最近読んでよかった本 186 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった本を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

私のブログでは月2回本の紹介をしています。

何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。

 
 
「そして誰もいなくなる」今邑彩
名門女子校の演劇部員による、アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」の上演中に連続殺人は幕を開けた。クリスティの原作通りの順序と手段で殺される部員たち。登場する人物が怪しい人ばかりで、犯人確定かと思いきや、二転三転どころか四転五転…するので最後まで犯人がわからない。携帯電話のない時代なので多少違和感はありますが、今読んでもスリル満点で、1993年の作品とは思えない出来栄えです。とてもお勧めです。1994年にドラマ化されました。
 
 
「変な家」雨穴
知人が購入を検討している都内の中古一軒家。 開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、 間取り図に「謎の空間」が存在していた。 知り合いの設計士にその間取り図を見せると、 この家はそこかしこに「奇妙な違和感」が存在すると言う。不可解な間取りの真相は何なのか。 突如消えた「元住人」は一体何者なのか。人気YouTuberの作品で、2023年最も売れた単行本フィクション部門の第1位を獲得し、2024年3月に映画化されました。
 
 
「御手洗潔のダンス」島田荘司
名探偵「御手洗潔」が奇想天外の発想で躍動する短編集で、御手洗の生態が色濃く描写されています。「山高帽のイカロス」は、人間は空を飛べると日頃言っていた男が、飛空に失敗したかのような体制で死んでいた奇々怪界な事件。「ある騎士の物語」は、健気な仲間とその殺害トリックに脱帽。「舞踏病」の謎解きは特に秀逸です。御手洗はひどく変人で、やることはなんとも風変わりだが、根底に常に優しさがあるのが、愛されるところでしょう。
 
 
「誉れあれ」東直己
組織犯罪に手を染める悪の巣窟「札幌中央署」vs. 警察の良心「札幌南支署」の戦いの物語。戦いに巻き込まれて九死に一生を得た札幌南支署南七条交番勤務の「梅津康晴」を中心に、蔑まれてきた刑事たちの執念の捜査が始まった。北海道のみならず全国を巻き込んだハードボイルド本格警察小説のシリーズ第1作です。
 
 
「ルパンの絆」横関大
泥棒一家の「三雲家」と警察一家の「桜庭家」に同時に降り掛かった2つの災難は、「三雲華」の娘の「杏」の誘拐と、夫「和馬」の殺人疑惑。二つの事件は交錯しながら、警視庁の不祥事も絡んで、驚きの結末を迎える。三雲家と桜庭家が勢揃いする本作は、「ルパンの娘」シリーズ最高傑作ではないかと思います。
 
「ルパンの娘」シリーズは下記です。
1「ルパンの娘」2019.5.6「最近読んでよかった本 その68」でご紹介
2「ルパンの帰還」2019.8.22「最近読んでよかった本 その75」でご紹介
3「ホームズの娘」2019.11.22「最近読んでよかった本 その81」でご紹介
4「ルパンの星」2021.2.6「最近読んでよかった本 その110」でご紹介
5「ルパンの絆」今回ご紹介