Q&A4026 採卵前のピルは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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Q 2024.5.2「Q&A4015 ピルで生理調整は?」の記事を見て質問

 

現在リプロ大阪通院中ですが、前院では(当時AMH:0.4程度)、採卵周期がお盆休み等の数日連続の休診日にかかることが容易に予測される場合、毎回10~12日くらいのプラノバールを処方され、休日期間が過ぎてから採卵周期に入るように調整されておりました。採卵後に遺残卵胞が見られた場合も、プラノバールを処方されておりました。


①服用直後の採卵周期において、プラノバールの影響で採卵数が減ってしまった可能性はありますでしょうか。
②服用直後の採卵周期において、採卵数が減ってしまった場合であっても、その次以降の周期においても服用したピルの影響はあり得るのでしょうか。
③採卵数減少の可能性以外に、不妊治療にはよろしくない可能性はあり得ますでしょうか。
④今後万一、諸事情によりどうしても生理日を移動する必要性が出てきてしまった場合、ピル服用以外に何か手段はあるのでしょうか。

 

A 2024.5.2「Q&A4015 ピルで生理調整は?」の記事では「卵巣機能が良好であれば問題ありませんが、卵巣機能が低下(AMH<1.1)した方では、採卵周期前のピル服用は採卵数の減少をきたす可能性があります。ピル(E2+P製剤)を使う場合は、必要最小限7〜10日程度に留めておくのが良いでしょう」と回答しました。

 

①可能性は否定できません。
②その次以降の周期への影響はないと思います。
③特にありません。
④月経調整せずに、遅延スタート法で対処できます(GnRHアンタゴニスト製剤を使用して、卵巣刺激開始時期を遅らせる)。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。