Q&A3720 45歳、第二子治療で胚選択は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 45歳、AMH 1.8、リプロダクションクリニック東京通院中

第一子はタイミングで妊娠し、2016年に出産しております。
第二子治療に苦戦しており、現在22回目の採卵周期中で、8月初旬に移植予定です。
〈A院〉ホルモン補充周期
1)6G4→陰性
2)4G3(0PN由来)→陰性
3)シート法+4AB→陰性
4)2段階移植(7G3+4AB)→HCG 4.36
5)初期胚2個移植(7G3+6G3)→HCG 2.79
〈B院〉
6)ドミノ移植(凍結4BB→6BB)→陽性判定→9週稽留流産
〈リプロ東京〉
7)新鮮胚移植(9G3+8G3)中間診察でP1.05の為、ウトロゲスタン追加→陰性
8)自然周期(人工受精+G-CSF+2段階移植7G3+8G4+4AA→5AA)→HCG 8.3

前回化学流産時「年齢的にも染色体異常ではないか」と言われたのですが、きれいなAA胚だったのでショックでした。先日、松林先生とお話をし「自然周期でERPeak検査をやって、その結果を元に移植する胚とタイミングを決めよう」ということでした。なかなか先生の診察が受けられず、こちらで相談させていただきたいと思います。

現在の凍結胚は下記の通り、全てIMSIにて顕微授精
【Day3】7G3、7G3(45歳)、今周期1つ凍結予定
【Day5】3BB・4分割からリバースあり(44歳)
【Day6】3BB・凍結前かなり大きく収縮あり(45歳)

現在採卵周期中ですが、おそらく初期胚1個の凍結になるかと思われます。ERPeak、慢性子宮内膜炎、不育症の検査は終わっております。ERPeakの結果は、着床の窓がズレており(post receptive-1.0)、受容期後であり1日早く移植を行うことになりました。ドミノ移植周期で5日目に6BBを移植し心拍確認まで出来ていたので、24時間もずらしてしまっていいものか、不安です。他の検査は問題なしでした。


①今後の移植はオプションを含めどのような方法がいいでしょうか。
②人工受精ではなく、精液暴露を行う場合、タイミングとしてはいつがいいでしょうか。
③移植する胚の組合わせ、移植タイミングを見ていただきたいです。今ある胚を1~2回に分けての移植かな?と思っています。

 

A ドミノ移植周期で5日目6BB移植で妊娠されていますが、採卵周期の移植(新鮮胚移植、ドミノ移植)では、early Pのため着床の窓が後にズレている状態です。つまり、知らず知らずのうちに+0.5〜+1.0程度で移植していたことになります。今回のERPeakの結果では逆に-1.0でしたので、流産後に着床の窓が反対側にズレたものと考えます。着床の窓は、出産や流産後に変わる方だけでなく、年月が経って変わってしまう方もおられます。着床の窓が毎年変化してしまう方もおられますので、直近の検査が最も信用できる結果とお考えください。したがって、迷わず-1.0で移植するのが良いです。

 

①ドミノ移植周期で妊娠した時に行っていたオプションを実施するのが最善策です、もしオプション何もしていなかったのであれば何もしないのが良いです。
②精液暴露の最適な時期は明らかにされていませんので、私は、移植数日前から移植前日までに少なくとも1回性交するように指導しています。なお、人工授精では精液暴露にはなりませんので、ご注意ください(精液を除去して精子を子宮内に注入しています)。
③移植する胚の組合わせは、幅広く着床の窓をカバーするために、ステージの異なる胚を選択するのが良いです。私なら、下記のように組み合わせて、2段階移植をします。

1)7G3+今周期の初期胚+3BB(44歳)

2)7G3+3BB(45歳)

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。