Q&A4166 第二子治療で相談 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 第一子:35歳の時に4回目の移植(顕微授精5日目3AA正常胚、SEET法、着床の窓+1日)にて授かりました。現在、第二子治療の為リプロ大阪にて治療再開中です。

現在39歳
●治療再開スクリーニング検査実施
●ビタミンD→引っかかった為、サプリ服用
●銅亜鉛検査→問題なし
●子宮鏡検査→問題なし
●慢性子宮内膜炎検査→陰性
●子宮収縮検査→動きありの為、ダクチル3T服用
●ERBiome検査→良い菌も悪い菌も0との結果でラクトフェリン、プロバイオティクス服用
●ERPeak検査→ズレあり+1日(第一子の治療時と同じ結果)
以上の検査を受けたあと移植(顕微授精5日目胚盤胞4AA、0PN2PB/正常胚、SEET法、着床の窓+1日)しましたが、かすりもせず陰性に終わってしまいました。

現在残っている胚は以下の2つです。
●5日目胚盤胞3BB(2PN/モザイク胚8番35%モノソミー)
●6日目胚盤胞G2(2PN/PGT-A未実施)

①別の先生から、次移植するとしたら3BBの胚盤胞1個移植か、3BBとG2の胚盤胞2個移植もありですと提案がありました。松林先生ならどちらの移植方法をお勧めされますか。2個移植の場合、多児妊娠の確率はどの程度でしょうか。
②新たに採卵をする場合、PGT-Aはした方が良いでしょうか。ちなみに34歳採卵時の正常胚率は40%でしたので、年齢のわりに正常胚が少なめだと思うのですが、今回移植して着床できなかった胚がPGT-Aによりダメージを受けた可能性もあると思うので悩んでいます。

 

A 

①2個移植での多児妊娠率は一般的に1.2〜1.3倍くらいですが、34歳採卵時の正常胚率が40%とのことですので、おそらく双子にはならないと思います。
②34歳採卵時の正常胚率が40%とのことですので、PGT-Aはした方が良いと思います。正常胚移植での出産率はおよそ50%です。したがって、正常胚を2回移植して1人出産します。この文面からは正常胚移植を何回行ったか定かではありませんが、もし正常胚移植が2回なのであれば通常の確率です(=通常のダメージ)。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。