隊友会は自衛隊OBを中心とする組織で、この日は県下の多数の会員の方々が出席され、私も一言、ご挨拶させていただきました。憲政史上60年ぶりの修正予算案を今国会に提出したのが日本維新の会でしたが、そこでは政府案のムダを各項目にわたり削減している中で、防衛予算については、政府案と同様、増額としています。維新の会は自衛隊の味方であると申し上げさせていただきました。
その後、奥山忠信先生の還暦祝いに駆け付けましたが、奥山先生は貨幣論を中心に、経済学説を緻密に研究してきた方で、埼玉大学経済学部長、上武大学学長などを歴任され、現在は埼玉学園大学の教授をされています。今回の還暦祝いでは、私から皆さまの前でご挨拶させていただきましたが、デフレ克服のためにはアベノミクスだけでは足りず、そもそも貨幣とは何かという本質までさかのぼって経済政策の在り方を抜本的に組み立てなおす必要があること、その上で、奥山先生にはなお一層、お知恵を出していただくよう期待していることなどを申し上げさせていただきました。
奥山先生とは、もう10年以上も前からお付き合いさせていただいておりますが、2006年に財務省から東京医科歯科大学の教授に出向していた頃から、同先生の関係で、私も上武大学大学院、その後は埼玉学園大学大学院で、客員教授として対アジア経済戦略の授業を担当させていただいております。
また、奥山先生は多数の中国人留学生を長年にわたって世話してきた関係もあって、中国との人脈も深く、私もその関係で、個人の立場でご一緒に中国に行って、現地の大学で講義をしたり、学者たちと議論交流をしたり、現地の市場関係者のシンポジウムでパネラーをしたりしたこともありました。これからの日本の学界に必要なのは、アカデミズムの世界に閉じこもらずに、現実を踏まえた意味ある政策論を展開できる学界へと脱皮していくことだと思います。
実は、奥山先生はそのような思いから、何年か前に「政策科学学会」設立を呼びかけ、現在はその会長もされています。私は設立以来、その副会長の一人となっております。アカデミズムの世界と、国の政策の実態を知る官僚などの政策当事者たちと、民間の経営者や実務者、エコノミスト、さらにはメディア界の方々との知恵のコラボレーションの場として、同学会は活動をしており、私も論を発表したり、同学会誌に論文を寄稿したりしてきました。
恐らく、官僚であれ政治家であれ、日々、状況対応に追われている方々も、それを理論の形で普遍化し、のちの政策立案に反映できる知的資産として体系化できる場があることは、ありがたいことではないかと思います。どの分野でも、各界を超えた協働がこれからの日本には求められていると思います。
![$松田まなぶ(松田学)のブログ](https://stat.ameba.jp/user_images/20130615/15/matsuda-manabu/e4/c5/j/t02200145_0800052912576475708.jpg?caw=800)