自然妊娠を目指す場合のポイントについて、米国生殖医学会(ASRM)の公式見解をご紹介します(2013.10.29「☆自然妊娠を目指す場合のポイント:米国生殖医学会公式見解」の続報です)。
Fertil Steril 2022; 117: 53(ASRM)doi: 10.1016/j.fertnstert.2021.10.007
要約:自然妊娠を目指す場合のポイント
1 35歳以上の女性は、出産率が有意に低下する(受精卵の染色体異常率増加と流産率増加のため)ので、6ヶ月トライして妊娠しなかった場合には専門医を受診すべきである。
2 妊娠しやすい時期は排卵の5日前~排卵日の計6日間であり、この間に1〜2日おきの複数回の性交が推奨される。
3 頻回の性交ができない場合には、尿中のLHサージ検出(排卵検査キット)や頸管粘液のモニタリングによる排卵日の推定が妊娠率増加に寄与する。
4 男女ともに特別な食事やサプリが妊娠率増加をもたらすことは証明されていないが、女性の葉酸摂取(400μg/日)が赤ちゃんの神経系の異常を防ぐことが明らかにされている。男女ともに健康的な生活習慣とバランスの良い食事を摂ることが望ましい。
5 特定の体位や性交後の状態は妊娠率に影響しない。
6 薬物使用(合法、不法)とタバコはやめ、アルコールとカフェインは許容範囲に抑える。
7 環境ホルモンや環境汚染物質の暴露を避ける。
解説:生活習慣については、私の記事(2013/7/16「☆☆☆ライフスタイルと妊娠 改訂版」)と近いものがありますが、公式見解としてこのようにまとめて頂けるのは有り難いものです。また、妊娠しやすい時期については、2012.9.18「☆タイミングの取り方間違ってませんか?」を参照してください。
下記の記事を参照してください。
2013.10.29「☆自然妊娠を目指す場合のポイント:米国生殖医学会公式見解」
2013.1.23「☆☆☆不妊クリニック通院前にして欲しいこと」