Q&A4138 子宮筋腫核出術後で相談 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 35歳、他院にて顕微授精挑戦中


1年前に子宮筋腫核出術で腹腔鏡手術(腹部の傷は2箇所、下腹部に5cmの横切開とお臍に1cmほど)を実施済み。その後、凍結胚盤胞移植を4回(全て4AA)し、3回は着床せず、1回は妊娠6週で心拍確認後の進行流産でした。今後の治療方針や転院も視野に検討しており、下記2点質問させてください。

①現在通院しているクリニックからは、子宮筋腫核出術で子宮破裂リスクが高まっているため多胎回避が優先で、複数胚移植(初期胚移植含む)は不可と言われています。リプロでも同様の考え方でしょうか。
②胚盤胞を融解した際に、収縮から戻らないことがあり、胚が凍結に弱いかもしれないと言われています。今回、新鮮胚移植を目指しましたが採卵数が10個を超えた(ショート法)ため、全胚凍結になりました。次回以降、低刺激にして採卵数を抑え、新鮮胚移植を目指すことは意義があると考えられますか。それとも、一度妊娠した時と同様の手順(PPOS法)で採卵し、凍結胚盤胞移植を行うことが望ましいでしょうか。
 

A 

①リプロダクションクリニックでは、その方の過去の移植による妊娠状況を考慮した上で複数胚移植の可否を決めています。もちろん、産科医師から複数胚移植は禁止であるとされている場合には、1個移植にしています。
②4AAというベストな胚による凍結胚盤胞移植を毎回行っているのも関わらず妊娠率はわずか25%であり、これまで結果が出ていませんので、新鮮胚移植を目指すのはありです。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。