Q&A3630 初期胚の融解PGTは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2021.6.9「Q&A2955 第2子に向けて質問」、2021.10.19「Q&A3087 第2子に向けて質問 その2」、2022.8.12「Q&A3386 変則的二段階移植に当たって」)、2022.11.8「Q&A3474 変則的2段階移植 その2」、2023.4.11「Q&A3628 変則版2段階移植で双子!?」、たくさんの質問に答えていただきありがとうございます。現在、貴院で双子を妊娠中です。

40歳3〜4ヶ月で2回連続採卵を行いました。
1度目採卵:8G3×2、4AC、4CC
2度目採卵:3AA、3BA、4AB、4CC

 

移植1:SEET+3AA→陰性

 慢性子宮内膜炎陽性が判明し治療

移植2:SEET+3BA(移植時5BA)→出産
移植3:変則2段階移植3日目4CC+5日目4AC→妊娠するも9週で稽留流産(21トリソミー)

移植4:変則2段階移植3日目4CC+5日目4AB→現在妊娠中

2度目採卵のものは3AAを除き全て着床。1人出産。現在双子妊娠中(3AAは慢性子宮内膜炎のため着床しなかったものと思われます)。

初回採卵前の採血でDHEASが187、25OHビタミンDが15.6でDHEAとビタミンDを飲み始めました。その頃、まだ不妊治療に関する知識が乏しく、採卵は少しでも若い方が良いと焦ってしまい、初回採卵はこれらのサプリを飲み始めて11日での採卵になりました(2回目採卵は飲み始めて38日でした)。初回採卵のふたつの胚盤胞より2回目採卵のものの方が融解後の戻りが良かった気がしています。気になっているのは残りの初期胚ふたつのことです。

①4ACが21トリソミーという結果でしたが、同時採卵の初期胚の異常胚率も高いということはあるでしょうか。それとも、それぞれの胚の異常胚率は独立したものなのでしょうか。
②DHEAとビタミンDを飲み始めて11日だと卵子の質改善にはまだ反映されていないでしょうか。
③初期胚をPGT-Aに出そうとする場合、胚盤胞に育ててから凍結→融解→PGT-Aなのか(2回融解2回再凍結)または胚盤胞に育てて凍結せずそのままPGT-A後に再凍結なのか(1回融解1回再凍結)どちらになるのでしょうか。また融解、再凍結回数が増えると受精卵に負担(マイナスの影響)は出ますか。

 

A 

①それぞれの胚は独立したものなので、正常率も異常率も変わりません。
②卵子の質の改善が少し始まったところだと思います、。
③なるべく凍結融解操作を少なくしたい(ダメージを少なくしたい)ので、凍結初期胚→融解→胚盤胞培養→PGT-A→再凍結(1回融解1回再凍結)の一択です。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。