Q&A3474 変則的2段階移植 その2 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 42歳、産後1年

 

リプロで第一子をSEET法で妊娠、41歳で逆子により予定帝王切開で出産しました。慢性子宮内膜炎治療後最初の移植(3BA)でした。第二子治療について、これまでも何度も質問させて頂いております。そちらのご回答も毎回ありがとうございます(2021.6.9「Q&A2955 第2子に向けて質問」、2021.10.19「Q&A3087 第2子に向けて質問 その2」、2022.8.12「Q&A3386 変則的二段階移植に当たって」)


帝王切開だったため、双子になることを避けたく(SEET液はもうありませんので)、第二子治療での最初の移植はご提案いただいた変則的2段階移植にしました(3日目に4CC→5日目に4AC)。結果、見事に妊娠できましたが、残念ながら9週で稽留流産となりました(異常胚だったかどうかは検査結果待ちです)。

残りの凍結胚は8G3×2、4CC、4ABの4つになります。全て40歳時の採卵です。移植順としては4ABが先だと思いますが、4ACが唯一のふりかけだったため思い入れがあり、お願いして4ACを先に移植させてもらいました。

①次の移植は4CCと4ABでの移植を考えていますが、SEET法、変則的2段階移植で妊娠していることを考慮すると次回も変則的2段階移植がいいでしょうか。今回の結果を受け、40歳時の異常胚率を考えると2個同時移植も有りかもと思ってしまいます。松林先生ならどちらを勧められますか。
②①の移植が陰性だった場合、8G3が2つ残ります。第二子治療の始めのころ、運良く松林先生の診察に当たったときにお聞きしたところ「初期胚の変則的2段階移植は難しいんだよね、するなら2日目と3日目に移植…とか。(双子をどうしても避けたいなら←私が強くそう希望したので)ひとつずつ移植でもいいかもね」と仰っていたのは、おそらくシグナルを出してくれる胚の移植日の時期が難しいということなのだろうと素人なりに理解したのですが、①の質問でも言った通り、40歳の初期胚ふたつでは双子になる率は低いのかなと実感し、それならばひとつずつ移植するよりも初期胚2個移植も有りかと思いました。現状況で先生なら初期胚に関してはどういうご提案をされますか。
③①②の移植方法以外に原点に立ち戻って「8G3+4AB」→「8G3+4CC」の2段階移植、というのも考え直してみるというのも有りなのでしょうか。素人ながらに8G3+4ABだと①②の移植より双子の可能性が増えてしまう気がしてしまいます。(可能性が低いとはいえ、やはり双子は避けたいです。)そして8G3+4CCはグレードが低過ぎて妊娠すらしなさそう…と思ってしまいます。
先生なら①→②の順での移植か③の順での移植のどちら(それかそれ以外の移植順)をお勧めされるでしょうか。

 

A 

①②2021.10.19「Q&A3087 第2子に向けて質問 その2」で記載したように、4CC(day 3)+4AB(day 5)→8G3(day 3)+8G3(day 5)の順番とします。初期胚2個同時移植:8G3+8G3(day 3)は双子のリスクがあるため、あまりお勧めしません。
③8G3+4ABも8G3+4CCも、どちらも双子のリスクがありますので、全くお勧めしません。

 

なお、このQ&Aは、約4週間前の質問にお答えしております。