本論文は、PICSIの有用性に関する報告です。
Hum Reprod 2022: 37; 1106(英国)doi: 10.1093/humrep/deac058
要約:2014〜2017年に採卵を実施した2752周期を対象に、通常の顕微授精(ICSI)とヒアルロン酸結精子選別顕微授精(PICSI)を実施し、後日凍結した精子のDNA損傷を分析しました。出産率に有意に寄与する因子は、PICSI(オッズ比2.17)、女性年齢(オッズ比0.30)、アクリジンオレンジ染色(オッズ比0.79)、男性年齢(オッズ比0.46)、精子染色体分散(オッズ比1.04)でした。特にPICSIは、男女の年齢によるマイナスポイントを有意に是正しました。
解説:本論文は、ヒアルロン酸結精子選別法(PICSI)の有用性に関する報告です。高齢の夫婦において、男女とも有意な妊娠成績の改善を認めています。PICSIは比較的簡便に実施できますので、ぜひ取り入れて欲しいと思います。
下記の記事を参照してください。
2013.7.6「Q&A 10 ☆精子がよくない時」