松田まなぶの論点 TPPを日本のチャンスとして活かす国家戦略こそが重要、消費税率引上げの前に必要 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

衆院財務金融委員会 10月29日 関税関係二法案の審議に際しての松田まなぶの質問のポイント
答弁者:麻生太郎・財務大臣(+財務省宮内関税局長等)


1

〇経済連携協定(EPA)とWTO
[松田]
 ちょうど私の同期が局長になったときに財務金融委員会に戻ってきたので、大変よかったと思っている。その同期の局長に、はなむけの御質問をさせていただくと、今回、関税関係二法案提出されたが、これらは日本とオーストラリアのEPAを国内で実施するための法整備。ただ、今回の改正法案は、いわゆる関税法や関税定率法の改正というのではなく、関税「暫定」措置法で行われる。つまり、本来の制度でなく、暫定的、例外的な制度、法律上はそういう位置づけになっているが、時限的な立法でもないし、暫定的にやるというわけでもないはず。
[宮内豊・関税局長]
 関税暫定措置法は、関税定率法及び関税法の暫定的特例を定める法律。一方で、関税及び貿易に関する一般協定、ガットというものがある。その第二十四条において、FTAについては、最恵国待遇の例外的措置として位置づけられている。従って、経済連携協定において特別に約束された事項については、WTO協定との関係上、例外的なものであり、国内法で措置するに当たっては、従来から関税暫定措置法に規定することとしている。
[松田]
 FTA/EPAは、本来、関税と貿易の一般協定(GATT)の例外的な位置付けとされているものであり、複数のFTA/EPAが乱立すると、制度が複雑化して使い勝手の悪いものになりかねないのではないか。WTOのドーハラウンド交渉の行方をどう想定しているのか。また、税関に関するものとしては、昨年末にドーハラウンドの部分合意として税関手続などに関するトレードファシリテーション協定についてWTOで合意が整ったと聞くが、その後の状況はどうなっているのか。
[答弁…外務省]
 略

2

〇TPPと国家戦略
[松田]

 自由貿易体制の維持強化のために、WTOであれ二国間のEPAであれ、どんどん進めていただきたい。今、世界が大きく動いている。いろいろな意味での経済秩序づくりである。TPPもいずれFTAAPというものをにらんいるし、アジアとの間でRCEP、また、TTIPという環大西洋貿易投資協定もあれば、一方で日本とEUとの間でもいろいろなものが進んでいる。これだけ大きな経済秩序づくりがせめぎ合っている中で、日本はこのいずれにも関与しているという意味で、我々にとって、世界経済秩序づくりに向けた大きなチャンスが今訪れているのではないか。
 TPPはどんどん進めるべき。手元に私の著書があるが、これは、二、三年前に、当時「TPP亡国論」という本があったので、私は「TPP興国論」という本を出させていただいた。
 ただ、TPPであれ、あるいは今回のEPAであれ、いろいろな協定を結ぶために、交渉というところでは一生懸命やるが、締結して大事なのは、それをどうやって日本の成長戦略に生かしていくか、国家戦略全体の中でこれをどういうふうに位置づけていくかという点である。麻生大臣はどうお考えか。
[麻生太郎・財務大臣]
 ~略~
成長が極めて著しいASEANと言われるアジア太平洋の地域を取り込んでいくというのは極めて大事なことなのであって、これはTPP亡国論では間違いなので、それは興国論が正しいと、私もそう思っている。人、物、サービス、カネ等々が国境を越えて、いろいろな障害があるのを乗り越えて進んでいくのであって、今後、日本として、物づくりに限らず、サプライチェーンというものが、投資の面においても、また、いろいろな意味でチェーンをつくっていくというものの中心に日本が位置していく。
~略~
[松田]
 日本がバリューを世界に生んでいって、それをバリューチェーンでつなげていく、戦略としてこれを考え、儲けはこれから成長するアジア太平洋地域で、雇用は国内に生んでいくことも一つの経済戦略。その上でTPPは重要なツールになる。

3

〇消費税率引上げについて
[松田]

 消費税の来年10%への引上げをどうするかという話を、次世代の党の中でも、けんけんがくがくの議論をしている。ただ、我々、次世代の党は、次世代のための政党なので、できるだけ次世代に対して負担を大きくしないという基本的立場がある。中長期的には引き上げていかなければならない。このこと自体には選択の余地がない。
ただ、来年どうするかというと、やはり、まだ準備ができていないのではないか。その一つは、お手元に配付した資料。これは財務省は今年度予算から、昨年、私が財務金融委員会で、もう少し受益と負担との関係、社会保障について特別に取り出して、社会保障特別会計とまで言わないまでも、こういう勘定のようなものを作った方が良いと申し上げた。社会保障の経費というのは、国に入った消費税が全額充てられていて、かつ、これだけ公債金、次の世代への先送りが、十五兆円毎年出ているという形になる。こういったことが、例えば有権者に話をしても、社会保障に全部充てられているという、これほどわかりやすい税金は世界でも珍しい税金だと思うが、なかなか理解されていない。
日本の政府の規模も、OECDの中でもかなり小さい部類に入っているし、政府の社会保障以外の支出はOECDでは一番小さい。社会保障にどんどん金を食われて、ほかのお金が世界で一番不足している財政である。
消費税は、この社会保障についてのものなのだということについての理解がまだ十分、有権者間でに進んでいない。これをわかりやすくするような創意や工夫が必要だ。
 我々、忘れがちなのは、国民には、将来世代の国民がある。次世代の党もそれを意識しているが。憲法でも、この憲法が保障する権利は、現在及び将来の国民に対して与えられると書いているように、やはり財政というものは、将来世代も含めた国民で捉えるべきもの。国民を、高齢世代、現役世代、そして将来世代と、三つに分けると、消費税を上げるというのは、国民と国民との間のお金の移転をしているのが消費税であって、その配分を世代間でどうするか調整するのが消費税を上げるということにすぎないわけである。
その意味では、将来世代まで含めれば、マクロ的な国民負担がこれでふえるわけではない、こういう理屈も、なかなか浸透していない。
 もう少し、財務省としても、この辺りが一般国民にはわからないままだと、これから税率引き上げをやるにしても、政治的に何回も何回も同じようなこんな困難が続き、次の世代の負担が膨らむ一方だということになる。もう少し創意工夫を凝らすべきだとかねがね私は思っている。
[麻生太郎・財務大臣]
 やはり私どもとしては、今言われたようなことをもう少しわかりやすく、より御理解いただけるように、我々の世代より次世代のためにというところをもっときちんと説明して、これはむしろ高齢者の方の方が意外と理解していただいたりしているところがあるので、私どもとしてはさらに努力をしてまいらねばならぬ、そう思っている。
[松田]
 こういった面での仕組みを創るべく、我々は財政健全化責任法案を出し、いわゆる複式会計で予算を編成しろと要求してところ。大変難しい要求かもしれないが、そういった改革ができることが消費増税の前提だと思うので、ぜひよろしくお願いしたい。

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