最近読んでよかった本 142 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった本を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

私のブログでは月2回本の紹介をしています。

何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。

 

 

「オレオレの巣窟」志賀晃

オレオレ詐欺の首謀者「平田伸浩」、アパレル会社勤務「東島真奈美」、イケメン結婚詐欺師「竹崎拓哉」、不細工に悩まされる出逢い系のサクラ「檜原貴美子」。真奈美は奨学金の返済による生活苦のため夜の仕事をするようになり、そこで平田と出会う。2人は惹かれ合い、平田は堅気の世界へ戻ろうとする。平田はこれまでに稼いだ3億円のマネーロンダリングのために、マカオのカジノへ向かう。そこで待ち受けていたのは、、、裏社会の闇、詐欺師達の騙し合い。さて、平田の運命は如何に。

 

 

「ざんねんなスパイ」一條次郎

伊坂幸太郎もビックリの不思議な世界観を持つ一條次郎。主人公は、ニホーン政府当局で長年清掃員を務め、73歳にしてスパイとしての初仕事に抜擢された、コードネーム「ルーキー」。市長「ミッキー・チャン」を暗殺しにこの街へやってきたのだが、その市長と友だちになってしまう。「イエス・キリスト」を名乗る突然の来訪者、泥棒稼業を営む隣家の「マダム・ステルス」、取材記者「ミス・モジュール」、ショッピングモール社長「ワリダカ」、警察署長「ドブス」、組織との連絡役「チェロキー」、巨大化したリス「キョリス」など登場人物も多種多様。本来なら目立たないようにしていなければいけないのに、いろいろ騒動がおきてしまい、どうしても目立ってしまうルーキーは、コードネームもミッションも白日の元にあからさまになってしまう。その結末は如何に!ユーモア、アイロニー、奇想天外、意味不明、不思議感満載の本書をご堪能ください。

 

 

「人面瘡探偵」中山七里

相続鑑定士の「三津木六兵」の右肩には、人面瘡が寄生している。六兵は頭脳明晰な彼を「ジンさん」と名付け、何でも相談して生きてきた。信州随一の山林王である本城家の当主「本城蔵之助」が亡くなり、六兵は相続のため現地に派遣される。遺産をめぐって一族に骨肉の争いが起きる中、長男の「武一郎」、次男の「孝次」、三男の「悦三」、長女の「沙夜子」、家政婦の「久瑠実」、料理人の「沢崎」、顧問弁護士の「柊」がそれぞれの思惑で動き出す。さまざまな感情が渦巻く本城家で起きる連続殺人事件の真相は如何に。六兵は、毒舌なジンさんに叱責されながら二人三脚で事件を追っていく。切れ者の人面瘡とボンクラな相続鑑定士のコンビが限界集落で怪事件に挑む。横溝正史モード全開の本書、お勧めです。

 

 

「ムゲンのi(アイ)」知念実希人

夜、普通に眠っていただけの者が朝になってもそのまま目覚めず昏睡に陥る謎の病気「特発性嗜眠症候群」通称イレス。世界でも僅かな症例しかない病気が西東京で同日に4名発症した。全員が入院している神研病院でうち3名を担当している「識名愛衣(しきなあい)」。霊能力者である祖母の助言により、患者を目醒めさせるには、魂の救済「マブイグミ」をするしか方法はないと知る。愛衣は祖母から受け継いだ力を使って患者の夢の世界に飛び込み、自身のアバターのような魂の分身で、うさぎと猫のキメラ「ククル」と共に患者の心の深奥に迫る。ファンタジーミステリーの中に、猟奇的連続殺人、少年X、愛衣のトラウマが混在し、最後にすべてが明らかになる。

 

 

「嗤う名医」久坂部羊

大阪大学医学部卒業の現役医師が描く背筋が凍るブラックな6編:「寝たきりの殺意」「シリコン」「至高の名医」「愛ドクロ」「名医の微笑」「嘘はキライ」。医師の世界が垣間見れます。