松田まなぶ 危険ドラッグ(脱法ドラッグ)につき田村厚労大臣等に国会質問 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 次世代の党が8月1日(金)に正式に立党してから同党による最初の国会質疑に立つことになったのは私でした。その週明けの8月4日(月)、いま日本で大きな社会問題になっている「危険ドラッグ」対策の審議のため、衆議院では田村厚生労働大臣を呼んで厚生労働委員会が開かれ、私は同委員会の委員ではありませんが、党の他の委員との差し替えで、急きょ、25分の質問に立つことになった次第です。6月24日に池袋で、「脱法ハーブ」乱用者による暴走事故で死傷者が出るという事件が起こり、麻薬や指定薬物のように法律で禁じられているものではない「脱法」ドラッグをどう取り締まるか、世間の関心が高まっています。

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 すでに6月22日に通常国会は閉会していますが、閉会期間中でも緊急の必要性などに応じて委員会などで審議が行われることがあります。次世代の党は国会内の「会派」としては、こうした閉会中審査として7月に予算委員会が開かれ、集団的自衛権など安全保障問題の集中審議が行われた際に、現在幹事長の山田宏委員などが質疑に立ちましたが、党が正式に設立してからは初めてのタイミングの質疑になりました。

 私の質疑や田村大臣等の答弁の模様は、こちらの動画をご覧ください。

 この危険ドラッグの問題についても、私が日ごろから国会論戦で心掛けているように、表面の諸矛盾の背景にある「主要矛盾」にこそ目を向けるべし、とのトーンで議論をさせていただきました。すなわち、この日の質疑でも多くの議員が追及していたのは「危険ドラッグ」販売への取締りの強化であり、そのために暫定的に販売を停止させる法改正を主張する議員も多数おられましたが、私は、取締強化は当然のこととして、そもそもこの問題が「いたちごっこ」の構図のもとにある以上、もう少し別の根本対策も議論しなければならないと思った次第です。いくら新規に特定物質を不正薬物に「指定」してみたところで、法の網をかいくぐって新しい化学構造の物質が次々と誕生し、しかもそれが、摂取を目的としない「お香」などの形で販売され、いとも簡単に入手できるということであれば、摘発をいくら強化しても、永遠の「もぐら叩き」ということになりかねません。

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 私がこの問題で想起したのが、一つは、かつての米国での禁酒法でした。これが結局、密造酒製造・販売などを通じてアル・カポネで知られるギャング組織を拡大していくことにつながりました。もう一つは、私が子どもだった頃に流行っていた「シンナー遊び」です。私の記憶では、「不良少年」たちはシンナーそのものではなくても、市販の接着剤をビニール袋に密閉して吸っていたようで、私自身は、母親から「頭が悪くなるからやらないように」と言われて自らの自覚でそのような行為はしませんでしたが、接着剤はプラモデルを作る際など、私も普通に使用していたものです。
 麻薬のように明らかに不正薬物であるものを売ったり使用したりする場合とは異なる問題がそこにはあります。政府として「脱法ドラッグ」をいくら「危険ドラッグ」と呼び換えることとしたところで、そもそも何が危険ドラッグなのかの認識の問題があります。ですから、報道されているように、危険ドラッグを摘発しても実際に起訴に至るのは2割程度ということにもなってしまいます。
 この危険ドラッグですが、日本にはかつては欧米から流入していましたが、近年、中国から相当量が入っているようです。私は質疑で、これを国家安全保障の問題として捉えるべきだと申し上げました。そもそも安全保障への考え方も変化しています。国際社会にとっての脅威の態様が多様化しています。中国からのサイバー攻撃もそうです。国家の役割は国民の生命と財産と健康を守ることです。

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 ただ、抜本対策はやはり需要の削減でしょう。そして、業者にとっての「うまみ」をなくしていくことです。この点は、田村厚労大臣も私の言葉に着目した答弁をしていました。
 需要の削減の根本に来るのは、危険ドラッグのような物質に、つい手を出したくなってしまう人間の本性の部分での対策です。私は、厚生労働省として、この部分ヘの認識や対策をどこまで深堀しているのかを確かめたかったのですが、表面的な事象の把握にとどまる答弁しかなく、極めて不十分な印象が残りました。
 ドラッグに手を染める若者たちには、それなりの絶望感、社会や自らの将来に対する信頼感の喪失など、現実逃避に走るそれなりの理由があります。やはり、若者たちが夢を持てる社会を創っていく、信頼感の持てるコミュニティを再構築していく、そこには、単なる病気の「治療」にとどまらない「精神生活の質の改善」という現代人のニーズに応える医療のあり方も据えられるなど、まさに「厚生行政」が正面から取り組むべき日本の根本課題があるはずです。
 最後にこの問いかけを私から受けた田村大臣は困ったような顔をされて答弁していましたが、次を担う若者たちにとって信頼の持てる国や社会をどう構築していくのか、危険ドラッグという社会現象として現れている問題を根本的に解決していく上でも、まさに「次世代の党」の担うべき役割は大きいものと考えます。

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 私の質疑の基礎となった論点や質疑のポイントは、「松田まなぶの論点 危険ドラッグへの根本対策と次世代の党」にまとめました。こちらをぜひ、ご覧ください。

 委員会の場では、橋下グループに属する「維新」のかつての同僚議員である厚生労働委員の方々にも久しぶりにお目にかかりました。足立康史議員からは、「また一緒にやりませんか」と。私が厚生労働委員ではないからこそ、専門を離れた幅広い観点からの質問ができたことを評価していただきました。
 今回は私の専門外でしたが、秋からの臨時国会では、安全保障、アベノミクス、財政など、それこそ幅広く議論をぶつけていく所存です。アベノミクスそのものが日本経済にとって「危険ドラッグ」となっていないことを祈るものです。