Q 一昨年リプロ東京にて第1子を妊娠し、無事出産いたしました。その節は松林先生にも大変お世話になり、ありがとうございました。現在は第2子治療中で、間もなく移植に入るため時間が少なく大変恐縮なのですが、方針についてご相談があります。
現在: 妻40歳、夫38歳
【治療歴】
2018年10月 36歳にて通院開始 タイミング法を試みるも陰性
2019年5月 リプロ東京へ転院〜2020年9月 人工授精8回→全て陰性
2019年10月 採卵 初期胚×1個(3日目 8G2)、胚盤胞×13個凍結
11月 子宮内膜ポリープ切除
12月 移植①ホルモン補充周期 5日目4BA(SEET、AHA)→BT11: hCG 37.3 化学流産
2020年1月 移植②ホルモン補充周期 5日目4AA(SEET、AHA)→BT11: hCG<0.5 陰性
3月 BCE検査:陽性→ ビブラマイシン×14日間服用
4月 BCE再検査:陰性、子宮収縮検査: 中等度の上下収縮ありダクチル6錠との方針
7月 夫(36歳)精策動脈瘤 手術
9月 移植③ホルモン補充周期 6日目4AA(SEET、AHA)→BT11: hCG 5.2 判定保留→BT13: hCG 0.8 陰性
12月 ERPeak検査: 着床の窓のズレなし(receptive)
2021年1月 移植④自然周期移植 5日目4AB+5日目4CC(G-GSF、エンブリオグルー、AHA)人工授精+タイミングも併用→BT11: hCG 839.7 陽性→妊娠40週 前駆陣痛中、胎児の徐脈により緊急帝王切開にて女児出産
2022年11月 右の卵巣に嚢腫(デルモイド 46mm)が見つかる→MRI撮影のため断乳
2023年2月〜 リプロ東京にて治療再開
BCE検査:陽性→ ビブラマイシン×14日間服用
3月BCE再検査:陰性
4月中旬〜末頃 移植予定←現在ここです
現在の凍結胚8個
3日目8G2 (ICSI)
5日目3BA(IVF)、3AA(ICSI/0PN)、3AB(ICSI)、3AC (ICSI)、G2 (ICSI)
6日目3CC (ICSI)、4CC (ICSI)
次の生理が来たら移植開始のため、あと2週間ほどで方針を決めなければならないのですが、松林先生でしたら
①「どの胚」を「何個」移植することをお勧めされますか(男児希望です)。
②人工授精はつけた方が良いでしょうか。いつも松林先生のブログを拝読しておりますが、先生のご意向は【前回妊娠した方法=必勝法】ということですので、移植は迷わず「自然周期」にて行なうつもりです。ただ、妊娠時の移植と全く同じく「タイミング+人工授精+2個移植」にすると、帝王切開の既往があるため、多胎となった場合には子宮破裂のリスクが高まるとリプロの医師より言われました。これまでリプロにて複数の医師に相談しましたが、多胎を避けるため1個移植を勧める医師と、採卵時(37歳)の年齢であれば、妊娠時のように良好胚+あまり良くない胚の2個移植であれば大丈夫との見解の医師もおり、どのようにしたら良いか悩んでいます。
A
①②良好胚盤胞1個移植では上手くいっていませんので、2個移植が必要だと思います。理想的には、前回と同様に「自然周期+タイミング+人工授精+2個移植」が良いですが、多胎妊娠を避けたい気持ちも納得できます。しかし、若い時に多数のタイミングや人工授精で一度も妊娠していませんので、第1子妊娠の時にタイミング+人工授精でできた受精卵が妊娠につながったとは考えにくいでしょう。良好胚+あまり良くない胚の2個移植をお勧めします。私なら、5日目3BA(IVF)+6日目3CC (ICSI)を選択します。
さて、ここに男児希望の条件が加わると話が難しくなります。発育が速い胚が男児になる可能性が少し高く、発育が遅い胚が女児になる可能性が少し高くなるのですが、発育が遅い胚は良くない胚であることが少なくありません。したがって、5日目3BA(IVF)が着床して、6日目3CC (ICSI)が着床しないイメージで行くことになりますが、第1子が5日目4AB+5日目4CCで女児だったので、グレードの良い4ABが着床したとすると、発育が速い遅いで分けることが意味を持たなくなります。
なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。