Q&A3929 嬉しい報告と第二子に向けた相談 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q リプロで治療をして、2022年11月に無事に出産しました。転院、転院で、最後の望みをかけてリプロへ転院し、初診でAMHが0.03という数値が出た時には、悲しみと焦りがありましたが、松林先生の丁寧な診察やお言葉、ブログ、そして、他の先生方にも色々なアドバイスや言葉をかけていただき、その言葉を信じ、移植や判定日には、平常心、ニュートラルな気持ちでいるために、普段読まない小説を一冊バックに入れて、内心は小説どころではないけど、少しリラックスした状態で治療を受ける事が出来たと思います。そして約1年で人生で初めて陽性が出て、無事に出産する事が出来ました。本当に転院し、信じて良かったです。ありがとうございました。


無事に普通分娩で、出産したのですが、胎盤がなかなか出てくれず、胎盤は癒着はしてなかったんですが、手を入れて剥がす処置になってしまい、出産より時間がかかり、出血も止まらず、7800mL出血しました。産後体調が、なかなか回復せず、時間がかかりましたが、一年経った今、体調も戻り、リプロで初期胚(3日目8G1)を一つ保管してもらっているのであるので、それを戻したい気持ちになっているのですが出産の怖さもまだあり不安があります。
 

そこで、お尋ねしたいのですが、今回第一子の時は、普通分娩だったのですが、胎盤の件を考えたら、帝王切開の方が良いのでしょうか。もし妊娠出来た場合、今回のようにならないために、何か他に妊娠中にしておいた方が良い検査や治療はあるのでしようか。あと第一子の時は、胚盤胞だったため、SEET法とエンブリオグルーを使い、着床の窓も+1.0でピシバニールの注射をして移植したのですが、今回は初期胚なので、どのような方法で移植したらよいでしょうか。産後、授乳はしておりませんが生理が一度しか来ていません。生理開始を待った方がよいのでしようか。

 

A 妊娠、出産はそれぞれ独立したものですので、次回も同じ経過になるとは限りません。通常は第1子よりも第2子、第2子よりも第3子とお産が軽くなっていきますので、なるべくマイナスイメージを持たずに妊娠生活を送って欲しいと思います。帝王切開が良いとか、何かしておいた方が良いことはありません。次回の移植前には、(出産後に変化する可能性がある)慢性子宮内膜炎検査(BCE)と着床の窓(ERPeak)を検査しておくことをお勧めします。初期胚移植のオプションは、G-CSF、エンブリオグルー、ピシバニールが良いでしょう。また、月経不順の方は、月経を起こす薬を使った方が良いです。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。