Q&A3881 続発性不育症です | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 第一子(男児、顕微受精による妊娠)出産後3回連続流産しています。
 

3回とも凍結した胚盤胞を移植しており、移植後の発育はすべて良好でしたが絨毛膜下血腫がありました。採卵年齢は①、②は30歳、③は33歳です。

①突然の鮮血→受診9w1d→心拍あり→翌日進行流産9w2d
②少量の出血→出血量が増えたため受診→心拍あり→6時間後進行流産→9w3d  
③ 少量の出血→出血量が増えたため受診→心拍あり→6時間後進行流産→10w4d 

すべて似たようなパターンで同じような時期に流産しています。胎児の染色体検査はすべて進行流産のためできていません。②の流産後に不育症検査(血液検査、夫婦染色体検査)をし、プロテインS活性が20%でしたが主治医からは1項目引っかかったくらいでは問題ないと言われたので無治療で妊娠後に再び流産しました。夫婦染色体検査は異常なしでした。30〜33歳で9w以降に3連続流産するのは単なる偶然だとはとても思えません。次回の妊娠がとても不安です。松林先生のご意見をお聞きしたいです。

なお、第一子の時も同じく9wに鮮血はでましたが無事成長しました。12wの出生前診断時にPIGF(胎盤増殖因子)低値で高血圧リスクがあると言われたため、アスピリンを飲んでいたのが良かったのかもしれません。 

 

A 

続発性不育症は男児出産後に生じることが多いとされていますので、何かしらの免疫反応と想定されます。しかし、免疫系の治療は全く確立されていません。

 

プロテインS活性20%は、かなり低い数値ですので、ヘパリン+アスピリンの治療が必要になるでしょう。しかし、出血性流産を繰り返す場合に、ヘパリン+アスピリンが使いにくいのも事実であり、アスピリンをやめてヘパリン単独にすることがしばしばあります。

 

いずれにしても、不育症専門医(認定医)のもとで、検査および治療を行うのが得策です。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。