Q&A2988 45歳、AMH 0.08、卵胞を育てる方法はないのでしょうか | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 45歳、AMH 0.02→0.08


2018年、Aクリニックにて、カウフマン療法を繰り返しましたが1度も採卵できず、卵子提供を勧められました。

2019年、諦めきれずBクリニックへ転院。FSHは高いときは40くらいになりました。

Bクリニックでは、エストラーナテープの枚数を調節して、FSHのコントロールをしています。

2019年8月に採卵、初期胚移植陰性。

2020年2月に採卵、胚盤胞をねらいましたが途中で止まりました。

2020年5月採卵日に排卵していて、人工受精に切り替え陰性。

2021年2月エストラーナ不使用でE2が100だったので期待したら卵管水腫でした。

1年以上採卵できていない状況です。次に採卵できたら、透明帯除去を希望しています。貴重な卵子を大事にしたくて、着床の窓の検査を希望しましたが、普通の月経がある人しかできないとのことでした。
卵胞が育ったときを振り返ると、月経中から卵胞が出てきてE2も数値があるときに採卵できました。ドクターは30日目まで卵胞が育つ可能性があるということで、毎週の内診とホルモン値検査を繰り返していますが、卵胞は見えても育ちません。30日過ぎると、ペラニンデポーとプロゲデポーを注射して月経を起こしています。
他の方法はないのか尋ねると「ない」とのこと。AMH 0.08はまだ閉経ではないから大丈夫と言われています。また原始卵胞体外活性化法(IVA)があることや、ハワイでの卵子提供については聞いています。Bクリニックでは45歳の年齢制限があり、あと1年となりました。地方では選べるクリニックが少なく、遠方からの通院になりますが、コロナが収まってきたら、リプロへの転院も考えています。

①卵胞を育てる他の方法はないのか。
②年齢的にもIVAを急いだほうがいいか。
③まだ普通の体外受精で授かる可能性はあるのか。
④1年を待たずに転院したほうがいいか。

 

A 

①現状ですと、通常のクリニックではギブアップ宣言が出されるものと思います。リプロでは、FSH調節周期として、FSHを様々な方法で低下させ(FSH<20)、卵胞発育のバリアが解除された状態で、いつ卵胞発育が起きても良い状態を保つ作戦をとっています。しかし、それでもうまく卵胞が発育しないことは少なくありません。極めて根気が要る治療方法です。
②IVAは、早ければ早い方が良いと思います(元々、早発閉経を対象にした治療です)。
③授かる可能性があるのかないのかと問われれば「ある」のでしょうが、極めて低い確率だと思います。
④「他に方法はない」とのことですので、すぐにでも転院を検討された方が良いでしょう。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。