Q&A3749 EMMA/ALICE検査するか迷っています | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 昨年CD138でひっかかり、治療→再検査→再度ひっかかったので再治療をし、今年の4月に子宮鏡検査をしたところ、慢性子宮内膜炎の所見が見つかって治療→CD138再検査しました。その後の移植で陰性(これで3回目の移植で、1回目は初期胚1つ、2回目は5日目胚盤胞を2つ、3回目は6日目胚盤胞を2つ、と合計5つの胚を移植していますが、かすりもしません)だったため、ERA検査を勧められました。

ERAを受けるなら、EMMA/ALICE(未検査です)も一緒に受けたら?と主治医に提案されましたが、私の中で、CD138や子宮鏡の検査が終わって治療しているなら不要なのでは?と思っております。違いなどは調べましたが、具体的な治療法とかは同じなのでは?と思ったり、今後は毎回移植前にラクトフローラフォルテを使えばよいのでは?と思ったりしております。

①EMMA/ALICE検査を受けるべきとお考えですか。
②その理由(CD138や子宮鏡とは治療法が異なるなど)も教えてください。
③CD138や子宮鏡で見たかった慢性子宮内膜炎を治療し終えても、再検査をすべきでしょうか。最短どのくらいの期間で再発する可能性があるのでしょうか。
④他に受けるべき検査はありますか。

 

A 

①②誤解されている方が少なくないのですが、慢性子宮内膜炎の確定診断はCD138細胞検査だけです。子宮鏡検査は慢性子宮内膜炎の疑いの有無をみる検査であり、ALICE検査は慢性子宮内膜炎を起こすかもしれない細菌検査です。従って、子宮鏡陰性、ALICE陰性でもCD138細胞陽性の方がおられます。また、子宮フローラ検査(EMMA、Varinos、ERBiomeなど)は子宮内の善玉菌であるラクトバチルスを調べる検査です。従って、EMMA/ALICE検査を実施する意味はあると思います。
③最後のCD138検査が陰性でしたら、通常1年間は再検査しなくても良いです。ただし、出産や流産後にCD138が陽性になることがあるため、そのような場合には再検査をお勧めします。また、最短で4ヶ月で再発された方がおられます。
④着床障害のオプション検査でここに記載していないものとしては、子宮収縮検査、銅亜鉛、25OHビタミンD、甲状腺、HOMA-R、不育セット採血があります。また、着床の窓は、ERA検査ではなく、できればERPeak検査で行ってください。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。