Q&A4038 卵子提供による移植で流産と化学流産 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2024.3.13「Q&A3965 流産2回、子宮内フローラ検査は?」にご回答いただきまして、どうもありがとうございました。


先月、2回目の卵子提供による移植をして化学流産になりました。
 

前回、7週目で稽留流産になった際、移植2日後にTNFαが8弱(基準値は4以下)になり、免疫力が攻撃をしてしまったのが原因で流産になったと先生に言われました(PGT-A正常胚)。そのため2回目の移植は、TNFαの調整のためヒュミラを移植2日前に打ち、TNFαを半分以下にするのだと思ったら前回の10倍の80になりました。数値が高くなったのはお薬が効いている証拠だから安心してくださいと言われましたが、私はこのヒュミラのせいで化学流産になったのではないか、と素人ながらにも疑ってしまいます。

日本ではこのヒュミラやシムジアというバイオ薬品は使わないかと思うのですが、自己卵子でも多少TNFαが上がるかと思います。
①リプロダクションクリニックでは、このTNFαを抑えるためにどのような対策をされますか。アスピリンでしょうか。
②正常胚で流産しかけた時に、6週目や7週目で救済できる可能性のある方法はありますか。

 

A ヒュミラ(アダリブマブ)はヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤、シムジア(セルトリズマブぺゴル)はペグヒト化抗ヒトTNFαモノクローナル抗体Fab’断片製剤です。どちらを使っても、TNFαが低下すると思います。

①リプロダクションクリニックではTNFαの検査をしていませんので、対策については考えていませんが、ヒュミラの臨床研究を行っている病院が日本にもあるようです。
②残念ながら、そのような方法は見つかっていません。

 

下記の記事を参照してください。

2020.4.14「流産の子宮内膜NK細胞:アナンダマイドとTNFα

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。