Q&A3347 採卵前後の体調不良は普通なのでしょうか | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 採卵前後の体調不良は普通なのでしょうか。皆さん、こんなにも辛い思いをして乗り越えてるのでしょうか。地方近郊に住んでおり、なんとかリプロには通院圏内ですが、そんなに易々と受診できず、体調不良で困ることが多々あります。地元の病院に受診しても急性期症状で救急外来にまわされ、不妊治療中と言うと困り顔されます。

 

39歳、AMH 1.4、チョコレート嚢腫、橋本病、シェーグレン症候群、セントロメア抗体陽性
黄体フィードバック法+クロミッド+フェリング300単位+プレドニン15mg、顕微授精+polscope
採卵日直近になると、いつも、動悸、吐気、倦怠感、腹部膨満感、便秘で下剤飲んで腹痛で悪循環。採卵後はカバサールとOHSS気味で、お腹が辛く、また吐気に襲われる感じで、辛くなります。

おそらく、プレドニンによる動悸と倦怠感。プレドニンパルス療法する方はもっと大量に使用するので、15mg程度なら医学的には大したことない量みたいですが、結構、動悸や不眠でしんどいです。ホルモン値も上がるので、怠くて、吐気、腹部膨満感と便秘になるのかと察しがつきますが。リプロ診察の時に言っても、「そんな辛い?」「強い薬、使ってないよ」と流される感じで、対策はありません。松林先生なら、対策案ありますか(受診の時に、こんな流れなので、同席してる夫にも、大したことないんだと思われ、体調不良で寝てる私の辛さが理解ないのも悩みのひとつです)。

採卵日にもリカバリールームで皆さん腹痛なく、サクサク帰宅されてるけど、私はいつも座薬、点滴、内服の痛み止めフルコース使って1時間以上休んでようやく動けるようになって、リカバリールームを出るのは最後の方です。なんだか辛い思いをしてるのが私だけの様に思えてきてしまいます。対策でもあるのでしょうか。

体調不良時は、家で寝てればいいものなのか、受診すべきなのか判断つかない時もありました。リプロまで行けず、近医に受診してもプリンペランの内服処方出してもらうしか対応ありませんでした。不妊治療は特殊なのか良くわからない対応されて、受診すべき病院すら分からなくなりました。リプロと連携してくれる病院とかあるのでしょうか。

このように採卵周期に体調不良で寝てるというのは、みなさん普通なのでしょうか。こんな寝込む状態では仕事との両立がむずかしく、悩んでます。働いてお金の資本金がないと自費診療のリプロには通えないですし。負のスパイラルで泣けてきます。子供が欲しいという願いは、こんなにも辛い思いをしながら、授かるのを頑張らなくてはいけないのでしょうか。前向きなエールください。

 

A 生理痛にも個人差があるように、採卵前後の体調不良も個人差がかなり大きいようです。私だけに特別な方法があるわけではありませんので、ありきたりですが痛みには鎮痛剤、吐気にはプリンペラン、便秘には下剤を使うしか対策はありません(日本全国使える薬は変わりません)。私の経験では、採卵前後にどうしようもないくらい体調不良になる方は年に数名おられます。

 

一つだけアドバイスするとしたら、採卵後にカバサールを使っているので、AMH値によらず卵子が沢山取れているものと推察します。採卵時の穿刺回数を減らすためと、OHSS気味にしないために、自然周期あるいは低刺激周期採卵を一度試してみるても良いと思います。なお、セントロメア抗体陽性のため、プレドニンは使っておいた方が良いでしょう。

 

なお、このQ&Aは、約4週間前の質問にお答えしております。