松田まなぶの論点 医療イノベーションへ、日本版NIH | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

~日本版NIH法案 衆議院内閣委員会4月4日参考人質疑~]

健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案
松田まなぶの質疑のポイント
 
【参考人による意見陳述】
大隅典子・東北大学大学院医学系研究科教授
末松誠・慶應義塾大学医学部長
竹中登一・公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団会長(アステラス製薬前会長)
山中伸弥・京都大学iPS細胞研究所所長・教授


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[松田まなぶ]
・日本は世界の「課題先進国」。中でも活力ある超高齢化社会の運営モデルを世界に先駆けて構築することは、日本の国家目標に据えてもよいほどのテーマ。
・社会保障といえば負担の問題。しかし、社会保障をコストとして捉えるのではなく、もはや。バリューを生み出す部門にすべき時代。
・特に医療はそう。国民の健康寿命を長くすることで全体を持続可能なものにすると同時に、経済成長を生み出す。日本のイノベーションの最先端の分野。
・エンドユーザーにバリューを提供、保証するものとして社会システムを捉え、縦割りに横串を通すべき。健康というバリューを創造する。そこに関わる部門は医療だけでなく、さまざまな産業分野。それらに横串を通す。
・まず、そのような分野に人材をどう確保するかという論点。
・3点うかがいたい。
この分野の民間専門家から、今は安倍総理、菅長官の求心力が強いが、そのあとどうなってしまうか分からないという不安の声も聞いた。政治主導の名のもとに、こうした機構の人事に政治が介入することで、この分野の人材が本機構に来ることを敬遠することになるという懸念はないか。
ゲノム医療、ダビンチなどの電子治療装置など、医療分野も物性科学、情報科学、電子工学など学際的に広がっている。医療関係者以外にも幅広い人材を確保しなければならないのではないか。
民間から有為な人材が集まるためには、米国では政府の周辺にさまざまなインスティテュートがあるように、雇用の流動性を確保すべく、リボルビングドアシステムを成り立たせる社会インフラが必要ではないか。

2
[大隅参考人]
・研究者はさまざまな経験を積むため雇用が不安定であるだけに、キャリアバスがつながっていく仕組みが必要。例えば、雇用自体は機構で行い、そこから色々な機関に派遣されるという形をとることは考えられないか。

3
[末松参考人]
・研究支援者は不可欠の人材集団。労働契約法が今の5年で本当にいいのか、見直しをしてほしい。

4
[竹中参考人]
・企業のダイナミックな変化によって生じる人材流動化を人材活用にうまく活かしてほしい。

5
[山中参考人]
・①のご質問は、まさにそのとおり。政権が変わることはとても不安。フロジェクトが短期で縮小変更されると、非常に不安定になる。米国も大統領が変わるとNIHのトップや上層部も変わる。日本の場合はそれとは違うメカニズムだと思うので、今回、(新しい仕組みが)法律できちっと決まることを歓迎。

[松田まなぶ]
・人材の次は情報。内閣委員会での欧州視察に際し、デンマークのバイオバンクを訪問。ほぼ全国民の遺伝子情報が個人番号と結び付く形で管理。
・同国にはメディコンバレーがあり、個人情報が保護から利活用へと進み、さまざまな医療イノベーション。日本はこれでは後れをとつてしまう。
・個人情報の保護と活用という、一見、二律背反の課題について、日本はどうすべきか。
[大隅参考人]
・ゲノム情報のように個人情報を扱うことの重要性が増しているが、個人情報保護との間でコンフリクトが生じている。
・電子カルテ化も進めねばならない。東北地方では津波でカルテが流されてしまつた。
[末松参考人]
・メディカルIDの仕組みがないために、データベースの構築が大きな障壁に。
・特に、高齢化が進むと、一人の患者が複合的にさまざまな症状を併発。
・病気のさまざまな分類を国ごとに戦略的に行っていくことも重要な課題であり、国民全員の情報が入る必要。
[竹中参考人]
・患者から組織をいただくときに、初めから、創薬などに活用できるよう、包括的な契約ができる法整備をぜひ、お願いしたい。
[山中参考人]
・今後は、いかに個別化医療を進めるかが非常に大切。
・それぞれの患者の、病歴、ゲノム情報、幹細胞を含めたサンプルの3つを常に連携させて、しっかり維持できるということを、機構の中でも検討してほしい。
・個人ごとのゲノム情報を、本機構を中心にきちっと管理していく必要がある。
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[松田まなぶ]
・山中参考人のご発言の中に、日本の場合、研究資金は国にしかない一方で、米国では民間からの寄付、ファンドレージングが活発という話があった。日本人は必ずしも寄付をしない国民ではなく、寄付を集める工夫が足りないとも言われるが、山中参考人のご意見をうかがいたい。
[山中参考人]
・米国では、研究所のプレジデント、医学部長といったトップの最大の仕事はファンドレージングである。どれだけおカネを集めたかで評価される。
・日本の場合、そればかりやっていると、ものすごく非難を浴びるだろう。
・ファンドレージングも非常に大切な仕事。そのための専用の人材も立派な仕事である。
・寄付税制は日本と米国とでは、そんなに違わない。税制が問題だから日本では寄付が少ないということではない。
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