動画ろんだん@松田政策研究所⑲~(特集)新型肺炎を巡る議論<その2>~ | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 いまや世界的な広がりをみせている新型コロナウィルス。安倍総理が2月末に全校一斉休校などの自粛要請を発し、3月14日には二度目の会見を行いましたが、日本でも着地点がまったく見通せない状況が続いています。この新型肺炎問題について松田政策研究所チャンネルでも各界有識者による発信を続けていますが、今回は、6人の論者との対談をご紹介した<その1>に続く<その2>として、4人の論者との対談をご紹介します。

最初にご紹介する河添恵子氏のご発言は、この感染症で中国では何が起こっているのか、いまから少し前の状況ではありますが、生々しい実態を報告しています。そのほかの3氏は、主として、日本政府の措置を中心に論じています。八幡和郎氏は、経済とのバランスとの重要性を指摘、新田哲史氏は、安倍総理のリスクコミュニケーションについて論じ、渡邉哲也氏は、政府に代わって?今回のウィルスにどう向き合うべきか、国民にわかりやすいメッセージを発しています。最後に、現時点での総括として、私、松田学より論点の整理を行いながら、今後の日本の対応について発信いたしました。

以下、上記5本の動画を配信の時間順にご紹介いたします。

 

●<対談>河添恵子(ノンフィクション作家)「河添恵子さんに訊く!これでいいのか?日本の対応」

 70都市が封鎖されている、4億人が隔離されている計算になる。これはただ事ではない!!中国情勢に詳しい河添恵子さんに、赤裸々な中国の現実を語っていただきました。

以下、河添さんのご発言をかいつまんでご紹介しますと…、

武漢発のパンデミックであることを医師は分かっていて、発信しては消えているが、彼らによると、我々はとても早い段階で報告している、1月9日には国務院に伝わっている、人が移動する時期にパニックにならないよう…。それが隠ぺいされた。

海鮮市場…その前に実は…人工的に何らかの手を加えた…〇〇兵器?との噂も絶えませんが、動物からの感染とは中国共産党の作ったストーリーではないかとのこと。少なくとも、最初の犠牲者は海鮮市場とは何の関係もない方々だったようです。ソ連でも生物兵器研究所から漏れた炭疽菌事件があった…。

このままでいくと、全国で1億人近くにものぼるその日暮らしの人々は餓死していく。葬儀屋が人手不足で、幽霊が怖くない人を募集している…もしかすると死んでいない方も火葬に?もくもくと煙が…。そこには地獄絵が…?武漢は死んだ町?戒厳令下というより戦争時の恐怖の街?北京とて死んだ町…。

いち早く渡航禁止措置をとった国々と比べ、多数の中国人が訪れ、今年は東京オリパラを控える日本は何をしているのか。危機意識のなさが海外から指摘…。通常のインフルエンザなどではないことは中国の現状をみれば明らか。日本は最も感染を受けやすいいくつかの国であることが1月には発表されていたのに、日本政府は何をしていたのか…。

中国が感染者数などの数字で相当な隠ぺいをしているのは明らか。欧米の研究者たちの出す数字との乖離はあまりに大きい。世界は中国共産党の崩壊を望んでいる…。

習近平の夢である台湾の一国二制度化は、トランプが台湾を国家として認めようとしていることで潰えようとしている。ウィグル人権問題を取り上げるのも、中国共産党からの切り離し作戦。習近平政権は泣きっ面に蜂状態。ここで権力を強めようとも、人がたくさん死んでおり、隠ぺいしていることも皆が知っている。

反対勢力が動けば、中国はぐちゃぐちゃに。チェルノブイリが導いたソ連崩壊のときよりもネットが発達していて、今回の崩壊のスピードは相当速い…。

我々は中国人を敵としているのではない、中国共産党政府だ、というのが米国要人の一致した言い方。共産党政府とは付き合わない…。

情報はできるだけ多くの原語での情報を集めるべきもの。その上で解析を繰り返すのが常道だが、日本の政府や指導者の誰がそれを行っているのか?メディアでは知らない人が解説している。

マネートラップなのかハニートラップなのか、で、中国共産党に取り込まれているのは日本の指導者たち。IR疑惑も、中国に日本が取り込まれていることを米国主導で表に出そうとしたもの…。日本のメディアは物事のパーツしか報道していない。中国にマスクを送っている日本は国民ファーストでない。世界が経済よりも命を重視しているなかで、それを怠った日本の罪は重い…。たとえ死者が出ても、台湾のようにしっかりやっていれば、東京オリパラも問題なかったはず。

あと5年10年後に中国が現在のまま存在している姿はイメージできない。世界から外圧、内側からも今回のことで煽動。

元号が変わると崩壊が起こる…平成のときはバブル崩壊だった。今回は中国…。

…おっしゃることが現実ではないことを祈りたくなる内容の番組となりましたが、河添さんが指摘するように、重要なのは、リアリズムの観点に立って現場のナマの情報を収集解析することであるのは間違いないことだと思います。なぜ、これが日本にはできていないのか(のようにみえるのか)…、ここに重要な論点が潜んでいると思います。

 

●<対談>八幡和郎(歴史家・評論家)「ピンチをチャンスに。今こそ社会変革のチャンス!」

政策の現場を知る者の立場からみると、学者や評論家には見えないことがある。そのような立場から新著を出された歴史家の八幡和郎氏に、今回の新型コロナウイルスをめぐる百家争鳴の議論を斬っていただきました。

いろいろと批判されているが、日本は概ね、うまくやっている、危機管理がなっていないというのは間違い、最大の危機管理はパニックを起こさせないこと、検査もできるだけ応じないようにすることが大事、今回の事態を千載一遇のチャンスと捉えないと、中国との差がもっと開いてしまう…。以下、かいつまんで八幡氏の発言をご紹介すると…、

ダイヤモンド・プリンセス号に対する対応は概ね妥当だった。3,700人、国籍も言語もバラバラ、世界中に前例のないことだった。病気かそうでないかもわからない…どこで起こっても、うまくやれるはずがない。まずは船に閉じ込めるしかなかった。

迂闊に陸に上げたらエライことになっていた。広がったのは日本のせいなんか?これはあり得ない。医学的にもほとんどは日本が介入する前の感染だった。

ここに岩田さんという神戸大学の教授が来た。自分のイメージに比べて船内の体制が弱いとの指摘だが、日本政府はけしからんと外国に発信すると反省すると思ったのだろう。その代わりに、あたかも日本のせいで広がったが如き印象を世界に与えてしまった。日本を不当に貶めた。外圧を使って日本批判というのは、国益を損なうからやめてほしかった。

彼は細菌の専門家であり、ウイルスではない。ある種の見識はあるが、権威ではない。抗生物質の専門家。いろんな要素があって人も足りない中で何ができるかを考えられる人ではない。

入ってきたものを抑えるよりも、入ってきたものをどうするかを考えるべきもの。入国禁止で米国が成功しているわけではない。中国からの全面入国禁止で失うものの方がはるかに大きい。日本のビジネスは米国なら拠点が対応するが、中国は近いから行ったり来たりでやっている。中国からの留学生が来なかったら潰れる大学がたくさんある。サプライチェーンの問題もある。闇雲に止めるのではなく、費用対効果を考えながら、いちばん有効な対策を考える。

国民の命のほうが大事と言うが、人命は地球よりも重いという言葉の綾に過ぎない。経済の悪化で自殺者が出れば、それで命を失う犠牲者が出る…。

総理は内心、焦っている。しかし、今回はパニックがいちばん困る。怪しいと思った人が次々と病院に行くのを止めるのがいちばん大事。検査しない方がよい。

そもそもインフルエンザも開業医のところで検査しないほうが良いもの。日本は病院に押しかけてインフルエンザを広げることをふだんからしている。熱が出てすぐに病院に来られても困るし、最初に検査しても正しい結果は出ない。

まずは、電話することに対応を統一すべき。その指示に従う。病院側が検査に訪れる。熱が出た人は外に出ないことが大事。

最後に総理が出てくることは必要だが、焦りを外に出さないことが大事。慌ててバタバタ出るのが禁物。それをやったのが菅直人だった。いまの総理も周囲を怒鳴っているだろう。厚労省の中でもう少し大臣に、あまり断定的にものを言わないでくれと進言すべき。総理も加藤厚労大臣を怒鳴っているかもしれない。そうした姿は国民に見せてはいけない。

危機、災害、病気…それは常に世界史を進歩させてきた。ルネサンスもそうだった。関東大震災で後藤新平は千載一遇のチャンスだと言った。伊勢湾台風の復興も立派だった。こういう精神をやったところが歴史の勝者。

今回のことで日本経済はダメージを受けるが、そのダメージをできるだけ小さくすることが大事。その上で、チャンスとして活用する。中国では大学を全部、ITでやろうとしている。シンガポールは個人番号カードで地下鉄に乗るから完璧にトレースできる。

マイナンバーがなければ何もできないぐらい普及させるチャンス。中国に比べても遅れているものを一気に取り返すチャンス。小学校もITで中継する。みんなができなくてもよい、できる人が学校に行かなければ感染も減る。医療もそう。遠隔検査。中国では、やっている。不正請求の温床になると言われるが、むしろ遠隔でやって録画しておけば、不正はできなくなる。電話、そしてスカイプで。病院に来た人は電話ボックスに誘導する。こうしたシステムをまず作るべし。

役所の会議もこれを機会に、説明会を廃止する。新幹線のチケットはマイナンバーがなければ購入できなくする。電子申請での税務申告では1万円を還付、もってきたら1万円追徴。みんなができることしかやらないというのではダメ。

これは千載一遇のチャンスという精神がないと、中国との差がまた開く。中国はもっとすごい国になる。

…危機をチャンスに、頭の切り換えをすべきなのは、私も、そのように提案しているところです。ご参考までに、3月2日に出した松田学通信(メルマガ)に掲載した私のコラム、最後の部分に、このことを書きました。こちらです↓

http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=2035&n=5016

 

●<対談>新田哲史(アゴラ編集長)「マスコミの報道姿勢と安倍内閣の対応を斬る!」

安倍政権もようやく?本格的な危機管理モードに入り、2月末に総理による学校一斉休校要請。新型コロナはいよいよ経済社会を揺るがし始めましたが、メディア報道が今般の危機を悪い方に導いていないか?安倍政権の今回の措置の評価は…?およそリスクコミュニケーションになっていないが、その真意は…?

すっかりテレビでお馴染みになったコメンテーターたち…この人の言っていることは本当かな…?一応、医師の肩書はあっても、感染症の専門家ではなかったり…、むしろ、コメンテーターに向いている人ばかりが出ているような…。

混乱のきっかけはダイヤモンド・プリンセス号…岩田教授が出てきて、あそこからぐちゃぐちゃに…。不幸なのは、安倍政権のシンパとアンチとの代理戦争のようになってしまったこと。批判派からは安倍さんの言うことは信用できない…。ファクトベースの議論ではなくなり、原発事故のときと同じ状況になってしまった。

多くの主婦が信じる岡田晴恵さんは?…テレビで引っ張りだこになり、PCR検査をなぜ受けさせない?政権批判派はそれを持ち出すが、岡田さんは感染研のOBの話を出し、厚労省の利権のような話になり、上昌広先生がそれ同意して…と煽られた。

コメンテーターとして呼ばれる人には呼ばれ癖がつき、局が台本を予め用意して、その方向に持って行かれるということにもなりがち。特定勢力をやり玉に挙げると拍手となり、またコメンテーターとして呼ばれる。報道情報番組というよりも、エンタメ番組のように、センセーショナルにつくられてしまう。明日、国難!!というときに、100%の対応などできないもの、6割の情報での判断を迫られているときくに、平時のような発想で追及している。目の前をどうするか、困った人をどう救うかのときに、過激な言動を追い求めている。3・11の教訓が活かされていないのが残念。

現場の医療資源に限界があるなかで、パニックを起こさないようにするところに政府の対応の最大の眼目がある。

では、国境措置が遅れた日本の危機管理は…?もっとぎちぎちにできたが、日本の法体系からすると…、緊急性を要するものには動けない。戦後のぬるま湯の中で反射神経的な動きができない。

では、今回の総理の一斉休校要請は…?保守論客たちが分裂していた。総理は気にしていた。一斉休校をあのタイミングで行ったのは、百田さんと有本さんとの会食の直後。彼らはなまぬるいと政権批判していた。ある種の手打ちだった。支持層に対して、ある程度の強硬措置が必要だった。政治家の判断にはある種の政治的な動機が必ず入る。

 波紋が起きることをどこまで予め予測してジャッジしたのかといえば、疑問。今回の安倍さんは橋下徹的考え。大きく構えて一挙にやって、状況をみながら徐々に解除していく。エビデンスに基づいて合理的な範囲で…という方式ではなかった。やや構え過ぎだったが、その部分は政治的思惑があった。台湾方式は立派。水際ビシッとやった。その台湾は日本より合理的。1人がかかったら学級閉鎖、2人が出たら休校…。WHOでは、子どもから大人への感染例はあまりないとされていた。その辺りをトータルに考えて、医学的にはこうだが、まだわかりません、100%考えたが、こうなんだ、と総理が言って、やったのなら皆納得となるが、総理なりの思惑が重なり、エイヤでとなった。禍根を残すかもしれない。

この措置に、ある世論調査では賛成が62%、保護者でも57%が支持。意外とギリギリOKで。エイヤ、でやり、自分が責任持つ、「手形無しのお約束」、そうしたメッセージは政治家の資質として重要だが、エビデンスで合理的に考え、もう少し納得できる材料を用意するということはできず、記者会見も通り一遍だった。記者会見やった以上は疑問がなくなるまで、徹底的にやるべきだった。橋下方式で2時間でも3時間でも・・・。米国大統領をみても、大事な記者会見はガチンコでやっている。政権への不信感をずるずると引っ張ることになった。

野党がだらしないから、危機のときは正面突破でのパワープレーに。タフな勝負強さが第一次政権のときとは違う。しかし、パワープレー的な手法でいいのか?

今回は危機管理のリスクコミュニケーションでは、通常の企業なら、あれでは炎上だろう、常道ではなかった。結果オーライ。運がよかった。宰相にとって大事なのは強運。

しかし、生活者の視点はなく、あれでは…?納得へのプロセスは必要。

 メディアが国民の気持ちを煽って、政治がそれに合わせなくてはならなくなり、それでズルズルと悪い方に行く…、危機の時ほどみんな慌てるし、悪い時ほど問題解決型にならず、悪い奴をやっつける型になる。それが日本のジャーナリズムの悲しい実態。

…危機管理の要諦は、どこにどのようにリスクがあり、何が問題なのかの認識を関係者全員が共有することだとされます。国民もそれが分かれば、自ら、もっとこうすればということまで考えるもの。その意味で、今回も、国民への説明不足の安倍総理は危機管理の基本ができていなかったのかもしれません。

 

●<対談>渡邉哲也「政府よこうやって説明しろ!リスクコミュニケーションのススメ」

安倍総理にはぜひ、このように話をしてほしかった…。今回、政府、厚労省に代わって、渡邉哲也さんが松田政策研究所チャンネルで、国民が知りたいメッセージを送ってくれました。初動の危機管理に失敗した日本政府は、ようやく危機管理モードに入りましたが、どうも説明不足。たとえば、今回、総理が行った全国一斉休校の要請も、「子どもたちの命を守るため…」と言うよりも、

…最も危険なのは、特に基礎疾患をもつ高齢者であり、彼らを守ることが対策の重点。休校は、感染してもほとんどが発症しない子どもたちが家にウィルスを持ち帰って、そうした方々に感染させることを防ぐ上で重要。何事も優先順位が大事であり、経済活動をとめてしまうと生活インフラが崩壊するため、学校をとめる選択をした。…このように丁寧に説明したほうが国民も関係者も、もっと納得したかもしれません。

本来、危機管理の要諦は、問題の所在はどこにあり、どこにどのようなリスクがあるのかを関係者全員が共有することだとされます。国民がそれをシェアすれば、今般の新型コロナウイルス騒動に対して、政府の言うことだけでなく、各国民自ら、だったら何をすれば良いかを自らの置かれた状況に応じて考え、感染拡大の効果をより高めることになると思うのですが…。

新型肺炎にどう向き合うか、何はともあれ、渡邉さんのわかりやすい解説をぜひ、ご覧ください。

以下、渡邉さんの発言をかいつまんでご紹介しますと…、

リーマンのとき、「リスクの希薄化」と言われたものが、1個のリンゴが腐ったら、みんな腐ってしまった。やはり中国に対するデカップリングは決定的。このところ次々と世界で起こる出来事は、これまでと、これからが、変わる世界の端境期に来ている。

日本が初動での国境措置で断固たる危機管理ができなかったのは事実だが、とめていたとしても、時間の問題だった。あの米国でも感染は拡大、それも、6週間前に武漢から渡っていたウイルス。春節前にとめていたとしても、完全には止められなかっただろう。

この新型コロナウイルスは4~5回、変質している。コロナウイルスは進化しやすい。ウイルスは自分だけでは生きていけないので、生物に寄生し、自らを転写、コピーし、新しいウィルスになって増殖していく。そのコピー作業の過程でコピーエラーが起こると新種のウィルスになる。そうした変質がすでに4~5回起きており、元々、野生生物からの直接感染の際は、人から人へ感染するウィルスではなかったが、人→人の感染をするウィルスに変質したのが、最初のバージョンアップだった。この段階がいつなのか、中国当局がさまざまな情報を隠蔽していて、よくわからない。1月上旬の人→人の段階で対処していたら、武漢の地域ウイルスにとどまっていただろう。習近平は習隠蔽と言われている…。

各国で発表される感染者の数がウソだというのは、それは感染者数ではなく、感染確認者数だから。いま見ている数字は、潜伏期間である4~14日よりも前の数字。感染の予測は通常、モデル計算の解析で計算でき、ある程度、予測が立つ。これが「防疫」。そもそも検査とは、治療のための検査か、防疫のためかの検査なのかの2つしかない。現在、治療薬がないので、治療のための検査の意もがない。すでに市中感染してしまっていると、防疫のための検査もできない。

いちばんの問題は何かといえば、感染させないこと。人が集まることを避ける。人が集まる所とは、病院。病院からウィルスを持って帰った時点では陰性。陽性になるにはウィルスが一定数まで増殖する必要がある。感染直後は誰もが陰性。病院から陰性のまま、持って帰って家族に移す。それで感染が広がる。だから、病院を守ることが最も大事。

重篤化するのは基礎疾患を持つ人か高齢者。死亡の多くは多臓器不全であり、これを起こしてしまうことが医療法会。コロナウィルスでなくても、透析が必要な人が透析を受けられなければ死ぬ。これが武漢で起きたこと。

コロナとは、普通の風邪。いままで、コロナは何種類も伝播してきた。これまでは風邪で片付けられていた。これまでのコロナは季節性だった。暖かくなると終息した。今回の問題はまだ、正体が分からないこと。クラスターへ感染が起こっているのは寒い所。

アビガンについて、これまでの抗インフルエンザはインフルエンザに特化したものだったが、アビガンは、RNAのコピーをさせないもの。コピーしないから増えない、ウィルスは一定期間で死ぬので…治る。ただし、妊婦にはリスク。それ以外の副作用は通常のインフルエンザ薬と同様。これが予防でも有効であることが実証されれば、一気に封じ込めできる。

誤診率の高いPCR検査より、精度の高い検査キッドの開発が急がれているが、実用化は3か月ぐらいかかる。早くて4月。これは世界的な問題。

ただし、検査も、治療法が確立しての検査。それが先。治療がない検査は意味がない。今は、病気ですよ、家にいてください、としかできない。重篤な患者のために病床を開けておかないと、医療崩壊が起きる。検査体制ができるまでは、まずはホットラインで時間を決めて、他の患者と交わらずに。なんでもかんでも検査というのは間違い。

現在、処方箋薬も病院に行かなくても済むような対策を厚労省はとりつつある…。トイレットペーパーは市中在庫が3週間分あり、そもそも原材料は中国から入っていない。なくなることはない。かさばるから都心のコンビニには保管場所がなかっただけ、一時的に枯渇しただけ、焦る必要無し。食品などは大丈夫。

…渡邉さんは薬から生活の知恵まで、具体的に解説しています。これも政府にやってほしかった…。

安倍総理の全国一斉休校の要請は決して唐突ではなかった。大規模感染症の行動計画に基づいたもの。生産活動がとまると生活インフラが止まる。学校が止まっても、それはない。物事には優先順位がある。子どもは重篤化しにくいが、学校から帰ってきて、おじいちゃん、おばあちゃんに移して重篤化させたら、その子は一生、トラウマだろう。だから移動させない。これはリスク計算と優先順位の話であって、巣感情の話ではない。クラスター感染は若年層が中心。政府の要請は、人の移動を経済に最も影響ないかたちで制限したもの。持病をもった高齢者はそもそも動き回らない。

なかでも最大のプライオリティーは、病院機能の維持。テレビは検査も受けられない云々と、感情に訴える報道で国民を煽ったが、テレビで拾う「街の声」とは都合のいいところだけ。テレビ局の言うことの反対をやると正解になる。

重要なのは、これを通常のインフルエンザまで抑えること。コントロールできる病気まで、どこまで抑えられるか…。単なる自由主義から安全保障を考えた経済を考えねばならない。

 

●<一人語り>松田学「号外【ニュースを斬る!】世界で何が起こっているのか!? ~現時点での総括 前半~」