Q&A3315 女の子が欲しい気持ちが捨てきれません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 先生のブログで知ったリプロを受診してから3年が経ちました。幸運にもこの間に2人の男の子を授かる事ができ、そこに辿り着くまでの5年間が報われました。ありがとうございました。

今回は気持ちの切り替えについて質問させてください。
先日、凍結胚の期限が来たため更新をしない決断をしました。40代で2人も授かる事ができて幸せなはずなのに、女の子が欲しいという思いを捨てきれずにいます。子育てをする中で、心身両面で3人目は現実的ではないと決断した事ですが公園や出先で女の子を連れた家族を見ると心がざわつきます。そしてそう思うたびに子供たちに申し訳ない気持ちになります。治療がうまくいかなかった時は別の方法で、これを試してみようと道標があり乗り越えて来られましたが、今はこの気持ちに折り合いがつけられません。どうしたら平静でいられますか。先生は気持ちの切り替えをどのようにしていますか。

 

A 同じような思いをされている方は少なくないと思います。しかし、多くの方は、それを言葉にするのではなく胸の奥にしまっておられるのだと思います。お子さんが授からない方と比べたら申し訳ない気持ちになったり、金銭面でバックアップしてきた夫(あるいはご両親)に対して申し訳なく思ったり、ご自身のお子さんに対しても申し訳なく思ったりしているはずです。女の子(あるいは男の子)が欲しいという気持ちにどうやって折り合いをつけるか、この問いに正解はありません。

 

一般的に、ストレスへの対処法(ストレスコーピング)には次の6種類あります。

積極行動型=積極的に問題解決

積極認知型=積極的・前向きに考え情報収集

気晴らし型=買い物、無茶食い、カラオケ

あきらめ型=『もうだめだ』

回避型=問題を避ける

否認型=認めまいとする

 

人間は、この6つを使い分けながら、日々のストレスに対処しています。その種類の幅が広ければ広いほど、ストレスが溜まりにくくなります。今回の件を当てはめると下記のようになります。

①積極行動型=女の子を授かるまで頑張る

②積極認知型=同じ境遇の方のブログやツイッターを検索しまくる

③気晴らし型=買い物、無茶食い、スポーツなど他のことで発散する

④あきらめ型=素直に諦める

⑤回避型=考えないようにする

⑥否認型=今回は当てはまらない

私なら、二人のお子さんを授かった時の喜びの記憶を繰り返し再生して、今ある家族の幸福を噛み締めることで対処すると思います(⑤)。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。