最近読んでよかった本を簡単に紹介します。
なお、紹介の順番は五十音順にしています。
私のブログでは月2回本の紹介をしています。
何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。
「鬼の跫音」道尾秀介
「鈴虫」「犭(ケモノ)」「よいぎつね」「箱詰めの文字」「冬の鬼」「悪意の顔」からなる、全6話のホラーミステリ短編集です。全話は独立したものですが、必ず出てくる「S」と鴉(カラス)。6人の「S」は別人だが、「S」による危険な罠、ねじれた愛、消せない過ち、哀しい嘘、暗い疑惑などが満ち満ちています。
「オーバーキル バッドカンパニーII」深町秋生
経歴不詳の美人社長「野宮綾子」が率いる人材派遣会社「NAS(ノミヤ・オールウエイズ・セキュリティ)」。社員は元警官や元自衛官などの屈強な男たちだ。フツウの人材派遣会社と違うのは、ヤクザの用心棒、国際テロリストの捕獲、裏カジノに潜入など、法律やコンプライアンスを考慮せず、金さえ積まれれば、どんな汚れ仕事も引き受けること。野宮に弱みを握られている元自衛官の社員「有道了慈」は武闘派、元警察官の「柴志郎」は頭脳派。正反対の性格の二人が繰り広げる裏社会の姿を描いた連作短編小説です。とても読みやすいです。
2023.1.6「最近読んでよかった本 156」でご紹介した、「「バッドカンパニー」の続編です。
「君にささやかな奇跡を」宇山佳佑
「サンタクロースと結婚してみないか」社長から突然言われた、デパート勤務の「阿部伊吹、あべいぶき」。出会ったのは、引きこもりのサンタクロース「明日真ニコラオス聖也」だった。由緒正しきサンタクロース家の聖也には、個性的な執事が3名いた。その名も、「戸中井、となかい」「曽利、そり」「神宮(じんぐう)ベル」。不器用サンタの聖也と伊吹は、徐々に惹かれあっていく。おとぎ話的な恋の物語。大切なものをもう一度思い出させてくれます。
宇山佳佑の代表作「桜のような僕の恋人」もお勧めです(2023.5.22「最近読んでよかった本 165」でご紹介)。
「夏のレプリカ」森博嗣
T大学大学院生の「簑沢杜萌、みのさわともえ」は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。別の場所に拉致されていた家族3人も無事だったが、実家にいたはずの兄「素生、もとき」だけが、どこかへ消えてしまった。友人の「西之園萌絵、にしのそのもえ」が真犯人を解き明かす。最後のチェスのシーンが印象的です。本書には偶数章しかありませんが、同時期に起こったマジシャン殺人事件を描いた「幻惑と死と使途」には奇数章しかないという、ちょっと風がわりな構成です。「犀川創平(さいかわそうへい)」と西之園萌絵が活躍するS&Mシリーズの第7作です。
「山手線探偵2 まわる各駅停車と消えた初恋の謎」七尾与史
山手線の車内を事務所にした山手線探偵「霧村雨(つゆむらあめ)」、小学5年生の助手「シホ」、自称作家「三木幹夫(みきみきお)」。凸凹トリオが難解な事件に挑む、下町ミステリ第2弾。今回は、偽山手線探偵が登場し、70年前の事件を明らかにする。
「山手線探偵」第一作は、2018.11.22「最近読んでよかった本 その57」でご紹介しました。