Q&A3960 反復流産について | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 30歳、流産2回

 

一度目は絨毛染色体検査せず、二度目は絨毛染色体検査(NGS法)を行い染色体異常なし。結果から不育症が疑われ、必要な検査全て行いましたが全て異常なしという結果でした。このようなことはよくあるのでしょうか。たまたま流産となってしまったということで、服薬などは必要ないですか。異常がなくても、予防的にバイアスピリンを服用することで効果があったりするでしょうか。二度の流産はどちらも心拍確認1回目の後(7~8週)で起こっており、どちらも初めから成長がかなり遅かったです。

現在体外受精をしており、夫の精液所見は問題なく、私側には多嚢胞がありますが胚盤胞の凍結胚が10個ほど、どれもグレードは良いです。なぜ流産してしまうのかわからず悩んでいます。

 

A 絨毛染色体検査で異常なく、(現在の)不育症検査でも異常がないことは、時々あります。しかし、偶発的な流産なのか、原因不明不育症なのかを区別することはできません。なお、不育症検査で異常がない場合のバイアスピリン服用の効果はありません。胎児発育が初めから成長がかなり遅かった場合には、何かしら免疫系の関与を推測しますが、定まった治療は(現在のところ)ありません。リプロダクションクリニックでは、原因不明不育症に対して、ピシバニール、プレドニン、免疫グロブリンなどを用いていますが、2回流産の場合の無治療での次回の出産率は80%というデータもありますので、もう一度チャレンジしてみる選択肢もあります。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。