チャンネル桜の経済討論「中国・ギリシャと世界経済の行方」で松田まなぶが述べたこと。 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

チャンネル桜の経済討論「中国・ギリシャと世界経済の行方」で松田まなぶが述べたこと。7月25日に放映された動画です。

 日本で消費税率を引き上げることは容易ではありません。いつも大騒ぎになり、政局にもなります。今回も、3%の引上げで景気が減速し、さらなる2%引上げは延期されました。ところが、欧州の盟主にならんとしているドイツでは、2007年に日本の消費税率に当たる付加価値税率を16%から現在の19%へと3%引き上げた際に、景気はビクともしませんでした。どうも、財政再建の前に考えねばならないのは、日本経済そのものの足腰を強化することであるようです。翻って世界をみると、中国は陸路と海路の両面で、シルクロードの沿線60か国、世界の人口の6割、GDPの3割を占める巨大地域において「一帯一路」構想を掲げ、ユーロで独り勝ちのドイツは欧州の「ドイツ帝国化」を進めています。いずれも、長期的な国家繁栄の道筋を描き、したたかに戦略的に経済力増大を図っています。

近年、私たち日本人は、専ら米国流の新自由主義を意識しながら、経済問題や政策のあり方を考えてきました。その間に、いつの間にか、中国の国家資本主義にどう向き合うかを突きつけられるようになりました。日本も、したたかな戦略国家たり得るのかが問われているように思います。行革や「構造改革」にうつつを抜かしている間に忘れられてきた国家機能の強化ということを、もう一度、考えるべき時が来ているのではないか。

以上が、私、松田まなぶがチャンネル桜の経済討論「中国・ギリシャと世界経済の行方」(7月25日に放映)でパネリストとして述べたアウトラインです。
番組は1時間ずつ、3部に分かれた3時間番組で、私はどの部でも何回か発言していますが、まとまった発言は第一部と第三部でそれぞれ4~5分程度、行っております。お時間のない方は、その部分だけでも、ぜひ、ご覧ください。

〇第一部の動画は、こちら↓です。
https://www.youtube.com/watch?v=g8twrKtCSUc
…第一部で私が特にまとまった発言をしているのは、13分34秒~18分07秒です。
〇第二部の動画は、こちら↓です。
https://www.youtube.com/watch?v=kD4hn9Qdsic
 …第二部では私は短い発言を何度かしております。
〇第三部の動画は、こちら↓です。
https://www.youtube.com/watch?v=ZshBtEM2ilQ
 …第三部で私が特にまとまった発言をしているのは、途中で野口旭さんのコメントが入っていますが、13分56秒~17分58秒です。

 さて、中国経済にせよ、ギリシャ問題にせよ、国際経済を考える上で参考になるのが、「国際金融のトリレンマ」です。この討論で私が最初に紹介した枠組みです。番組を見ただけでは少し分かりにくかったかもしれませんので、図をご覧ください。↓



 一国の経済政策にあっては、「a自由な資本移動」と、「b為替相場の安定」と、「c独立した金融政策」の3つのすべてを成り立たせるのは不可能であり、これらのうち2つしか実現できないという基本定理のようなものです。

ユーロ諸国の多くでは、b.を採るためにc.を犠牲にした結果、マクロ経済政策の選択肢がなくなっています。人民元の国際化を進めたい中国は、a.を制限してb.を実現するという、これまでのやり方が困難になっています。

私が今回の経済討論で述べたことは、今後、何回かに分けて発信してまいります。パネリストは後述の通りです。私の発言に対して何度か、高橋洋一氏や野口旭氏など、他のパネリストから反論がありましたが、私の論旨が否定されるほどのものではなかったため、あえて再反論はいたしませんでした。

 世界の大きな潮流を見据えなければ、経済成長も財政再建も実現しません。さらに議論を深めてまいります。

司会:水島総(日本文化チャンネル桜代表)、
パネリスト:宍戸駿太郎、高橋洋一、田中秀臣、田村秀男、野口旭、松田学、宮崎正弘、渡邉哲也