「専門家/医師として緊急事態宣言解除に伴い発出が望まれる声明」~安倍総理大臣に代わって~ | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 このブログでもこれまでご紹介してきた、私の大学の同級生で東大医学部を出てから日本を代表する国立大学病院等で名医として何十年も内科の臨床を現場で続けているA氏が、いまの政権や「専門家会議」の対応を見るに見かねて、自分が総理大臣だったらこんな声明を出すという文章を私たち同級生に送ってきました。

 A氏の名前を出せないのは、現場で実態をつかんでいても、いまのような日本の世論では、自ら名乗ると抗議が殺到するなど、肝心の日々の感染症との闘いの妨げになるといった事情があるからだと推察しています。

 

 この3か月ほど、私が自分の松田政策研究所チャンネルやSNSなどで、メディアや「専門家」とは違うさまざまな見解や異説をご紹介してきたのも、A氏や、これも東大の同級生である生物学の教授(PCRを知り尽くした専門家)であるB氏と続けてきた議論があるからです。残念ながら、「規範文化」や「空気」、それを助長してきたマスメディアの報道に染まった方々から、私のこうした営みも時にはバッシングを受けたものです。

 特に遺憾だったのは、武田邦彦先生との対談「科学的に考える、専門家は事実を述べよ!」(松田政策研究所チャンネル、4月18日配信、5月16日現在で28万回を超える視聴数)をご紹介した私のFB記事に対して、私の財務省時代の同期から、「反社会的な記事だ、ただちに削除しろ、国民が自粛して戦おうとしているときに何だ!」・・・等の並々ならぬ抗議の書き込みが入ったことでした。彼は財務省で同期の中では5本の指に入る地位にまで出世した優秀なエースでもありました。自分が属していた日本の官僚機構とは、ここまでレベルが低かったのか、これでは霞が関に日本を任せられないと国民が思っても仕方ない。

 よく横山禎徳氏が官僚の限界としてその規範文化性を挙げていましたが、得心しました。成熟した日本社会で国民が求めているのは真実を知りたいということ。官僚からの説教ではありません。異説を聞いたからといって政府の自粛要請に反しようと考えるほど国民はバカではないでしょう。これではまるで愚民視。この私に対しても、私があたかも風説の流布で売名行為をしたいが如くの「上から目線」。財務省がタイミングよく消費増税への国民からの理解が得られなかったのも、むべなるかな。・・・そんな思いをしたものです。

 

 本当の科学的態度とは何なのか、A氏との議論を通じて得られたのは、ウイルスの世界はまだ人知の及ばないところが多い複雑系だという認識です。これを前に、未知の世界に対して安易な断定はせず、どんな異説も排しない謙虚な態度で臨むことこそが真に科学的。

 PCR検査はそもそも、遺伝子構造が2つでも類似している点があれば、交叉反応で擬陽性が出やすい、高度な熟練を要する大変難しい検査手法だそうです。諸外国は別かもしれませんが、少なくとも日本の場合、従来から普通の風邪の原因となってきた遺伝子構造が未解明で変異を繰り返している日本に土着のコロナウイルスにPCR検査が陽性反応しているケースが多いというのが、A氏が現場でつかんでいる「100%の自信がある」とする実態ということです。

 これは日本で確認済みの何種類かの既存のコロナウイルスのことではありません。遺伝子構造が未解明だからこそ、これに交叉反応していないということは立証できないもので、長年にわたる現場の経験の蓄積から、そう判断せざるを得ない状況があるのだと私は解釈しています。

 このA氏の見方については、以前アップしたこちらの記事をご参照ください。

「土着コロナにも陽性反応か~現状はPCR検査がもたらした混乱…?~ある現場臨床医からの声」↓

https://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-12590754597.html

 

 そのA氏が送ってきた総理大臣声明案を、私がA氏に代わって、以下、お伝えします。

 

「緊急事態宣言(20200407)を発出する際、本邦~他国での状況や数理モデルによる予測から爆発的な増加が否定できない状況にあった為、経済停滞という大犠牲を承知で大規模な自粛を要請させて頂いた。

結果、爆発的増加が回避できたばかりか、予想以上の急速な収束(終息)を得ており、これは世界に誇れる成果である。

理由は種々考え得るが(※)、いずれであっても、今後、爆発的な増加はないか、軽微な反跳のみに留まる事が予想され、万一、反跳が軽微でなくても十分コントロールできる(=爆発は阻止)確証が持てた。

人類と微生物との関係は、感染症との闘いと共存共栄(接触による免疫獲得を含む)の歴史でもあり、コロナウイルスも古くからインフルエンザウイルス等と同様、変異を繰り返しながら人類と(インフルエンザは本邦でも毎年一万人級の犠牲者を出しながら)共生してきている。

コロナウイルス以外に人類繁栄の敵は数多あり、対策の目処が立った現在、我々は(対コロナだけでない)視野広い対策に戻し自粛を解除して行く時期に来ていると思料する。

緊急事態宣言解除に伴い、感染者数の軽度の反跳は予想されるが、これは冷静に受け止めつつ、総合的な判断に基づいた日本国の活力回復に努められる事を願いたい。

なお、継続的な水際対策は当面最重要と思われるが、PCR検査の重症肺炎者以外への拡大は有害無益であり、抗体検査も有用とは思い難い。ワクチン・特効薬は、その是非・要否も含めて今後の課題だが、本邦での重症者の僅少さを勘案すれば、最も確実かつ即刻準備できる方法は回復者から採取した血清(≒免疫グロブリン)療法である可能性が高い。

※…本邦での感染者~死者数数僅少&収束の原因

(1)高い民度(過度な迄の自粛励行・高い衛生意識・清潔な生活環境)、(2)高い医療水準、(3)高効率の水際対策、(4)他国と異なる軽症ウイルス種が主流である可能性、(5)固有の免疫保有状態、(6)その他

~理性ある医師団~」

 

以下、これを受けた私たちとのやり取りのなかでA氏が述べる追加的な見解をご紹介します。

 

●「過度な迄の自粛励行」とは、「過度でなくても効果があった筈」という意味です。

 

●収束理由に、気温と湿度の上昇も挙げるべきでした。また、ジム・カラオケ等の国民の健全な生活に必須の密閉空間への対策は喫緊の課題として言及すべきです。(シャウトを伴わない)音楽鑑賞~演劇鑑賞~スポーツ観戦(ジェット風船は×か)は手洗いさえ励行すれば問題無いように思います。パチンコも手洗いさえすれば実は良いという気がしています。競馬観戦はマスクしていれば良いかと。

 一方、外歩き時のマスクは早く「無意味」と言ってあげた方が良いです。混雑した電車内なら多少の意味があるか。ジョギング時のマスクなんて論外です。肺炎になって走っている人なんていません。むしろジョガーの爪の垢を煎じて飲ませて貰った方が良いです。日本にはマスクして走って酸欠死する人はいないとは思いますが、健康には良くないです。

 

●集団免疫説について

・・・京大の上久保説が「封鎖がちょっと遅れた間に集団免疫ができた…」とか言っている説だとすれば、論外。荒唐無稽な説です。時間が短すぎてあり得ません。農薬散布するヘリにコロナを積んで全国津々浦々に一斉散布しても、来訪中国人全員を全国にホームステイさせても、そんなに効率的に免疫はつかないでしょう。

 ただ、日本に土着のコロナ亜種で免疫交差が期待できるか?については、判らない」が正直な答でしょうね。「日本コロナに既に感染して体内で出来ている抗体が武漢~欧米コロナも門前払いしてくれるか(=免疫交差が成立)」かどうかは、あっても良さそうですが、期待すれば虫が良過ぎとも言えます。「判らない」が現状だと思います。インフルA型のワクチンやってA型への抗体を作らせても、B型には効かない…のとちょっと近いイメージです。

 

●血清療法(免疫グロブリン療法)

・・・B氏からの「コロナに感染した人の血清を重症患者に注射するのは、緊急の場合、優れた方法と思います。中国では多くの人が血清療法で回復したという報告がありますが、日本や欧米では積極的に血清療法が行われているのを聞いたことがありませんが、なぜでしょうか。」との質問に対して、

・・・個人から採取した免疫グロブリンを治療に使う…が保険適用にはなっていない事が一番の理由でしょう。新規治療でも院内倫理委員会等に諮って使うことは可能ですが、強い論拠が必要です。「専門家会議」がこういう事にこそ先見の明を発揮して主導すべきでしたが、恐怖を煽って縮こまるばかりでしたから話になりません。

 こういう治療に意識を持った製薬会社が製剤化すれば最後の(というより最良の)砦になる気がします。但し、昔、ミドリ十字という会社がこの手の血液製剤を大々的にやっていて薬害エイズを起こした例があるので、慎重な適用が望まれますが。

もう1つ実施されていない理由は、他に(市販されている)方法(アビガン等)が(保険適応外ですが)流用はできる環境にあったのでそちらか先になった…も多少は関係してるかもしれません。他国では切羽詰まってやったら効いた…という側面も多少あるかなという意味ですが、実は慧眼だった訳です。

 

●日本人の抗体保有率

・・・「京都大学の先生が、日本人は毒性の低い段階の新型コロナから既に集団免疫を獲得したと言っておられます。しかし、無作為の1,000人分血液調査でコロナ抗体陽性は3人のみであったという報告があり、これでは集団免疫を獲得したとはとても言い難い。このあたりを、どのように解釈すればよろしいのでしょうか。」とのB氏からの質問に対して・・・

・・・日赤が献血検体からプールしている血清で調べたデータのことです。神戸のデータとは桁が違い、解釈は難しいです。一番可能性が高いのは、(1)抗体検出に使っている抗原(ウイルス病原体)の種差や抗原として使用した部位の問題、(2)カットオフポイントの問題、(3)もう一つは「血中抗体濃度だけで免疫有無が測れるのか」という根源的な問題です。

 (1)で本当に武漢/欧米型にしかない部位を抗原に使った検査なら、「日本人は日本コロナへの抗体は持っているが、武漢/欧米型への抗体は持ってない(&神戸では、亜種の見分けのつかない抗原を市民の抗体検出に使った)」と考えるのが普通でしょう。

 

 いかがでしょうか。議論はこれからも続きます。