Q&A3044 29歳、第二子治療中 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q リプロで治療し、松林先生の診察を受け、27歳のときに4回目の移植で第一子を妊娠、出産することができました。ありがとうございました。現在、第二子治療のため通院中。

26歳 通院開始 AMH 0.43 精索静脈瘤等男性因子もあり体外受精へステップアップ
採卵① アンタゴニスト法(クロミッド+フェリング300)9個採卵(IVF4個中0個受精、ICSI 5個中4個受精)3日目8G25日目G3AB6日目4CC、4CC凍結
移植1-① ホルモン補充周期 SEET+3AB → 陰性(hCG 0)
慢性子宮内膜炎、子宮収縮、不育検査のうえ、次周期より、亜鉛サプリ、ダクチル、ヘパリンを対策
移植1-② ホルモン補充周期 G-CSF+8G2 →陰性(hCG 0)
移植   自然周期にトライするが移植日に出血しキャンセル
移植1-③ ホルモン補充周期 4CC×2個(前周期に再凍結したもの)→陰性(hCG 0)
採卵② アンタゴニスト法(クロミッド+フェリング300)3個採卵、3日目8G2+7G3移植6日目4CC凍結
移植1-④ エンブリオグルー+新鮮胚移植(8G2+7G3)ルトラールに加えて移植日よりプロゲデポー使用→妊娠、出産

29歳 第二子治療開始 銅亜鉛検査陰性、ヘパリン、ダクチルは使用
採卵③ アンタゴニスト法(クロミッド+フェリング300)15個採卵3日目6G3+10G3移植、9G2、10G35日目3BA、3AB6日目3AC凍結
移植2-① エンブリオグルー+新鮮胚移植(6G3+10G3)OPU+11中間診察時より、エストラーナテープ、プロゲデポー使用開始→OPU+18判定 陰性(hCG 0.03)  
移植2-② 自然周期 SEET+3BA →移植後11日目判定 陰性(hCG 0.07)
慢性子宮内膜炎検査→陰性

現在残る胚は、27歳時の6CC、29歳時の9G2、10G3、5AB、6ACです。今後の移植プランはどうすればよいでしょうか。
移植2-①の際の移植日の診察でホルモン値良好のためプロゲデポーは必要ないとのことでしたが、移植1-④もホルモン値良好だったが移植日よりプロゲデポー使用していた理由がわからないとのことでした。次回、新鮮胚移植時はホルモン値によらず、プロゲデポーを使用すべきでしょうか。
都合が合わず移植2-①では中間診察に来院する日が遅くなり、結果ホルモン補充も遅くなってしまったことが影響してしまったのでしょうか。
出産歴があるため、着床の窓のズレは気にしなくていいと言われたのですが、初期胚移植で妊娠しているため、子宮内での胚の成長速度次第では着床の窓がうまくズレたことにより、たまたま妊娠に至ったということは考えられるでしょうか。

 

A 第一子妊娠時の必勝パターンである「初期胚2個の新鮮胚移植+エンブリオグルー」で結果が出ていませんので、必勝パターンが変化した可能性は否定できません。

 

必勝パターンに近いとすれば、少し卵巣刺激しての自然排卵周期移植で、9G2+10G3+エンブリオグルーが良いと思います(④を実施してから)。
②必勝パターンが変わってないとすれば、新鮮胚移植時はホルモン値によらず、プロゲデポーを使用するのが良いと思います。
③新鮮胚移植では、OPU+8日目位から、ホルモン値が下がることが多いです。もしできたら、その頃にご来院頂き、ホルモン補充を行うのが良いです。
④出産歴がある方でも、必勝パターンでなかなか上手くいかない場合には、着床の窓が変化していることがあります。ズレていない方がズレたり、不思議なことに反対側にズレたりする方もおられますので、ERPeak検査をお勧め致します。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。