Q&A3532 着床の窓のズレがある場合の移植日について | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q リプロ通院中、着床の窓のズレがある場合の移植日についてご教示ください。

ERPeakの検査で−1日のズレが発覚し、ズレ発覚後最初の移植(4AA)で着床しました(心拍確認できず流産)。その後、残った胚盤胞を2個(4AB、3BB)移植しましたが着床に至らず、初期胚の2つ移植を行いました。

今回移植したのは6G2(凍結時は7G2でしたが、融解後1細胞が変性)と4G2です。3日目に凍結した胚を2日目に移植したのですが、単純に考えると、胚盤胞を移植する場合の4日目では、まだ胚盤胞まで成長していないのではないかと、胚盤胞まで成長した時には、窓は閉じているのではないかと不安になってきました。皆様が書かれているブログを見ると前日融解されている方もいらっしゃるようですが、初期胚移植&窓ズレマイナス1日の場合、自動的に前日融解されてるのでしょうか。移植前の培養士さんからの説明では当日朝と説明1時間前の写真を見せていただいたのですが、当日朝の写真があるということは前日融解なのでしょうか。移植日を決定する際、−1日の認識はあったのですが、融解日について意識が及んでおらず、この場を借りてご質問させていただきました。

 

A 着床の窓の検査会社の書類には、−1日(postreceptive)の場合、何日目の胚盤胞でも4日目に移植し、3日目初期胚は2日目に移植すると記載されています。したがって、質問者さんの場合、3日目に凍結した胚を2日目に移植しています(融解も2日目朝です)。子宮の中で初期胚がどのようなスピードで胚盤胞になり着床するかはわかりませんので、順調に発育した場合を想定しています。また、着床の窓が−1日とあっても4日目に着床するのではなく、その2日後(6日目)に着床すると考えられていますので、胚盤胞移植でさえ移植日に着床するのではありません。なお、前日融解するのは、リプロでは5日目胚盤胞のG1とG2のみです(5日目胚盤胞のG1とG2は6日目になるとG6になっていることがあり、凍結に弱いため、早めに凍結した分前日融解で対処しています)。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。