松田まなぶの論点 日本版NIHが日本の課題に応えるために | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

4月9日衆議院内閣委員会 法案最終質疑
松田まなぶの質問のポイント

 
◎ヒト
・菅・官房長官とは本委員会の一般質疑に当たって、内閣主導人事のもとでの人材活用につき論じてきた。これは公務員にとどまらず、実は、民間の人材を活用していく上で重要な論点。だからこそ、質疑をさせていただいてきた。
・この日本版NIH法案についても、先般の参考人質疑に際し、山中伸弥・教授は、私から質問に答えて、やはり、政権が変わることに対する不安を表明していた。

(問1)ポリティカルアポインティーを基本とする米国では、NIHの幹部も含め、政権が変わると上層部が入れ替わり、方針も大きく変わることが多いが、日本医療研究開発機構については、そのような心配はないと言えるのか。
⇒菅・官房長官が答弁。



・研究者の方々が有期雇用などの不安定な状況に置かれていることについても、私からの質問に対して参考人の方々が指摘していた。そこで出ていた提案であるが…、

(問2)研究人材の雇用について、有期雇用の不安定性の問題を克服するために、機構が長期的に雇用して様々な機関に派遣する等の形で、安定的にキャリアパスを形成できるように図ることは考えられないか。
⇒政府参考人が答弁。

・松田から、公務員制度改革もそうだが、やはり、一般論として、官民の人材有効活用を政治主導で行う前提は、政府組織の外側にさまざまな受け皿機関が存在し、流動性の高い人材マーケットが形成されること。そのような社会インフラの整備が重要。

◎情報
・内閣委員会での欧州視察に際し、デンマークのバイオバンクを訪問。ほぼ全国民の遺伝子情報が個人番号と結び付く形で管理。
・同国にはメディコンバレーがあり、個人情報が保護から利活用へと進み、さまざまな医療イノベーション。日本はこれでは後れをとってしまう。
・この点について質問したところ、参考人の方々からも、さまざまな懸念や要望が出された。

(問3)医療や創薬のイノベーションの推進のためには、個人ごとのゲノム情報を管理し、研究に活用していくことが不可欠。個人情報保護の問題をクリアーしてデータベースを整備すべきであり、①そのための法整備を行うべきではないか。②導入されるマイナンバー制度に取り込んでいくことを検討すべきではないか。③機構は、この課題にどのように対応していくことになるのか。
⇒①と②は政府参考人、③は菅・官房長官が答弁。

◎カネ
・山中伸弥・教授は、参考人質疑で私からの質問に対し、
「米国では、研究所のプレジデント、医学部長といったトップの最大の仕事はファンドレージングである。どれだけおカネを集めたかで評価される。日本の場合、そればかりやっていると、ものすごく非難を浴びるだろう。ファンドレージングも非常に大切な仕事。そのための専用の人材も立派な仕事である。寄付税制は日本と米国とでは、そんなに違わない。税制が問題だから日本では寄付が少ないということではない。」と答弁していた。

(問4)本法案の趣旨を実現するためには、国主導で本機構のような国の資金のファンディング機構を設立するだけでなく、各研究機関における民間からのファンドレージングも促進すべきではないか、政府の所見を問う。寄付税制も含め、その更なる促進策を講じるべきではないか。
・末松誠・慶應義塾大学医学部長は、参考人質疑のあと、私にメールで、「山中参考人の仰っていた「寄付の条件は米国と同じ」というのは間違いで、実際には私学への寄付に対しては税率100%の税金を取られてしまい、多くの企業は私学への寄付が出しにくい状況になっている。」と伝えてきた。
・政府としても、寄付の促進についてしっかりした対応を求める。



◎組織
(問5)医療研究について縦割りに横串を通すことが今回の法案の趣旨の一つだが、単に医療分野のみならず、医療分野以外の他の分野との横串を通すべき時代であり、例えば、ゲノム医療、ダビンチなどの電子治療装置など、医療分野も物性科学、情報科学、電子工学など学際的に広がっており、こうした観点から、本機構では、人材確保や組織設計、資金配分や研究マネージメントなどにおいて、どのような方針で臨むことを考えているのか。

⇒政府参考人が答弁

(問6)本法案が、要するに、国の資金のファンディング機能と研究マネージメント機能を併せ持つ機構を設立して、基礎研究の成果を目利きし、それを切れ目なく実用化しようとするもの。基礎研究を臨床研究以後のプロセスにつなげるもの。であるとすれば、その機能は独立行政法人を設立するまでもなく、政府の一部局でも担えるのではないか。独法組織でなければならない理由如何。
⇒菅・官房長官が答弁、独法組織が絶対に必要であることについての説得力のある答弁ではなかった。