最近読んでよかった本 その132 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった本を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

私のブログでは月2回本の紹介をしています。

何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。

 

 

「うちの子が結婚しないので」垣谷美雨

老後の準備を考え始めた「千賀子(57歳)」は、一人娘「友美(28歳)」の将来が心配になる。 女性用アパレル関連の会社で残業は多め、異性との出会いもなく、彼氏の気配なし。自分たち両親の死後、娘が孤独な老後を送るんじゃないかと。 友人の娘の結婚報告で焦り、夫とともに練った策が「親婚活」会への参加。親が婚活を代行する、つまり、子の身上書を持参した複数の親たちがまず条件などで相手を見定め、合意後改めて子同士のお見合いを行うというもの。果たして、友美の相手は見つかるのか?垣谷美雨さんらしい軽妙なタッチで、親婚活の奮闘を書きながら、結婚の意味について問う作品です。

 

 

「完全無罪」大門剛明

香川県で21年前に起きた少女誘拐事件が3件、そのうち1件の殺人事件の犯人とされた「平山聡史」は無期懲役で服役中である。平山は無実を訴え再審裁判を起こす。この裁判に抜擢された新人弁護士「松岡千紗」は、少女誘拐事件で監禁された3人のうちの一人だった。千紗の目的は、平山の弁護ではなく、自分を誘拐し監禁した真犯人を探すこと。千紗は毎日のように事件の悪夢を見てトラウマになっていたのだ。平山に接見した千紗は、平山が冤罪であることを悟り、真犯人探しに奔走する。再審裁判では、平山の取り調べに当たった「有森義男」と「今井琢也」が証人として出廷し、今井の証言により事態は急展開へ。さらに、平山は千紗に怪しげな言葉を発し姿を消す。冤罪をテーマに、冤罪の理不尽さと容疑者、警察、検察の葛藤を描く作品です。

 

 

「パラドックス13」東野圭吾

3月13日13時13分13秒、世界中で「P-13」現象が発生した。時間のパラドックスが生じたらしいのだが、詳細はわからない。残されたのは大人から子供まで、境遇も年齢も異なる男女13人。なぜ彼らが選ばれたのか?地震、大雨、洪水が押し寄せ、瓦礫の山のように東京が廃墟と化す中、13人は生き抜こうと懸命に努力する。果たして、13人は生き残れるのか?そして、13人が選ばれた理由とは何か?タイムスリップ描写が得意な東野さんらしい作品で、一気読み必至です。

 


「ふたたび嗤う淑女」中山七里

カネと欲望にまみれた者たちを「標的」に据え、甘い言葉を操りながら、奥に潜む欲望をあぶり出す、美貌の投資アドバイザー「野々宮恭子」。自らの手をいっさい汚すことなく、「標的」たちを奈落の底へと突き落としていく。今回の「標的」は、国会議員「柳井耕一郎」とその周りの人達。嗤いながら不幸の種をまくヒロイン恭子の暗躍に目が離せません。もちろん、最後はどんでん返しあり。

 

 

「向こう端にすわった男」東直己

ススキノ探偵シリーズ番外編の短編集です。「向う端にすわった男」「調子のいい奴」「秋の終わり」「自慢の息子」「消える男」の5話。箸休め的な作品です。