾などは一斉に帰国してK型が入った。ベトナムなども同じ。日本には3月8日まで大勢の中国からの渡航者が入国し続けた。

 

●防ぎようがないのに煽りすぎ…コロナ死亡者になるのは至難の業?

・そもそもコロナとは?新型コロナウイルスとは?

…一般に、ウイルスに曝露しないと、できた免疫も3か月で廃れてしまう。インフルエンザは毎年、日本で1,000万人の感染者。エボラ出血熱などは強烈ゆえ、隔離措置をとるが、ウイルスはそもそも感染を防ぎようがない。無症候あるいは少し症状があるだけというウイルスが、クルーズ船の前にすでにたくさん日本に入っていた。1か月ぐらい痰が出た、軽い症状があった人は皆、感染した。机の上でもどこにも大量のウイルスが存在している。

 

・異常な煽り方…日本の死者数1,500人程度は、他の死因と比べて非常に少ない。ほかのもので緊急事態宣言をしているのか。バランスが悪すぎる。武漢をみて世界中がパニックになってしまった。65歳以上で1万人当たり新型コロナでの死者は0.278人。他の病気が原因でもPCR陽性の人は新型コロナが原因として報告。これは欧米でも同じ。

日本の死者の43%は偽陰性による院内感染(PCR検査の誤用がもたらした死亡ともいえる)。約1,500人といっても、本当はもっと少ない。150人と計算してきた。日本人は年間で138万人が死亡している。新型コロナで死亡するのは至難の業。リスクが高い方にうつさないようマスクをするのは重要だが、人と会わないといったことは考える必要はない。

 

●証拠が出た!日本人はほぼ100%免疫…自然の摂理に従ってウイルスに曝露すべし

・集団免疫説が単なる仮説ではない根拠は

…研究室の中ではパンデミックを検証できない。疫学的にやるしかない。これまでリスクマップを出し、強い相関係数で疫学的には検証されていた。加えて、村上康文先生の検証で、すべての調査対象でIgG抗体が上がり下がる状態にあることが示された。ウイルスに初感染した際にはIgM抗体の数値が上がるのに対し、既感染者が感染した場合には、IgG抗体の数値も上昇する。

免疫保持者は、ふだんはIgGの値は低いが、ウイルスに再感染すると、これが急速に上がり、ウイルスを撃退し、その後、低下する。一般の人々から得られた検体で、PCRの陰性者、つまり一般の人々(ボランティア)全員の検体から、低い値の状態のIgGが確認された。これは、日本人がほぼ100%、集団免疫状態にあることを証明したものである。

 

・これからどうなるのか

…インフルエンザの波をみると、2010年のときにもスパイクの変異で同じことが起こっていた。当時は海外渡航の制限をどの国もしなかったのでADEが起こらず、世界中が気付かなかった。これからは、従来の普通の風邪のコロナに戻る。それとインフルの混在になる。ただ、中国の豚で新型インフルが出てくる可能性がないといえない。これは別の問題としてある。海外渡航などの制限を続けると、免疫が廃れて11月から危ない。欧米のADEと同じことが起こると困る。5月のGW明けから国を開けてくださいと言ってきたが、反対された。結果として巨額の財政支出、倒産、自殺者…。

ずっと閉めていることはそもそもできない。経済面での人命の犠牲に誰が責任をとるのか。ウイルスに曝露せずに無菌室にいることを世界中の人はできない。

 

・恐ろしい症例があることをどう受け止めるべきか?

…武漢などはそうだった。ウイルスというのは状況による。強毒性でも我々は免疫をもっているから大丈夫。いまの時期は例年ならすでに3,000人がインフルに感染しているが、今年は3人で0.1%。インフルが1,000分の1になるまで、ウイルス干渉が生じている。これは新型コロナがすごくスプレッドしている証拠。2年前の我々に来たらわからないが、いまは免疫をもっているから大丈夫。

 

●これからの対策と日本版CDC…PCR・ワクチン・専門家レジームからの脱却を

・再曝露していないと廃れる

…同じことが起こった2010年は気付かなかったから封鎖せず、結果としてADEが起こらなかったように、順番に曝露を続けていることで免疫を維持するもの。ウイルスを遮断して自然の摂理に反しようとするのは、かえってリスクを高める。

 

・ワクチンについて

…免疫を獲得している日本も欧米もワクチンは不要。S型が免疫源でワクチンを作り、それを打ってY型やH型に曝露するとADEが起こる可能性がある。ことコロナに関してはワクチンは危ない。誰が責任を取るのか。2~3年かけて作るべきもの。

 

・PCR検査の問題

…小さいものを大きく増幅させる検査。ちょっとしたことで陽性に。プライマー設定によって結果はバラバラになる。死んでいるウイルスでも陽性に。状況によって検査結果が異なるのに、一律の基準による検査とはなっていない。対策の焦点は、重症化した患者やリスクの高い人に対する濃密な対応である。一般の人ではない。

 

・なぜ日本の「専門家」たちは誤ったのか

…トータルの検体数が東京都ではなかなか出てこなくて、陽性率が高く出すぎていた。3月末に感染のピークが過ぎていたのに、4月に入ってから、その数字で緊急事態宣言をした。何かおかしい。安倍前総理も加藤前厚労大臣も、説明をすると、お困りだった。専門家がおっしゃるからと。説明してよくわかっていただいたが、また元に戻っていた。誰かがとめていた。責任はのちに追及されると思う。

 

・菅政権はどう対応すべきなのか

…今回の新型コロナは終わった。閉め続けることはできない。安全なうちに開けることが必要。10年ぐらいの周期で突起の変異が起きる。今回、多くの国で人為的に曝露をとめたので、周期は乱れているかもしれないが、いずれまた同じことが起こる。その時に備えて、日本版CDCを作ってほしい。これまで正確に説明できる人がいなかった。米国のような何千億円も要らないので、いまの分科会を発展させる形で、広い分野の方々、今回実績のあった方々をメンバーにすべきである。

 

●政策提言:免疫維持のために「この10月が勝負」…いずれ問われる責任

 この日本版CDCには上久保先生が…先生の話が入っていた菅総理や加藤官房長官なら理解されると思います。不思議なのは、安倍前総理の近くでなぜ、北大教授のN氏が根拠の薄い死者40万人説や8割接触減を唱えていたのか。どうも、厳しい状況のなかでの感染者減の成果を、N氏が携わっていたクラスター班の手柄にしたかった…?本当にそうだと思っている人は確かに多いです。ノーベル賞狙い…?これは対談収録後に明かしてくれた上久保先生の推察。だとすれば、個人の名誉欲で多くの国民の命や人生、経済や文化を犠牲にしたその責任は、厳しく問われなければなりません。

 足元ですでに自殺者が増加し始めています。8月は全国で前年同月比15.3%増の1,849人、特に女性の自殺者が前年比で4割も増えています。非正規雇用の割合が高いのが女性。外出や経済活動の自粛は、休校で家で子どもの面倒をみなければならない主婦の方々、「新常態」で雇用の先行きも不透明…女性に大きな絶望感を与えているのではないでしょうか。

1998年頃からの平成大不況は1年のラグを伴って、自殺者数を2万人台から3万人台へと押し上げました。経済活動のストップは、倒産、失業、自殺…と時間を追って進みます。

以下は、対談の収録後に私が働きかけて上久保先生がまとめた政策提言の要点です。

1)  K型に対する免疫は11月に廃れる。G型以降の変異コロナに曝露していない人が11月以降、重症化する。

2)  G型に対する免疫を持っている人も、欧州、中東や熱帯、南半球で変異した強毒型ウイルスが流入すると、感冒症状を起こしうる。高齢者や基礎疾患を持った人は重症化する。

3)  第一波より強い流行が、社会隔離を厳密に行っていた人、過疎地域、高齢者、基礎疾患を持った人を中心に拡大し、医療機関が逼迫する。

4)  集団免疫強化策と医療崩壊予防策をしっかり行わねば、11月以降に医療崩壊が起こる。

5)  日本版CDCが必要。

 

要は、一部の地域や社会層に対するものを除き、政府が行っている出入国制限の緩和や、活動再開策を順調に進めることが大事であり、この流れを妨げてはならない、一般の人々はG型以降のウイルスへの曝露を進めて免疫を維持すべし、この10月が勝負、ということになります。この内容は、小川榮太郎氏が官房長官に入れると伺っています。

解散総選挙よりも、まずはコロナへの対応、そして経済再生…と菅総理はおっしゃっています。菅政権と日本政府の適切な対応を期待するものです。