松田まなぶ 特定秘密保護法案をめぐって | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 11月26日、特定秘密保護法案の修正法案が衆院本会議で可決されましたが、日本維新の会の衆議院議員は、この法案採決の緊急上程がなされた瞬間に全員が、本会議場を退席しました。本修正法案は、維新の主張を大幅に入れたもので、法案の内容そのものには賛成です。しかし、拙速な採決に持ち込む与党の国会運営のやり方に反対したわけです。

 この法案には国民の多くが反対しています。私たち維新の各議員の事務所にも、連日のように、反対してほしいとのファクスが寄せられてきます。政府の原案には私たちも反対でした。多くの国民の懸念は、政府が恣意的に「特定秘密」を指定できることがもたらすものです。もちろん、ほかにも問題はありますが、やはり、この点が最大の問題です。
 維新はこの法案について政調の部会で何度も議論を重ねましたが、その際に私が主張してきたのは、第一に、「国家・国民の安全保障上の必要性から政府が特定の機密情報を秘密にしなければならない」という要請と、国民の「知る権利」との折り合いをつけるために、どの国も腐心し、両者のバランスに工夫を凝らしているはずであるということです。
 第二に、世界から情報をとるためには、世界標準並みに情報漏えいを防止する仕組みがなければならないが、そうであるなら、「知る権利」とのバランスのほうも世界標準並みの仕組みを組み込むべきであるということです。
 第三に、その答のモデルが、国民の「知る権利」に敏感な米国の国立公文書館・情報保全監察局に見出されるのであり、日本も同様に、政府の秘密情報がきちんと秘密指定基準に即して指定されているかどうかを監察する、政府から独立の第三者機関をつくるべきだということです。これがあれば、いわゆる治安維持法のような弊害が生じることに対する大きな重石になります。むしろ、これまでよりも、政府の恣意的な情報秘匿が困難になるでしょう。
 第四に、こうした修正提案をしているのは日本維新の会だけであり、その点が確保されるなら、維新は国民の「知る権利」の立場に立った仕組みを将来に向けて現実の形として残すという功績をあげたことになるということです。この点は極めて重要です。維新は国益のため、国民のために、建設的な提案をして実現させていく責任政党として、ただの野党ではないことを国民に示さねばなりません。

 衆院での議論を通じて、この点が確保される内容に修正されました。100%約束されたわけではありませんが、もし、この法案そのものに反対すれば、その後、維新は制度構築に物申す足場を失い、こうした仕組みが現実に構築されなくなる恐れがあります。世論に迎合して、国民にとっての真の利益の実現をおろそかにしてはいけないと思います。たとえメディアから「自民党の補完勢力」と揶揄されても、長い目でみればきっと、国民から評価されることになると私は考えました。
 ただ、世論は圧倒的に、拙速な決定には反対し、国会で議論を尽くすべきだとしています。理想をいえば、今臨時国会で日数が足りないなら、次期通常国会へ継続審議とするべきでした。しかし、数の力で与党には本法案を成立させる力があるのですから、与党が採決を強行すれば、野党の力で継続に持ち込むことは困難です。ならば、監察機関設立へとつながるよう、本修正法案には賛成しつつも、採決のあり方には反対するという道しか残されていません。

 以上は、私なりの整理ですが、こうした対応が決まるまで、維新の国会議員団の中では、喧々諤々の議論が行われました。
 本会議からの退席後、維新はいったん、国会は「不正常」状態にあるとして、審議をボイコットすることになりましたが、そこはさすがに、反対のための反対で目立とうとする党利党略政党ではありません。翌朝、早々に、各委員会で審議に応じるかどうかは各理事の判断によるとの指令が小沢・国対委員長から出ました。先の本会議の翌日に当たる27日は、私が理事をしている内閣委員会で公務員制度改革法案につき、野党全体で7時間、日本維新の会には2時間半の質疑時間が与えられている日です。
 この重要法案に対して維新がきちんと物申し、国民のために建設的な議論をすることが我々の使命と考え、「解禁」後すぐに、内閣委員会については出席を決めさせていただき、維新の各委員は冒頭から審議に戻りました。私はこの日、45分の質問に立って、菅官房長官と稲田大臣を相手に、官僚をめぐる本質論について議論をさせていただきましたが、その様子については次回、ご報告いたします。
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